社会

マスク強制の対価

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「Mask Mandate Costs」で、著者はPatrick Carlin(ワシントン州立大)、Shyam Raman(ウィリアムズ大)、Kosali I. Simon(インディアナ大)、Ryan Sullivan(海軍大学院)、Coady Wing(イ…

なぜ在宅勤務は国と人によって違うのか?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Why Does Working from Home Vary Across Countries and People?」で、著者はPablo Zarate(プリンストン大)、Mathias Dolls(IFO研究所)、Steven J. Davis(スタンフォード大)、Nicholas Bloom(同*…

宥和すべき時、罰すべき時:ヒトラー、プーチン、ハマス

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics;ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「When to Appease and When to Punish: Hitler, Putin, and Hamas」で、著者はDavid K. Levine(ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ)、Lee E. …

余儀ない移民と難民:経済的・社会的統合を成功させるための政策

クルド人問題やウクライナからの避難民を受けて日本でもタイムリーになっているテーマを扱った表題のNBER論文が上がっている(ungated版へのリンク)。原題は「Forced Migration and Refugees: Policies for Successful Economic and Social Integration」で…

普通教育は信心深さ、選挙への参加、およびイスラム教政党に投票する傾向に影響するか? イスラム教国の教育改革における実証結果

クルド関係のNBER論文をもう一丁。2013年の表題の論文*1の原題は「Does Secular Education Impact Religiosity, Electoral Participation and the Propensity to Vote for Islamic Parties? Evidence from an Education Reform in a Muslim Country」で、著…

人工国家

前回エントリでクルド問題を取り上げたが、NBER論文でクルドを扱ったものは無いかと検索したところ、直接的なものではないがアレシナ、イースタリーらの2006年の表題の論文が引っ掛かった*1。原題は「Artificial States」で、著者はAlberto Alesina(ハーバ…

クルド人にとっての欧州連合のジレンマ:十分に信頼しないながらも加盟に高い支持

川口市や蕨市のクルド人問題が紛糾しているが、そもそも彼らの大半の出身国であるトルコにおいてクルド人の状況が改善する途は無いのか、と思ってぐぐったところ、2018年4月30日付けの表題の記事(原題は「The European Union Dilemma of the Kurds: High Su…

人工知能導入の最適速度に危害に関する学習はどのように影響するか?

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「How Learning About Harms Impacts the Optimal Rate of Artificial Intelligence Adoption」で、著者はJoshua S. Gans(トロント大)。 以下はその要旨。 This paper examines recent proposals …

防衛的な銃使用は犯罪を抑止するか?

というNBER論文が上がっている。原題は「Does Defensive Gun Use Deter Crime?」で、著者はJohn J. Donohue、Alex Oktay、Amy L. Zhang、Matthew Benavides(いずれもスタンフォード大ロースクール)。 以下はその要旨。 We study the opposing deterrent an…

2020年にアジア系米国人に対する暴力事件は増加したのか? 人種が動機の可能性がある攻撃を測定する新たな手法による実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Did Violence Against Asian-Americans Rise in 2020? Evidence from a Novel Approach to Measuring Potentially Racially-Motivated Attacks」で、著者はAleksei Knorre(ボストン大)、Britte Van Tiem(ペンシル…

組織犯罪と経済成長:マフィアが浸透した地方自治体による実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Organized Crime and Economic Growth: Evidence from Municipalities Infiltrated by the Mafia」で、著者はAlessandra Fenizia(ジョージワシントン大)、Raffaele…

トランプは良いこともするのか?

サマーズが第二次トランプ政権の危険性について深刻な懸念を表明している。 以下は12/20ツイート。 The @FT's Unhedged asked me about the macroeconomic implications of a second Trump term: When you have a president who challenges the results of e…

航空事故とフォーク定理

今回の羽田の航空事故を巡り、事故の刑事責任の追及が自動車事故などに比べて緩やかなのはやはり納得できない、という声と、今後の安全性のためにはそれが当然、という現在の慣行を支持する主張が改めて持ち上がり、議論になっている。現在の慣行については…

強制的な追放の世代を超えた健康への影響:第二次大戦中の日系米国人の強制収容

というNBER論文が上がっている。原題は「The Intergenerational Health Effects of Forced Displacement: Japanese American Incarceration during WWII」で、著者はDaniel S. Grossman(ウエストバージニア大)、Umair Khalil(ディーキン大)、Laura Panza…

社会の高齢化とそのシンガポールへの影響

というNBER論文が上がっている。原題は「Societal Aging and its Impact on Singapore」で、著者はCynthia Chen(南カリフォルニア大)、Julian Lim(シンガポール国立大)、Abhijit Visaria(Duke-NUS Medical School*1)、Angelique Chan(同)。これは「…

