社会

誰をパンデミック中に在宅勤務にすべきか? 賃金と感染のトレードオフ

というNBER論文が上がっている。原題は「Who Should Work from Home during a Pandemic? The Wage-Infection Trade-off」で、著者はSangmin Aum(明知大学校)、Sang Yoon (Tim) Lee(ロンドン大学クイーン・メアリー校)、Yongseok Shin(セントルイス・ワ…

COVID-19以前のスウェーデンで特に多かった脆弱な人々――「乾いた薪」

ここで紹介した「乾いた薪」仮説をさらに検証した表題のSSRN論文にタイラー・コーエンがリンクしている。論文の原題は「Exceptionally many vulnerable – “dry tinder” – in Sweden prior to COVID-19」で、著者はJonas Herby(CEPOS*1)。 以下はその要旨。…

戦争、社会主義、およびファシズムの勃興:実証追究

アセモグルのNBER論文をもう一丁。以下はDaron Acemoglu(MIT)、Giuseppe De Feo(レスター大)、Giacomo De Luca(ボゼン・ボルツァーノ自由大)、Gianluca Russo(ポンペウ・ファブラ大)による表題の論文(ungated版、原題は「War, Socialism and the Ri…

制度の変化と制度の持続

というNBER論文をアセモグルらが上げている(ungated版)。原題は「Institutional Change and Institutional Persistence」で、著者はDaron Acemoglu(MIT)、Georgy Egorov(ノースウエスタン大)、Konstantin Sonin(シカゴ大)。 以下はその要旨。 In thi…

超感染拡大的なイベントによる感染の外部性:スタージス・モーターサイクル・ラリーとCOVID-19

こちらのエントリなどで紹介した、Covid-19のイベントスタディを精力的に行っている研究者のグループが、今回は表題のNBER論文を上げている。原題は「The Contagion Externality of a Superspreading Event: The Sturgis Motorcycle Rally and COVID-19」で…

パンデミックの訓練:ホラー好きと死や暴力ものが好きな人はCOVID-19パンデミック中に精神的により元気

という「Personality and Individual Differences」掲載予定論文をタイラー・コーエンが紹介している(7月時点の日本語紹介記事1、2、3、4)。論文の原題は「Pandemic practice: Horror fans and morbidly curious individuals are more psychologically res…

長期および短期のパンデミックの最適管理

というNBER論文が上がっている。原題は「Optimal Management of a Pandemic in the Short Run and the Long Run」で、著者はAndrew B. Abel(ペンシルベニア大)、Stavros Panageas(UCLA)。 以下はその要旨。 Social policy to limit interactions can slo…

進歩の罠

についてアセモグルが「Minding the Perils of Progress」と題したProject Syndicate論説で論じている(H/T Mostly Economics)。以下はその一節。 The improvements of the past 200 years are the fruits of industrialization, made possible by our acqu…

北欧でスウェーデンのCovid死亡率が高い16の理由候補

というSSRN論文にタイラー・コーエンがリンクしている。原題は「16 Possible Factors for Sweden’s High Covid Death Rate among the Nordics」で、著者はDaniel B. Klein(ジョージ・メイソン大)、Joakim Book(独立研究者)、Christian Bjørnskov(オーフ…

独裁者の2つのジレンマ

というProject Syndicate論説をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Dictator’s Two Dilemmas」で、著者はコロンビア大のAndrew J. Nathan。 以下はその冒頭。 Authoritarian regimes often enjoy more public support than democratic governments…

ロックダウンなしのCOVID-19予防と大気汚染

というNBER論文が上がっている。原題は「COVID-19 Prevention and Air Pollution in the Absence of a Lockdown」で、著者はHung-Hao Chang(国立台湾大)、Chad Meyerhoefer(リーハイ大)、Feng-An Yang(国立台湾大)。 以下はその要旨。 Recent studies …

天災に対応した海外移住:現代欧州で最も破壊的な地震についての実証結果

昨日紹介した論文と天災繋がりになるが、表題のNBER論文が上がっている。原題は「International Migration Responses to Natural Disasters: Evidence from Modern Europe's Deadliest Earthquake」で、著者はYannay Spitzer(ヘブライ大)、Gaspare Tortori…

中国の専制政治が長続きしたメカニズム

というSSRN論文にタイラー・コーエンがリンクしている。論文の原題は「A Longevity Mechanism of Chinese Absolutism」で、著者はYasheng Huang(MIT)、Clair Yang(ワシントン大)。 以下はその要旨。 A counterpart of what is known as “European except…

トランプ大統領のタルサ集会はCOVID-19を再燃させたか? インドアのイベントとそれを相殺する共同体効果

6/25エントリやそこでリンクしたエントリで紹介した論文でCOVID-19感染について精力的に実証研究を行っている研究者たちが、今度はトランプのタルサ選挙集会の感染への影響を表題のNBER論文で取り上げている。論文の原題は「Did President Trump's Tulsa Ral…

パンデミック期の誤った情報

というNBER論文が上がっている。原題は「Misinformation During a Pandemic」で、著者はLeonardo Bursztyn(シカゴ大)、Aakaash Rao(ハーバード大)、Christopher P. Roth(ウォーリック大)、David H. Yanagizawa-Drott(チューリッヒ大)。 以下はその結…

