雑文

良い議論の原則

Econlogのブライアン・カプラン*1が表題のエントリを書いている(原題は「Principles of Good Debating」)。以下に抜粋で紹介してみる。 ...here are my candidate principles of good debating. They're not primarily about winning, but about deserving…

ストレスに対処する51の方法

The Big Pictureより(元はノースウエスタン大学のpdfファイルとの由)。 15分早く起きる 前の晩に翌朝の準備をしておく 日の出を見る 日の入りを見る きつい服は避ける 生活の優先順位を定める ネガティブな人々を避ける 逆さ言葉で誰かにごきげんようと言…

クライメートゲート事件と筑波大事件の奇妙な符合

最近世間を騒がせているクライメートゲート事件に関する記事を読んでいて、拙ブログで少し前に取り上げた筑波大プラズマ研究改竄事件となんか似ているな、と思ったので、以下に気が付いた共通点を思いつくままに挙げてみる。なお、あくまでも素人による感想…

二匹の鼠

最近、経済が流動性の罠に落ちた後の各国の状況について、この映画の以下の台詞が極めて暗示的に思えてならない。 Two little mice fell in a bucket of cream. The first mouse quickly gave up and drowned. The second mouse, wouldn't quit. He struggle…

自己充足的予言とレイ・ブラッドベリ

経済学や社会学で自己充足的予言というのは有名な概念である。本ブログでも最近ここやここで取り上げた。Wikipediaによると、そうした予言は古来から存在していたが、その用語自体を発明して社会学の概念として定着させたのは、ノーベル経済学賞を受賞したロ…

経済学者は感情で動く

クルーグマンが経済論争に関して面白いことを書いている。以下はその拙訳。 ゴドウィンの法則の拡張提案 ゴドウィンの法則――ネットでの議論がある程度長引くと、相手をヒトラーに喩える輩が必ず出てくる――は、もし実際に相手をナチに喩えることに走ったら、…

グーグルが教えてくれた10のこと

近刊の下記の本*1の著者、ケン・オーレッタ(Ken Auletta)が、フォーチュンに「10 things Google has taught us」という記事を書いている。Googled: The End of the World As We Know It作者: Ken Auletta出版社/メーカー: Penguin Press発売日: 2009/11/03…

科学と非科学の境目

先週の土曜日にたまたまTBSの報道特集NEXTを見て、昨年の筑波大学での大学教授解雇事件が問題になっていることを知った。 事の経緯は、長照二プラズマ研究センター長がフィジカル・レビュー・レターに投稿した論文に関し、データの改竄があったのではないか…

カンフー・パンダとエレノア・ルーズベルト

以前bewaadさんのところで翻訳コンテストを行なっていたカンフー・パンダの以下の台詞について、意外なことを知った。 You are too concerned with what was and what will be. There is a saying: Yesterday is history, tomorrow is a mystery, but today …

作家の話術

「作者と作品は別もので、作品がすべてで作者はカスであることもあり、作品と作者は似ても似つかぬものであることもあって、作者を知ることは作品の理解をさまたげることが多いのである」 …とかつて山本夏彦は述べたとのことだが、それに呼応するようなエッ…

コント:ポール君とグレッグ君(2009年第12弾):雑感

昨日のエントリについて個人的に考えたことを記しておく。 マンキューの考えの問題点は、必要条件と十分条件の混同にあるように思われる。即ち、高収入の人には確かにIQの高い人が多いだろう。だが、IQの高い人が高収入とは限らないのではないか? その点を…

ブログの凋落?

11Dというブログの「The Blogosphere 2.0」という今月初めのエントリが話題を集めた。内容は、ブログ主のローラ・マッケンナ氏(Laura McKenna)がブログを書き始めて6年目を迎えるにあたり、その6年間のブロゴスフィアの変化を総括してみたというもの。 彼…

ブログでは礼儀正しくあれ

昨日紹介したフェリックス・サーモンの記事は、The Baseline Scenarioでジェームズ・クワックが称賛していたので気付いた。そのエントリでクワックは、質より量というサーモンの考えに同意しつつも、読者を集めるための自分なりの考えを書き連ねている。彼は…

フェリックス・サーモンのジャーナリスト向けブログ講座

最近、梅田望夫氏の例のインタビュー記事を皮切りに、日本のネット界を海外のそれと比較して嘆くエントリを目にするようになった。はてな界隈でも、ここのところ、econ2009氏やラスカル氏の休止宣言や、田中秀臣氏の慨嘆が見られた。 そうした中、ロイターの…

餅は餅屋…か?