人工知能の規制

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics;ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Regulating Artificial Intelligence」で、著者はJoao Guerreiro(UCLA)、Sergio Rebelo(ノースウエスタン大)、Pedro Teles(ポルトガル銀…

メディア報道を用いた社会不安の測定

前回エントリで紹介した論文では、著者の一人のPhilip Barrettが他のIMF職員(Maximiliano Appendino、Kate Nguyen、Jorge de Leon Miranda)と開発した報道社会不安指数(Reported Social Unrest Index)が使われていた。以下はその指数開発時の表題のIMF論…

社会不安の経済的帰結:新規株式公開における実証結果

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Economic Consequences of Social Unrest: Evidence from Initial Public Offerings」で、著者はPhilip Barrett(IMF)、Thomas J. Boulton(マイアミ大)、Terry D. Nixon(同)。 以下はその…

世界の長期介護

という本(原題は「Long-Term Care around the World」)をNBERがシカゴ大学出版局から出版する予定のようで、関連論文が上がっている。以下はJonathan Gruber(MIT)、Kathleen McGarry(UCLA)、Charles Hanzel(NBER)による序章からの引用。 Based upon …

「奇跡の治療薬」の政治経済学:アルゼンチンにおける噴霧型イブプロフェンとその普及の事例

というNBER論文が上がっている。原題は「The Political Economy of a “Miracle Cure”: The Case of Nebulized Ibuprofen and its Diffusion in Argentina」で、著者はSebastian Calónico(コロンビア大)、Rafael Di Tella(ハーバード大)、Juan Cruz Lopez…

これはハマスの罠なのか?・続き

前々回エントリで取り上げた「ハマスの罠」については、ツイッター(X)上でも多くの人が言及している。例えば細谷雄一氏は以下のように述べている。世界の左右を問わず、識者が、イスラエルが軽率に大規模侵攻を開始することが、戦略的にハマスの「罠」には…

これはハマスの罠なのか?

今回のハマスの蛮行は世界を震撼させたが、なぜそこまでの残虐行為を行ったかを考えると、イスラエルにガザ侵攻を余儀なくさせるためではないか、という仮説が一つ考えられる。そこで「Hamas trap」でぐぐってみると、同様の仮説を立てている記事に幾つか行…

飲料水における規制されない汚染物質の発見:PFASと住宅価格による実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ*1)。原題は「Discovery of Unregulated Contaminants in Drinking Water: Evidence from PFAS and Housing Prices」で、著者はMichelle M. Marcus(ヴァンダービルト大)、Rosi…

レジーム変化の経済的帰結:概観

というNBER論文が上がっている。原題は「Economic Consequences of a Regime Change: Overview」で、著者はAssaf Razin(テルアビブ大)、Efraim Sadka(同)。 以下はその要旨。 Regime changes toward autocracy typically reshape the judicial framework…

ゼロサム思考、努力を抑圧する考えの発展、および経済発展

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Zero-Sum Thinking, the Evolution of Effort-Suppressing Beliefs, and Economic Development」で、著者はJean-Paul Carvalho(オックスフォード大)、Augustin Bergeron(南カリフォルニア大)、Josep…

人々は統計をどのように使っているのか

というNBER論文をアンドレイ・シュライファーらが上げている(ungated版)。原題は「How People Use Statistics」で、著者はPedro Bordalo(オックスフォード大)、John J. Conlon(スタンフォード大)、Nicola Gennaioli(ボッコーニ大)、Spencer Yongwook…

ドミノ分離:米国についての実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Domino Secessions: Evidence from the U.S.」で、著者はJean Lacroix(パリ=サクレ大学)、Kris James Mitchener(サンタクララ大学)、Kim Oosterlinck(ブリュッ…

ブートストラップでは十分でない時:極度の貧困下で如何にして需給の相互作用が学習をもたらすか

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)原題は「When Your Bootstraps Are Not Enough: How Demand and Supply Interact to Generate Learning in Settings of Extreme Poverty」で、著者はAlex Eble(コロンビア大)…

月ロケットの打ち上げ:公共の研究開発と成長

前回エントリの注で転換的技術の成長が加速された例として米ソの宇宙開発競争を挙げたが、まさにその点を扱った表題のNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Moonshot: Public R&D and Growth」で、著者はShawn K…

転換的技術の規制

というNBER論文をアセモグルらが上げている(ungated版)。原題は「Regulating Transformative Technologies」で、著者はDaron Acemoglu(MIT)、Todd Lensman(同)。 以下はその結論部の前半*1。 Advances in generative AI technologies, such as GPT-4 a…