社会

分離主義で重要なのは所得かアイデンティティか? 世界の3,003の地域の分析

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Is Secessionism Mostly About Income or Identity? A Global Analysis of 3,003 Subnational Regions」で、著者はKlaus Desmet(南メソジスト大)、Ignacio Ortuño-Ortín(マドリード・カルロス3世大)…

女性教師が女子学生の生涯の厚生に与える影響

というNBER論文をデビッド・カードらが上げている。原題は「The Impact of Female Teachers on Female Students' Lifetime Well-Being」で、著者はDavid Card(UCバークレー)、Ciprian Domnisoru(アールト大)、Seth G. Sanders(コーネル大)、Lowell Tay…

指導者のテロとの戦いにおいては良きコミュニケーションが最善の武器

安倍元首相の銃撃事件についてニュージーランドのアーダーン首相の言葉が引用されるのを目にしたので、英語圏ではその言葉はどのように受け止められているのか知りたいと思ってぐぐったところ、Carmen Jacquesという人の1年前の表題の論説(原題は「Good com…

危機時のスケープゴートと差別:Airbnbの実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Scapegoating and Discrimination in Times of Crisis: Evidence from Airbnb」で、著者はMichael Luca(ハーバード大)、Elizaveta Pronkina(パリ・ドーフィンヌ大PSL*1)、Michelangelo Rossi(テレコム・パリ*2)…

難民の言語学習の世代間の波及効果

というNBER論文が上がっている。原題は「Intergenerational Spillover Effects of Language Training for Refugees」で、著者はMette Foged*1(コペンハーゲン大)、Linea Hasager(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)、Giovanni Peri(UCデービス)、J…

社会規範と社会における不誠実

「彼らはこれをモデル化した(They modeled this)」というコメントを添えて少し前にタイラー・コーエンが表題の論文を紹介していた。論文の原題は「Social norms and dishonesty across societies」で、著者はDiego Aycinena(ロサリオ大)、Lucas Rentschl…

男性だけのチームの場合を除き、メンバー同士の好悪の感情はチームの業績に影響する

という主旨の2年半前のThe Economic Journal論文にタイラー・コーエンがリンクしている(2017年時点のWP)。論文の原題は「I (Don’t) Like You! But Who Cares? Gender Differences in Same-Sex and Mixed-Sex Teams」で、著者はLeonie Gerhards(ハンブルク…

第二次大戦ブルース:長期に持続する子供時代のトラウマのメンタルヘルスへの影響

というNBER論文をトルコ出身の3人の研究者が上げている。原題は「World War II Blues: The Long–lasting Mental Health Effect of Childhood Trauma」で、著者はMevlude Akbulut-Yuksel(ダルハウジー大)、Erdal Tekin(アメリカン大)、Belgi Turan*1(TOB…

中絶制限法がコーホートの死亡率に与える影響:19世紀の法のバラつきからの実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Effects of Restrictive Abortion Legislation on Cohort Mortality / Evidence from 19th Century Law Variation」で、著者はJoanna N. Lahey(テキサスA&M大)、Marianne H. Wanamaker(テネシー大)。 以下はその…

銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響

というNBER論文が上がっている。原題は「More Guns, More Unintended Consequences: The Effects of Right-to-Carry on Criminal Behavior and Policing in US Cities」で、著者はJohn J. Donohue(スタンフォード大)、Samuel V. Cai(同)、Matthew V. Bon…

国の許容度の計測:理論と抗議への適用

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Measuring the Tolerance of the State: Theory and Application to Protest」で、著者はVeli Andirin(ブラウン大)、Yusuf Neggers(ミシガン大)、Mehdi Shadmehr(ノースカロライナ大チャペルヒル校…

米企業の政治的分極化

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Political Polarization of Corporate America」で、著者はVyacheslav Fos(ボストン大)、Elisabeth Kempf(シカゴ大)、Margarita Tsoutsoura(コーネル大)。 以下はその要旨。 Executive teams …

機械学習は防犯に役立つのに十分なほど銃被害を予測できる

というややSF染みた*1NBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Machine Learning Can Predict Shooting Victimization Well Enough to Help Prevent It」で、著者はSara B. Heller(ミシガン大)、Benjamin Jakubow…

2020-21年のコロナ以外の超過死亡:政策選択の付随的被害か?

