2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧
人的資本という用語を巡る論争が暫くエコノブロゴスフィアを賑わせていたが、きっかけはブランコ・ミラノヴィッチの表題のアルジャジーラ論説記事(原題は「Junk the phrase 'human capital'」)であった。それに反応したNick Roweのブログ記事やTim Worstal…
という面白い造語をクルーグマンが24日のエントリで使っている*1。 The answer I seem to get is fear of a dramatic flip in circumstances — that Japan, say, could engage in a sort of macroeconomic quantum tunneling, suddenly transitioning from d…
というNBER論文が上がっている。原題は「Systemic Risk and the Macroeconomy: An Empirical Evaluation」で、著者はStefano Giglio(シカゴ大)、Bryan T. Kelly(同)、Seth Pruitt(FRB)。 This article evaluates a large collection of systemic risk …
一昨日はドイツ人研究者によるOMTに否定的な研究を紹介したが、今日は量的緩和に関する別のドイツ人研究者の研究を紹介してみる。表題の論文(まだ執筆途上のようだが)の原題は「The Macroeconomic Impact of Unconventional Monetary Policy Shocks」で、…
というBIS論文をMikael Juselius(フィンランド銀行)とElőd Takáts(国際決済銀行)が書いている。原題は「Can demography affect inflation and monetary policy?」。 以下はその要旨。 Several countries are concurrently experiencing historically low…
という主旨の論文をドイツの4人の研究者が書いている。論文のタイトルは「Smells Like Fiscal Policy? Assessing the Potential Effectiveness of the ECB s OMT Program」で、著者はNikolay Hristov(Ifo研究所)、Oliver Hülsewig(ミュンヘン応用科学大学…
以前紹介したように、アンドリュー・ゲルマンと並んでピーター・ドーマンもかねてから経済学における効用関数に異を唱えているが、こちらのエントリで改めてその主張をまとめている。以下はその書き出し。 For those who think that economics is, above all…
マイク・コンツァルが、機械化と労働の問題を扱ったハミルトン・プロジェクトのセミナーを取り上げた中で、サマーズの以下のような見解を紹介した。 技術の普及は、それが労働者を補完するにせよ、あるいは代替するにせよ、生産性の上昇を伴うはず。然るに、…
に関するサーベイ論文をコロンビアの中央銀行の研究者が書いている。論文のタイトルは「A Survey on the Effects of Sterilized Foreign Exchange Intervention」で、著者はMauricio Villamizar-Villegas、David Perez-Reyna。 以下はその要旨。 In this pap…
という論文をPedro Gomis-Porqueras(ディーキン大学)とLaura Puzzello(モナシュ大学)が書いている。原題は「Winners and Losers from the euro」。 以下はその要旨。 This paper estimates the effect of having joined the monetary union on the incom…
ジェフリー・サックス、ローレンス・コトリコフらが表題のNBER論文を書いている。原題は「Robots Are Us: Some Economics of Human Replacement」で、著者はSeth G. Benzell、Laurence J. Kotlikoff、Guillermo LaGarda、Jeffrey D. Sachs(サックスはコロン…
「Uncertainty and Monetary Policy in Good and Bad Times」という論文をGiovanni Caggiano(パドヴァ大学、フィンランド銀行)、Efrem Castelnuovo(メルボルン大学、パドヴァ大学)、Gabriela Nodari(ヴェローナ大学、ニューサウスウェールズ大学)が書…
という論文をSF連銀のMichael D. BauerとGlenn D. Rudebuschが書いている(原題は「Resolving the Spanning Puzzle In Macro-Finance Term Structure Models」)。 以下はその要旨。 Previous macro-finance term structure models (MTSMs) imply that macro…