昨日と一昨日、日本の経済学者に対しやや挑発的なことを書いてしまったが、今日はさらに挑発的なことを書いてみたい。というのは、最近、経済学は我々プロの仕事だ、素人は引っ込んでいろ、と言わんばかりの言動を続けて目にしたのだが、そうした言動から昔…

日本喩え話

(このエントリのコメント欄でJD-1976さんとやり取りをしているうちに思いついた喩え話) あるところに農家がいました。その農家の一家は概ね自給自足で生活できたのですが、ただ農機具を動かしたり生活に必要な燃料だけは外から買う必要がありました。その…

経済学者とブログ・続きの補足

昨日紹介したWillem Buiterのブログの最近のエントリを見ていたら、1週間前に一騒動あったようだ。2/17 1:45AMのエントリで、Buiterはいったん断筆宣言をしている。理由は、ブログのホスト主であるFTが2/6に導入したコメントのフィルタリング制度のため。こ…

経済学者とブログ・続き

昨日紹介したNick Roweのエントリのコメント経由で知ったが、Willem Buiter氏も表題の件について書いていた。これも面白いので、昨日と同様にまとめてみる。 私のブログをもっと簡潔にしろと言う人たちへ:このブログは私自身のために書いているのであって、…

経済学者とブログ

night_in_tunisaさんが紹介したNick Roweの最新ブログエントリが大変面白い。そのエントリでRoweは、以下のようなことを書いている。 2008年7月以降サバティカルに入ったが、その後金融危機が訪れた。それ以降、1日に何時間も経済や金融のブログを読んで過ご…

説教したがる大統領

一昨日の本ブログで、経済問題への対処法の代わりに説教を提示している経済学者を取り上げて批判したが、クルーグマンがブログやop-edで同様の批判をしている。 ただし、批判の相手は経済学者ではなく、オバマ大統領その人。 op-edから主な箇所を抜き書きし…

経済自虐史観

昨日のエントリでは、齋藤誠氏のHPの論説を批判的に取り上げた。そこでは主に、経済学者の役割を棚に上げていたずらに世間に説教したがる氏の姿勢を批判したが、それとは別に、もう一つ、ああこの人もそう見ているのか、と思わされた文章があった。 さまざま…

説教したがる経済学者たち

大竹文雄氏のブログ経由で、齋藤誠氏のこの論説を読んでみた。冒頭で 2008年は,マクロ経済学や金融論を専門とする経済学徒にとって試練の年だったと思う。11月19日に一橋大学の兼松講堂で行われた金融危機に関する公開討論の後に,「日本経済が深刻な事態に…

自分への攻撃

中学か高校時代に読んだ海外SF短編に、次のようなストーリーのものがあった。 主人公は休暇を終え、再び戦場へ向かう。そこでは、やむことの無い砲弾の応酬が繰り広げられている。しかし、奇妙なことに、敵の姿を目撃したものはいない。 同僚の軍人は、最新…

我が孫たちの日本語の可能性

分裂勘違い氏のこのエントリを読んで、ここで紹介したケインズの小論を思い出さざるを得なかった。これほど対照的な未来予測はないだろう。 ケインズの予測した未来では、技術の発達によって人々は働く必要がなくなり、暇を持て余すようになる。労働は習慣的…

世間というもの

麻生首相のホテルのバー通いが問題になっている。同じ麻生でもザリガニ食っていた人とは偉い違いだな、というのはともかく、それに対する世間やメディアの反発と、その反発の低次元さを嘆くブロガー、という構図が個人的には興味深い。 その構図は、妊婦がい…

100%確実

米金融危機の行方も気になるが、今日は以前*1友人に書いたメールを埋め草的にアップしてみる。内容的には池田信夫氏にゲーデルの誤用だと怒られそうな話だが、まあ、辺境のブログの戯れ言にそれほど目くじらを立てる人もいないだろう。 メールの趣旨は、読ん…

日本人とプロジェクト・補足

昨日のエントリにkmoriさんから、一昨日のエントリにHicksianさんからTBを頂いた。ありがたいことである。kmoriさんからは「なお、id:himaginaryさんのダイアリーにはこれ以外にも面白い記事がたくさんある。是非通読されることをおすすめする。」という過分…

日本人とプロジェクト

今日は8年前に書いた雑文をアップする。これまで基本的に経済学に関するエントリを続けてきたが、これはより一般的な社会評論に属する文である(今読み返してみると、当時の仕事上の不満が微妙に反映されているようだ)。 内容的には、池田信夫氏が批判して…

インセンティブの学問・補足

昨日上げたエントリに関して、ほかの方のブログエントリを見て思いついた点を追記してみる。昨日のエントリでは、 …合理的な個人を仮定してその問題を追究した結果、そのあたりの理論は一通りの完成を見た。あとは、合理的な個人という前提を外す、というこ…

インセンティブの学問

今日も個人的な考えを書き連ねた雑文。 経済学とはインセンティブの学問だ、とは最近よく言われる話である*1。以前は、有限な資源を如何に配分するか、というのが経済学の中心的な課題だったが、合理的な個人を仮定してその問題を追究した結果、そのあたりの…