社会

ロックダウンなしのCOVID-19予防と大気汚染

というNBER論文が上がっている。原題は「COVID-19 Prevention and Air Pollution in the Absence of a Lockdown」で、著者はHung-Hao Chang(国立台湾大)、Chad Meyerhoefer(リーハイ大)、Feng-An Yang(国立台湾大)。 以下はその要旨。 Recent studies …

天災に対応した海外移住:現代欧州で最も破壊的な地震についての実証結果

昨日紹介した論文と天災繋がりになるが、表題のNBER論文が上がっている。原題は「International Migration Responses to Natural Disasters: Evidence from Modern Europe's Deadliest Earthquake」で、著者はYannay Spitzer(ヘブライ大)、Gaspare Tortori…

中国の専制政治が長続きしたメカニズム

というSSRN論文にタイラー・コーエンがリンクしている。論文の原題は「A Longevity Mechanism of Chinese Absolutism」で、著者はYasheng Huang(MIT)、Clair Yang(ワシントン大)。 以下はその要旨。 A counterpart of what is known as “European except…

トランプ大統領のタルサ集会はCOVID-19を再燃させたか? インドアのイベントとそれを相殺する共同体効果

6/25エントリやそこでリンクしたエントリで紹介した論文でCOVID-19感染について精力的に実証研究を行っている研究者たちが、今度はトランプのタルサ選挙集会の感染への影響を表題のNBER論文で取り上げている。論文の原題は「Did President Trump's Tulsa Ral…

パンデミック期の誤った情報

というNBER論文が上がっている。原題は「Misinformation During a Pandemic」で、著者はLeonardo Bursztyn(シカゴ大)、Aakaash Rao(ハーバード大)、Christopher P. Roth(ウォーリック大)、David H. Yanagizawa-Drott(チューリッヒ大)。 以下はその結…

ブラック・ライブズ・マター抗議運動、社会的距離、およびCOVID-19

16日エントリで紹介した論文の著者たちが表題のNBER論文を上げている。原題は「Black Lives Matter Protests, Social Distancing, and COVID-19」で、著者はDhaval M. Dave(ベントレー大)、Andrew I. Friedson(コロラド大デンバー校)、Kyutaro Matsuzawa…

落ちこぼれ男性:いかに社会経済的地位がジェンダーギャップを形成するか

というNBER論文をAutorらが上げている(ungated版へのリンク1、リンク2[それぞれ著者のKarbownik、Wassermanのサイト])。原題は「Males at the Tails: How Socioeconomic Status Shapes the Gender Gap」で、著者はDavid Autor(MIT)、David N. Figlio(…

最善のCOVID-19対策を行った国

としてスリランカのライターIndi Samarajivaがモンゴルを挙げている(タイラー・コーエン経由のJason Kottke経由)。以下はその記事の冒頭。 Mongolia has had the best COVID-19 response in the world. Not only do they have zero deaths, they have zero…

危機の祈りを

CEPRの5/20付けコロナ関連論文集に収録された「In crisis, we pray: Religiosity and the Covid-19 pandemic」という論文をMostly Economicsが紹介している。著者はコペンハーゲン大のJeanet Sinding Bentzen。以下はその要旨。 In times of crisis, humans …

8つの米国の戦争と2つの動乱における債務と税金

というNBER論文をトーマス・サージェントらが上げている(ungated版)。論文の原題は「Debt and Taxes in Eight U.S. Wars and Two Insurrections」で、著者はGeorge J. Hall(ブランダイス大)、Thomas J. Sargent(NYU)。 以下はその要旨。 From decompos…

教育とイノベーション:文化大革命の長い影

というNBER論文が上がっている(SSRN版、著者によるダートマス大サイトの解説記事)。原題は「Education and Innovation: The Long Shadow of the Cultural Revolution」で、著者はZhangkai Huang(清華大)、Gordon M. Phillips(ダートマス大)、Jialun Ya…

検査と検疫のマクロ経済学

というNBER論文が上がっている。原題は「The Macroeconomics of Testing and Quarantining」で、著者はMartin S. Eichenbaum(ノースウエスタン大)、Sergio Rebelo(同)、Mathias Trabandt(ベルリン自由大)。 以下はその要旨。 Epidemiology models used…

スペイン風邪による死がナチ党の得票を引き上げた

という実証結果を示した論文をMostly Economicsが紹介している。論文は「Pandemics Change Cities: Municipal Spending and Voter Extremism in Germany, 1918-1933 」と題されたNY連銀のスタッフレポートで、著者はKristian S. Blickle。 以下は本文の一節…

ノーベル経済学賞受賞者の親学のすゝめ

というタイトルは釣りだが、マンキューが「A good read」としてリンクしたインタビュー記事でジェームズ・ヘックマンが家族の大切さを説いている。 記事の冒頭でヘックマンは、アメリカンドリームは健在、と強調し、社会階層の固定化が進んだとする研究をい…

英韓の明暗はどこで分かれたのか?

