2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧
米金融危機の行方も気になるが、今日は以前*1友人に書いたメールを埋め草的にアップしてみる。内容的には池田信夫氏にゲーデルの誤用だと怒られそうな話だが、まあ、辺境のブログの戯れ言にそれほど目くじらを立てる人もいないだろう。 メールの趣旨は、読ん…
IMEが勝手に表題のように変換してしまったが、この今回のポールソン米財務長官の金融機関救済策に対する経済学者からの非難轟々を考えると、案外当たっているのかも知れない。そういえば昔ジョン損と呼ばれた助っ人外人がいたっけ…。 かつて速水時代の日銀が…
少し前に日本のブログ界でバーナンキの背理法が話題になった。その時の議論は数学的厳密さに関するものだったが、今度はクルーグマンが実現可能性という点から疑問を投げかけた。 So Ben Bernanke came into his current position believing that central ba…
田中秀臣氏の22日のエントリで、一般理論における“ケインズ自身の「流動性の罠」からの脱出法”として以下の3つが挙げられていた。 1)貨幣供給量の増加(名目貨幣量の弾力的な膨張政策) 2)資本の限界効率表の上方シフト(産業政策とか期待のシフトとか…
池田信夫氏は、今回のサブプライムローンのような問題があっても、日本は高度な金融技術を駆使してリターンを上げることを追求すべきで、従来の預金主体のビジネスとは訣別すべし、と主張している(昨日紹介した邦銀=地底人の喩えもその主張が背景にある。…
昨日に続き池田信夫氏のブログをネタにもう一エントリ。 1周遅れでトップに立ったようにみえる邦銀は、何もしないうちに地上の人類がこけて「おれたちの勝ちだ」と喜んでいる地底人のようなものだ。 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/0947e4a51c37b7be2d7…
池田信夫氏が19日エントリで今回の米国の金融危機をDisorganizationという観点から捕らえている。 こういう状況で流通システムが崩壊すると何が起こるかを理論的に分析したのが、Blanchard-Kremerの有名な論文 "Disorganization"である。これは社会主義崩壊…
昨日に引き続き、昔考えた映画のネタをアップする。これも6年前に投稿したものだが、題材はちょうど10年前の今日(9月23日)に決着したLTCM救済劇。 まさかその10年後の9月にまた同じような会合が開かれ、今度はリーマンの救済されない劇が繰り広げられる、…
以前、映画が共通の趣味の友人と「自分が映画を撮るとしたらどんな題材を選ぶか」ということを投稿する内輪のBBSを立ち上げたことがある。今日は、そこから6年前に投稿したネタをこちらに転載する。
Hicksianさんの最新のエントリで、ナチスとスタンプ紙幣の関係が取り上げられていた。スタンプ紙幣については本ブログでも以前書いたことがあったが、ナチスとの関係は初耳だった。そこで小生もぐぐってみたところ、とりあえず以下の資料を見つけたので、メ…
昨日はGDPと消費の散布図を描いてみたが、今日はGDPと投資の散布図を描いてみる。 まずはGDPと企業設備投資。 バブル崩壊以前のグラフは消費の場合ほど綺麗な直線にならず、紆余曲折があるが、全体としてはまあまあ順調に推移している(対数グラフ…
下記の図は、実質ベースのGDPを横軸、消費を縦軸に散布図を描いたもの。期間は1955年度-2007年度、単位は兆円。 一見して分かるとおり、1990年を境に、それまで直線状に伸びてきた*1消費関数が、急に見えない壁にぶつかってのたうち回るかのような動きを…
昨日のエントリにkmoriさんから、一昨日のエントリにHicksianさんからTBを頂いた。ありがたいことである。kmoriさんからは「なお、id:himaginaryさんのダイアリーにはこれ以外にも面白い記事がたくさんある。是非通読されることをおすすめする。」という過分…
今日は8年前に書いた雑文をアップする。これまで基本的に経済学に関するエントリを続けてきたが、これはより一般的な社会評論に属する文である(今読み返してみると、当時の仕事上の不満が微妙に反映されているようだ)。 内容的には、池田信夫氏が批判して…
昨日上げたエントリに関して、ほかの方のブログエントリを見て思いついた点を追記してみる。昨日のエントリでは、 …合理的な個人を仮定してその問題を追究した結果、そのあたりの理論は一通りの完成を見た。あとは、合理的な個人という前提を外す、というこ…
今日も個人的な考えを書き連ねた雑文。 経済学とはインセンティブの学問だ、とは最近よく言われる話である*1。以前は、有限な資源を如何に配分するか、というのが経済学の中心的な課題だったが、合理的な個人を仮定してその問題を追究した結果、そのあたりの…
