社会

子供の高等教育に両親の離婚が及ぼす影響の仕組みの理解

というNBER論文が上がっている。原題は「Understanding the Mechanisms of Parental Divorce Effects on Child's Higher Education」で、著者はYen-Chien Chen(国立曁南国際大学)、Elliott Fan(国立台湾大学)、 Jin-Tan Liu(同)。 以下はその要旨。 In…

原因は電話だよ、馬鹿者:携帯と殺人

恰も22日に紹介したドノヒュー=レビットに反駁するかのような表題のNBER論文が上がっている。原題は「It's the Phone, Stupid: Mobiles and Murder」で、著者はLena Edlund(コロンビア大)、Cecilia Machado(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団)。 以下はその…

中絶の合法化が過去20年間の犯罪に与えた影響

というNBER論文が上がっている。原題は「The Impact of Legalized Abortion on Crime over the Last Two Decades」で、著者はJohn J. Donohue(スタンフォード大)、Steven D. Levitt(シカゴ大)。 以下はその要旨。 Donohue and Levitt (2001) presented e…

デビッド・カードは間違っているのか?

前回エントリで紹介したThe Chronicle of Higher Education記事にタイラー・コーエンも10/31のMarginal Revolutionのリンク集エントリでリンクしているが、「Good piece, Card is wrong.(良い記事、カードは間違っている。)」と書き添えている。そのカード…

カード「ハーバード大入試でのアジア系差別は統計的に支持されない」

ハーバード大への入学がアジア系に不利になっている、という点が争われている裁判で、デビッド・カードが被告のハーバード大側の証人となり、統計的にはその証拠はない(「The statistical evidence does not support the claim」)、と証言したという。以下…

死、トラウマ、および神:従軍経験が宗教性に与える影響

というNBER論文が上がっている。原題は「Death, Trauma and God: The Effect of Military Deployments on Religiosity」で、著者はResul Cesur(コネチカット大)、Travis Freidman(ニューハンプシャー大)、Joseph J. Sabia(サンディエゴ州立大学)。 以…

人工知能、経済学、および産業組織

というNBER論文(原題は「Artificial Intelligence, Economics, and Industrial Organization」)をHal Varianが上げている。「The Economics of Artificial Intelligence: An Agenda」というNBERが出版予定の本の一章のようで、こちらで原文が読める。 以下…

言説、義務的規範、および道徳的思考

というNBER論文をジャン・ティロールらが書いている(ungated版、初期版)。原題は「Narratives, Imperatives, and Moral Reasoning」で、著者はRoland Bénabou(プリンストン大)、Armin Falk(ボン大)、Jean Tirole(トゥールーズ・スクール・オブ・エコ…

W杯トロフィーの金含有量

今回のW杯でフランスが手にしたトロフィーの仕様を、シンガポールの貴金属会社BullionStar社がブログで解説している(H/T Mostly Economics)*1。 The FIFA World Cup Trophy stands 36.8 cms tall with a base diameter of 12.5 cms. Overall it weighs 617…

ニコバル諸島の日本占領/奴隷労働、スパイ容疑、および処刑

という論文(原題は「Japanese Occupation of Nicobar Islands / Slavery, Espionage and Executions」)をタタ社会科学研究所のAjay Sainiが書いている(H/T Mostly Economics)。以下はその導入部からの引用。 Despite their severity, the Japanese atroc…

大手銀行の予測が軒並み外れる時

Mostly Economicsが6/18エントリで、大手銀行のW杯予測をNYT経由で取り上げたfinews.asia記事を紹介している。同記事によると、ゴールドマンサックスのマクロ調査チームは、AIのアルゴリズムを用いて、決勝はブラジル対ドイツになり、ブラジルが勝つと予測し…

インドサッカーが凋落した理由

前回リンクしたMostly Economicsは、次のエントリで、インドにサッカーが根付かなかった理由をやはり経済に求めたlivemint記事を紹介している。同記事によると、独立前は英国の影響でインドでもサッカーが盛んで、インドのプレミアリーグであるIFAシールドの…

ドイツ代表に東独出身者がほとんどいない理由

ドイツW杯敗退の報を聞いて、少し前にMostly Economicsが取り上げていたこちらの記事を思い出した。著者はミドルベリー大学で言語学を教えるPer Urlaubで、今大会のドイツ代表に東独地域の出身者がトニ・クロース(Toni Kroos)しかいない背景を分析している…

国家主義者としてのトランプ

マンキューがブログで、トランプ政権の移民政策に対する憤りを露わにしている。 22日には、David BrooksのNYT記事から以下の箇所を引用したエントリを上げている。 For centuries, conservatives have repeated a specific critique against state power. St…