ブラック・ライブズ・マター抗議運動、社会的距離、およびCOVID-19

16日エントリで紹介した論文の著者たちが表題のNBER論文を上げている。原題は「Black Lives Matter Protests, Social Distancing, and COVID-19」で、著者はDhaval M. Dave(ベントレー大)、Andrew I. Friedson(コロラド大デンバー校)、Kyutaro Matsuzawa…

落ちこぼれ男性:いかに社会経済的地位がジェンダーギャップを形成するか

というNBER論文をAutorらが上げている(ungated版へのリンク1、リンク2[それぞれ著者のKarbownik、Wassermanのサイト])。原題は「Males at the Tails: How Socioeconomic Status Shapes the Gender Gap」で、著者はDavid Autor(MIT)、David N. Figlio(…

最善のCOVID-19対策を行った国

としてスリランカのライターIndi Samarajivaがモンゴルを挙げている(タイラー・コーエン経由のJason Kottke経由)。以下はその記事の冒頭。 Mongolia has had the best COVID-19 response in the world. Not only do they have zero deaths, they have zero…

危機の祈りを

CEPRの5/20付けコロナ関連論文集に収録された「In crisis, we pray: Religiosity and the Covid-19 pandemic」という論文をMostly Economicsが紹介している。著者はコペンハーゲン大のJeanet Sinding Bentzen。以下はその要旨。 In times of crisis, humans …

8つの米国の戦争と2つの動乱における債務と税金

というNBER論文をトーマス・サージェントらが上げている(ungated版)。論文の原題は「Debt and Taxes in Eight U.S. Wars and Two Insurrections」で、著者はGeorge J. Hall(ブランダイス大)、Thomas J. Sargent(NYU)。 以下はその要旨。 From decompos…

教育とイノベーション:文化大革命の長い影

というNBER論文が上がっている(SSRN版、著者によるダートマス大サイトの解説記事)。原題は「Education and Innovation: The Long Shadow of the Cultural Revolution」で、著者はZhangkai Huang(清華大)、Gordon M. Phillips(ダートマス大)、Jialun Ya…

検査と検疫のマクロ経済学

というNBER論文が上がっている。原題は「The Macroeconomics of Testing and Quarantining」で、著者はMartin S. Eichenbaum(ノースウエスタン大)、Sergio Rebelo(同)、Mathias Trabandt(ベルリン自由大)。 以下はその要旨。 Epidemiology models used…

スペイン風邪による死がナチ党の得票を引き上げた

という実証結果を示した論文をMostly Economicsが紹介している。論文は「Pandemics Change Cities: Municipal Spending and Voter Extremism in Germany, 1918-1933 」と題されたNY連銀のスタッフレポートで、著者はKristian S. Blickle。 以下は本文の一節…

ノーベル経済学賞受賞者の親学のすゝめ

というタイトルは釣りだが、マンキューが「A good read」としてリンクしたインタビュー記事でジェームズ・ヘックマンが家族の大切さを説いている。 記事の冒頭でヘックマンは、アメリカンドリームは健在、と強調し、社会階層の固定化が進んだとする研究をい…

英韓の明暗はどこで分かれたのか?

という点について分析したNBER論文が上がっている。論文のタイトルは「Inequality of Fear and Self-Quarantine: Is There a Trade-off between GDP and Public Health?」で、著者はSangmin Aum(明知大学校)、Sang Yoon (Tim) Lee(ロンドン大学クイーン・…

対象を最適化したロックダウンを伴う複数リスクSIRモデル

既にツイッター上などで話題になっているが、アセモグルら4人のMITの研究者が表題のNBER論文を上げている。原題は「A Multi-Risk SIR Model with Optimally Targeted Lockdown」で、著者はDaron Acemoglu、Victor Chernozhukov、Iván Werning、Michael D. Wh…

COVID-19疫病への官民の反応の追跡:州・地方政府の行動に基づく実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Tracking Public and Private Responses to the COVID-19 Epidemic: Evidence from State and Local Government Actions」で、著者はSumedha Gupta、Thuy D. Nguyen、Felipe Lozano Rojas、Shyam Raman、Byungkyu Lee…

予測可能性:拡大する疫病の転換点と終息は正確に予測できるのか?

というスペインの4人の研究者が書いた論文にタイラー・コーエンがリンクしている。原題は「Predictability: Can the turning point and end of an expanding epidemic be precisely forecast?」で、著者はMario Castro、Saúl Ares、José A. Cuesta、Susanna …

CDCのかくも長き不在

今回のパンデミックで米疾病予防管理センター(CDC)が機能していない、というStat News記事*1をタイラー・コーエンが紹介している。記事の著者はハーバード・グローバル・ヘルス・インスティテュートのアシシュ・ジャ(Ashish K. Jha)所長*2。 以下は冒頭…

ネットワークでのCOVID-19のモデル化:スーパースプレッダー、検査および封じ込め

タイラー・コーエンが、「この研究によって漸く何かが分かってきた気がする(With this research, I feel we are finally getting somewhere.)」というコメントを添えて、エージェントベースのSEIRモデルとネットワーク理論を活用した表題の論文を紹介して…