という点について分析したNBER論文が上がっている。論文のタイトルは「Inequality of Fear and Self-Quarantine: Is There a Trade-off between GDP and Public Health?」で、著者はSangmin Aum(明知大学校)、Sang Yoon (Tim) Lee(ロンドン大学クイーン・…

対象を最適化したロックダウンを伴う複数リスクSIRモデル

既にツイッター上などで話題になっているが、アセモグルら4人のMITの研究者が表題のNBER論文を上げている。原題は「A Multi-Risk SIR Model with Optimally Targeted Lockdown」で、著者はDaron Acemoglu、Victor Chernozhukov、Iván Werning、Michael D. Wh…

COVID-19疫病への官民の反応の追跡:州・地方政府の行動に基づく実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Tracking Public and Private Responses to the COVID-19 Epidemic: Evidence from State and Local Government Actions」で、著者はSumedha Gupta、Thuy D. Nguyen、Felipe Lozano Rojas、Shyam Raman、Byungkyu Lee…

予測可能性:拡大する疫病の転換点と終息は正確に予測できるのか?

というスペインの4人の研究者が書いた論文にタイラー・コーエンがリンクしている。原題は「Predictability: Can the turning point and end of an expanding epidemic be precisely forecast?」で、著者はMario Castro、Saúl Ares、José A. Cuesta、Susanna …

CDCのかくも長き不在

今回のパンデミックで米疾病予防管理センター(CDC)が機能していない、というStat News記事*1をタイラー・コーエンが紹介している。記事の著者はハーバード・グローバル・ヘルス・インスティテュートのアシシュ・ジャ(Ashish K. Jha)所長*2。 以下は冒頭…

ネットワークでのCOVID-19のモデル化:スーパースプレッダー、検査および封じ込め

タイラー・コーエンが、「この研究によって漸く何かが分かってきた気がする(With this research, I feel we are finally getting somewhere.)」というコメントを添えて、エージェントベースのSEIRモデルとネットワーク理論を活用した表題の論文を紹介して…

ハーバード入試におけるアジア系米国人の差別

以前、ハーバード入試での人種差別は統計的に支持されない、というデビッド・カードの見解を紹介したが*1、それに反する結果を示した表題のNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Asian American Discrimination in Harvard Admissions」で、著者はP…

消費とCOVID-19による死とのトレードオフ

という小論をロバート・ホールらが書いている(H/T タイラー・コーエン、ただしコーエンは4月6日版を参照しているが、現在は24日版となっている)。原題は「Trading Off Consumption and COVID-19 Deaths」で、著者はスタンフォード大のRobert E. Hall、Char…

NY市では地下鉄がコロナを蔓延させた

ニューヨークでは地下鉄がコロナを拡散させた、というニュースが少し前に流れたが、その元となった論文がNBERに上がっている。論文のタイトルは「The Subways Seeded the Massive Coronavirus Epidemic in New York City」で、著者はMITのJeffrey E. Harris…

スペイン風邪が第二次大戦を引き起こした?

温故知新とばかりにロバート・バローら*1がスペイン風邪の社会的経済的影響を振り返るAEI論文を書き、Mostly Economicsがそこから下記部分を引用している。 The epidemic killed a number of famous people, including the sociologist Max Weber, the artis…

ベトナムの低予算COVID-19対策の成功

について論文が書かれ、著者の一人Hong Kong NguyenがProject Syndicateにその概要を寄稿している(H/T Mostly Economics)。以下はそこからの引用。 Perhaps most remarkably, unlike South Korea, which has spent considerable funds on aggressive testi…

もはや正常状態に戻る計画は存在しないのか

エズラ・クラインがVox記事でそう嘆いている(H/T MR)。 以下はその記事の冒頭。 Over the past few days, I’ve been reading the major plans for what comes after social distancing. You can read them, too. There’s one from the right-leaning Ameri…

マンキュー「パンデミックに寄せて」

マンキューが「Thoughts on the Pandemic」というブログ記事を上げ、箇条書きで以下のようなことを述べている。 景気後退の可能性は高く、おそらくそれが最適である(望ましい、という意味ではなく、この状況下で我々ができる最善の行動という意味で)。 医…

将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない?

ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。 人間が気候変動の科学を理解して行動しない…

アセモグル、エルドアン政権を語る

引き続きコーエンのアセモグルインタビューから、トルコの政治について触れた箇所。 Now, the future of political liberty in Turkey. Are you optimistic? And what’s the path back? ACEMOGLU: Well, I don’t think it’s easy to be optimistic. I tried …

子供の高等教育に両親の離婚が及ぼす影響の仕組みの理解

というNBER論文が上がっている。原題は「Understanding the Mechanisms of Parental Divorce Effects on Child's Higher Education」で、著者はYen-Chien Chen(国立曁南国際大学)、Elliott Fan(国立台湾大学)、 Jin-Tan Liu(同)。 以下はその要旨。 In…