ZOZOTOWN経営陣の要望に応える欧米の左派政党

「Brahmin Left」とピケティが名付けた層が所得格差縮小の障害になっている、という話が話題になっている。ProMarketで「なぜ民主主義が格差縮小できないか:インテリ左翼のせいだ(Why Democracy Fails to Reduce Inequality: Blame the Brahmin Left)」と…

理念対権益:統一的な政治経済の枠組み

昨日に続き、27日エントリで紹介したロドリックのブログ記事でリンクされていた論文の要旨を紹介する。以下は表題の共著論文(原題は「Ideas versus Interests: A Unified Political Economy Framework」、共著者はウォーリック大のSharun W. Mukand)の要旨…

理念が権益に勝るとき:選好、世界観、および政治的イノベーション

引き続きロドリックねた。以下は、27日エントリで紹介したロドリックのブログ記事でリンクされていた表題の論文(原題は「When Ideas Trump Interests: Preferences, World Views, and Policy Innovations」)の要旨。 Ideas are strangely absent from mode…

今日における最も重要な思想家としてのタレブ

についてブランコ・ミラノビッチが書いている。 Several weeks ago on Twitter I wrote (in an obviously very short form) why I thought that Taleb was one of the most important thinkers today. Let me explain in greater detail. Taleb went from (a…

歴史は確率的か?

というエントリ(原題は「Is history probabilistic?」)の冒頭でDaniel Littleが以下のように書いている。 Many of our intuitions about causality are driven by a background assumption of determinism: one cause, one effect, always. But it is evid…

中心は持つのか?

以前、イェイツの「再臨」(Second Comming)という詩の一節をServaas Stormがユーロ圏の先行きに絡めて引用したのを紹介したことがあったが、サマーズが表題のProject Syndicate論説(原題は「Will the Center Hold」)で米国と世界の先行きに絡めて引用し…

ポピュリズムとグローバリゼーションの経済学

というNBER論文をダニ・ロドリックが上げている(原題は「Populism and the Economics of Globalization」;ungated版、VoxEU記事)。 以下はその要旨。 Populism may seem like it has come out of nowhere, but it has been on the rise for a while. I ar…

裏切りの新たな気候

クルーグマンが、ロシアゲートについてトランプを擁護する共和党の動きを受けて、9日エントリで紹介した分離独立に関するブランコ・ミラノビッチの考察を基に、国の分裂は米国も他人事ではない、という懸念を表題のエントリで示している*1。 ...So why has p…

分離独立の経済学

カタルーニャ州独立運動の住民投票のニュースを受けてと思われるが*1、ブランコ・ミラノビッチとタイラー・コーエンが分離独立に関する論考を書いている。 ミラノビッチは専ら、このテーマで良く引用される論文に対する批判を繰り広げている。 Twenty years …

英国でなければどこだったか? フランス発の産業革命だった可能性の論証

1ヶ月ほど前にタイラー・コーエンが、「How long until another Industrial Revolution would have taken place?」と題したMRエントリ(邦訳「イギリスで産業革命が起きなかったとしたら他の産業革命までどれくらいかかっただろう?」)を上げた。それに対し…

ネオファシズムの時代?

3日エントリで、今のポピュリズムは実はファシズム(ないし、現代風の呼び方にするならばネオファシズム)ではないか、というデロングの論考を紹介したが、国際経済交流財団とスタンフォード大学アジア太平洋研究センターがスタンフォードで開いたコンファレ…

フクヤマ的な勝利主義の隠れた危険性

というエントリをブランコ・ミラノビッチが書き(原題は「The hidden dangers of Fukuyama-like triumphalism」)、その末尾で以下のように述べている。 When you have in your mind this (I think) much more accurate narrative of the past half-century,…

男の子は幼児保育の質の差に左右されやすい

という結果を示したNBER論文を、ノーベル経済学賞を2000年に受賞したジェームズ・ヘックマンらが上げている(論文自体も公開されている)。論文のタイトルは「Gender Differences in the Benefits of an Influential Early Childhood Program」で、著者はJor…

極論から主流へ:如何に社会規範は崩壊するか

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「From Extreme to Mainstream: How Social Norms Unravel」で、著者はLeonardo Bursztyn(シカゴ大)、Georgy Egorov(ノースウエスタン大)、Stefano Fiorin(UCLA)。 以下はその要旨。 Social norms a…

国家建設、ナショナリズム、および戦争

アレシナが表題の少し毛色の変わったNBER論文の共著者に名を連ねている。原題は「Nation-Building, Nationalism and Wars」で、著者はAlberto Alesina(ハーバード大)、Bryony Reich(ノースウエスタン大)、Alessandro Riboni(エコール・ポリテクニーク)…

ストレスの後年の人生への影響:ベトナム徴兵の実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「The Effect of Stress on Later-Life Health: Evidence from the Vietnam Draft」で、著者はJohn Cawley(コーネル大)、Damien de Walque(世銀)、Daniel Grossman(ウエストバージニア大)。 以下はその要旨。 A s…