以前のエントリに書いたように、市場と政府の役割分担は経済学の永遠のテーマであろう。今日はそのテーマについて思いつくままに書き連ねてみる。 <経済政策> 政府が実施する経済政策(財政政策や規制策)に対して巷間よく批判されることは、ざっと以下の…
この記事を読んでいたら自然にタイトルのフレーズが浮かんだ*1。 Get Shovel, Dig Deeper, by Tim Duy: The US is not Japan. I realize, however, that whenever I suggest this, I am viewed as downplaying the seriousness of the economic situation. T…
スティグリッツの本「Globalization and Its Discontents」(邦訳は30日エントリの商品紹介参照)についてデロングが自ブログで書評を行なったことがあるので、今日はそれを取り上げてみる。なお、これは実は2回目の書評。最初の書評はそれほど面白くはなく…
昨日のエントリでゴールドマンとサックスのロシア支援に関する意見の違いについて紹介した。そこで触れた記事の一つでは、Wedel女史がサックスに反論するに当たり、ポーランドの成功は改革の核心を拒否したため、というゴールドマンの分析を引用している。そ…
昨日のエントリで“HOW HARVARD LOST RUSSIA”(Institutional Investor Magazine, January 2006)の、サックスとロシアとの関わりの部分を紹介したが、その中で当時ハーバードのロシア研究所の所長だったマーシャル・ゴールドマンについて触れられている。そ…
昨日のエントリで紹介した“HOW HARVARD LOST RUSSIA”(Institutional Investor Magazine, January 2006)から、今日は、サックスとロシアとの関わり、およびシュライファーとの確執について書かれた箇所を翻訳してみる。 1991年11月、チーム*1は別の恐れ*2、…
8/30エントリの脚注で触れた“HOW HARVARD LOST RUSSIA”(Institutional Investor Magazine, January 2006)を少し詳しく紹介してみる(同エントリの本文で紹介した“Wolfensohn agonistes”と同じくInstitutional Investor(II)誌の記事だが、なぜかこの記事…
今日は、30日エントリの「5.サックス VS スティグリッツ」に記した以下の書評を紹介する。 ● サックス書評 (The Washington Monthly Online 2000/03)(リンク) この本(邦訳は下記)の書評。ロシアの選択―市場経済導入の賭けに勝ったのは誰か作者: エゴー…
今日は、30日エントリの「4.サックス VS サマーズ」に記した以下の記事を紹介する。 ● Tiff in the Economists’ Temple (The Washington Post 1998/04/05)(リンク) まずは冒頭部の拙訳。 彼らは大学院時代に出会い、大抵の晩を大学のコンピュータセンタ…
今日は、30日エントリの「3.スティグリッツ VS サマーズ」に記した資料をまとめて紹介する。 ● Shoeless Joe Stiglitz (The American Prospect 1999/7/1-8/1)(リンク) これについては今年に入って山形さんが翻訳を公開された。クリントン政権内でのステ…
引き続き、30日エントリで紹介した各種記事の紹介。 ● Barry Eichengreen:書評 The Globalization Wars: An Economist Reports From the Front Lines (Foreign Affairs 2002/7-8)(リンク) アイケングリーンは1952年生まれの経済学者なので、やはりクルー…
引き続き、30日エントリで紹介した各種記事の紹介。今日は、IMFの反論の残り2本。 ● Dawson:MITスピーチ (2002/06/13)(リンク) CVや就任時のプレスリリースを見ると、このDawsonという人は経済学者というよりは実務家のようだ。1999年から2006年までI…
引き続き、30日エントリで紹介した各種記事の紹介。 ● The Odd Couple of Global Finance(FT 2002/07/06) Global Policy Forumという自称“国連の政策決定を監視する団体”があるが、そこにはスティグリッツの特集ページみたいなものがあり、30日エントリで紹…
引き続き、30日エントリで紹介した各種記事の紹介。 ● Rogoff:An Open Letter to Joseph Stiglitz (2002/07/02)(リンク) 当時現役のIMF職員(経済担当顧問兼調査局長)だったこのロゴフの反論は、日本のマスコミでも報じられて話題になった。この反論は、…