とProject Syndicateでバリー・アイケングリーンが書いている(H/T Mostly Economics)。共著者はマインツ大学のBeatrice Weder di Mauro。 同論説ではまず、中央銀行の最終損益を気にしたことによって金融政策が変更された例として、先月のスイス国立銀行の…
表題の問いに対しクルーグマンが否定的なエントリを書き、Nick Roweやロジャー・ファーマーがそれを批判した。これは以前本ブログでも紹介した議論の再論であるが、ピーター・ドーマンが両者の言い分をまとめている。以下はその概要。 この問題は、公共支出…
というNBER論文をマーチン・ワイツマンが書いている(原題は「Voting on Prices vs. Voting on Quantities in a World Climate Assembly」)。 以下はその要旨。 This paper posits the conceptually useful allegory of a futuristic "World Climate Assemb…
という論文がクリス・ディロー経由でEconomist's Viewで紹介されている。原題は「The Long-Term Impact of Inequality on Entrepreneurship and Job Creation」で、著者はバルセロナ自治大学のRoxana Gutiérrez-RomeroとLuciana Méndez-Errico。 以下はその…
とクリス・ディローが問い掛けている。彼がそうした疑問を抱いたのは、化石燃料がいずれ枯渇するというノアピニオン氏のエントリに対し、デビッド・ヘンダーソンが、エネルギー源の価格が上昇すれば起業家たちに代替的なエネルギー源を発明・開発・生産する…
という記事がEurekalertに上がっている。チューリッヒ大学精神病院のCarlos Nordt、Ingeborg Warnke、Erich Seifritz、Wolfram KawohlによるThe Lancet Psychiatryオンライン版掲載論文「Modelling suicide and unemployment: a longitudinal analysis cover…
という論文をMariano Kulish(ニューサウスウェールズ大学)、James Morley*1(同)、Tim Robinson(メルボルン大学)が書いている。原題は「Estimating DSGE Models with Forward Guidance」。 以下はその要旨。 Motivated by the use of forward guidance,…
引き続き、クリス・ディローの企業批判ネタ。表題のエントリ(原題は「Is democratic Keynesianism possible?」)でディローは、カレツキの「完全雇用の政治的側面」から以下の一節を引用している*1。 Under a laissez-faire system the level of employment…
とクリス・ディローが書いている。以下はその一節。 ...we must distinguish between business and markets. Business is about hierarchy and control; markets are about dispersing power. Markets are about competition, whereas business tries to sup…
2/5エントリでは1/28に紹介したMarcus Hagedorn, Iourii Manovskii and Kurt Mitman (HMM)論文に対するサムナーの評価を紹介したが、マイク・コンツァルも表題のブログエントリでこの論文について書いている*1。 以下はその概要。 HMM論文では議会が失業保険…
2/1エントリでは、2013年のケインジアン的な政策実験(=緊縮財政)に関するクルーグマンの予言が外れたことを「論証」したスコット・サムナーの一連のEconlogエントリを紹介した。そのうちの1/9のエントリの末尾でサムナーは、2013年だけでなく2014年の政策…
というNBER論文をルイジ・ジンガレスが書いている(原題は「Does Finance Benefit Society?」)。 以下はその要旨。 Academics’ view of the benefits of finance vastly exceeds societal perception. This dissonance is at least partly explained by an …
31日エントリでそのテイラールール法制化反対論を紹介したTony Yatesが、クルーグマンの反応を受けて後続エントリを書いている。そこで彼は、クルーグマンのエントリは、テイラールールを墨守するあまりFRBがゼロ金利下限の罠に嵌ってしまう、というようにも…
「Spare Tire? Stock Markets, Banking Crises, and Economic Recoveries」というNBER論文が上がっている。著者はRoss Levine(UCバークレー), Chen Lin(香港大学)、Wensi Xie(同)。 以下はその要旨。 Do stock markets act as a “spare tire” during b…
2013年4月28日のエントリでクルーグマンは、ゼロ金利下の金融政策では財政緊縮策の穴埋めはできず、市場マネタリストの想定通りには物事は進展していない、と書いた。それに対しスコット・サムナーが、2013年の成長率が高かったことを基に、クルーグマンらケ…