というNBER論文をケイシー・マリガンらが上げている。原題は「Non-Covid Excess Deaths, 2020-21: Collateral Damage of Policy Choices?」で、著者はCasey B. Mulligan(シカゴ大)、Robert D. Arnott(Research Affiliates LLC*1)。 以下はその要旨。 Fro…

将来のパンデミックのためのコロナ禍からの7つの金融と貿易の教訓

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Seven Finance and Trade Lessons from COVID-19 for Future Pandemics」で、著者は同基金のRuchir AgarwalとGita Gopinath。 以下はその要旨。 Pandemics and epidemics pose risks to lives, soci…

経済統合と民主主義の伝播

というNBER論文が上がっている(ungated版、関連VoxEU記事)。原題は「Economic Integration and the Transmission of Democracy」で、著者はGiacomo Magistretti(IMF)、Marco Tabellini(ハーバード大)。 以下はその要旨。 In this paper, we study if e…

コロナ禍は学校でのいじめとサイバーいじめを共に中断させた

というNBER論文が少し前に上がっている。原題は「The COVID-19 Pandemic Disrupted Both School Bullying and Cyberbullying」で、著者はボストン大のAndrew Bacher-Hicks、Joshua Goodman、Jennifer G. Green、Melissa Holt。 以下はその要旨。 One-fifth o…

ドナルド・トランプのコロナワクチン支持を用いた公衆衛生へのカンフル剤:大規模広告実験

というNBER論文が上がっている。原題は「Using Donald Trump’s COVID-19 Vaccine Endorsement to Give Public Health a Shot in the Arm: A Large-Scale Ad Experiment」で、著者はBradley Larsen(スタンフォード大)、Marc J. Hetherington(ノースカロラ…

世代間の移動性は生まれる前から始まる

また移動性を扱ったNBER論文を紹介。以下は表題のNBER論文(原題は「Intergenerational Mobility Begins Before Birth」[昨年11月時点のungated版]、著者はウィスコンシン大学マディソン校のAnanth SeshadriとAnson Zhou)の要旨。 Nearly 40% of births i…

奴隷解放後の米国黒人の土地保有と経済移動性:40エーカーの重要性に関する新たな実証結果

引き続き移動性を扱ったNBER論文を紹介。以下は表題のNBER論文(原題は「Black Americans’ Landholdings and Economic Mobility after Emancipation: New Evidence on the Significance of 40 Acres」*1、著者はWilliam J. Collins[ヴァンダービルト大]、N…

子供の死亡率の世代間の継続性

前回エントリに続き、世代を超えた格差の継続を取り上げたNBER論文を紹介する。以下は表題のNBER論文(原題は「Intergenerational Persistence in Child Mortality」、著者はUCサンディエゴのFrances R. LuとTom Vogl、ungated版)の要旨。 We study the int…

株式ボラティリティと戦争のパズル

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のサイト)。タイラー・コーエンも取り上げているが、それによると、戦時には株式のボラティリティが33%低下するという。原題は「Stock Volatility and the War Puzzle」で、著者はGustav…

降伏と継戦の得失:簡単な定式化

こちらの細谷雄一氏の論考など、侵略を受けた国が降伏するべきかどうかを巡る最近の議論を読んで、降伏と継戦の得失を何か数式の形で表現できないかな、と考えてみた。以下はその簡単な試み*1。変数を以下のように定義する。 Ns:降伏後に生じる損失*2 p:敵…

ゴロドニチェンコとウクライナ

マンキューがウクライナへの想いを述べたエントリを前回紹介したが、後続エントリで彼は、ゼレンスキー大統領の演説と、Yuriy Gorodnichenkoの2/25付けのエントリに、それぞれ「A powerful speech by Ukraine's president.」「A heartfelt plea from economi…

マンキューとウクライナ

マンキューが「My Heart is Breaking」と題したエントリで、ウクライナと自分の縁と、最近の思いについて書いている。 I was born in New Jersey, grew up in New Jersey, and have spent most of adult life in Massachusetts, but I have always felt a ki…

異議の正当化

昨今の日本のSNSを騒がせているいわゆる「人文系」の騒動をはじめとしたネット上のいがみ合いについてタイムリーかつ示唆的ともいえる表題のNBER論文が上がっている(ungated版)。論文の原題は「Justifying Dissent」で、著者はLeonardo Bursztyn(シカゴ大…

逃げるはトラウマになるが役に立つ

「Forced Displacement and Human Capital: Evidence from Separated Siblings」というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のサイト)。著者はGiorgio Chiovelli(モンテビデオ大)、Stelios Michalopoulos(ブラウン大)、Elias P…

「我々と競争するならば結婚しない」(メアリー・ペイリーと)アルフレッド・マーシャル講演

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics)。原題は「“If you compete with us, we shan't marry you” The (Mary Paley and) Alfred Marshall Lecture」で、著者はRohini Pande(イェール大)、Helena Roy(スタンフォード大)。以下はその要旨…

人口動態の時空間の遷移

というNBER論文が上がっている。原題は「Demographic Transitions Across Time and Space」で、著者はfrom Matthew J. Delventhal(クレアモント・マッケナ大)、Jesús Fernández-Villaverde(ペンシルベニア大)、Nezih Guner(バルセロナ自治大)。 以下は…

強情な少女と依存的な少年:子供の時の行動に対する労働市場の報酬の性による違い

というNBER論文が上がっている。原題は「Headstrong Girls and Dependent Boys: Gender Differences in the Labor Market Returns to Child Behavior」で、著者はRobert Kaestner(シカゴ大)、Ofer Malamud(ノースウエスタン大)。以下はその要旨。 The au…