2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

保護主義の陥穽:輸入代替対輸出指向の産業政策

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Pitfalls of Protectionism: Import Substitution vs. Export-Oriented Industrial Policy」で、著者は同基金のReda CherifとFuad Hasanov。 以下はその要旨。 Industrial policies pursued in …

有担保債務の費用と便益

というNBER論文が上がっている。原題は「The Benefits and Costs of Secured Debt」で、著者はEfraim Benmelech(ノースウエスタン大)。 以下はその要旨。 Secured debt—a debt contract that offers security to creditors in the form of collateralized …

サービスの国際貿易における支配的な通貨による価格付け

というECB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Dominant currency pricing in international trade of services」で、著者はJoão Amador(ポルトガル銀行)、Joana Garcia(同)、Arnaud Mehl(ECB)、Martin Schmitz(同)。 以下はその要旨。 W…

ロシアの外貨準備を接収せよ

という論陣をブランシャールがツイッター上で張っている。I thought it was a bad idea to seize Russian reserves before the US congress had voted on the Ukraine package. It gave too easy a way to Congress to vote no and pass the buck. Now that …

どこまでが銀行でどこからが非銀行金融仲介機関か?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Where Do Banks End and NBFIs Begin?」で、著者はViral V. Acharya(NYU)、Nicola Cetorelli(NY連銀)、Bruce Tuckman(NYU)。 以下はその要旨。 In recent years, assets of non-bank financial in…

人工知能が生産とインフレに及ぼす影響

というBIS論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The impact of artificial intelligence on output and inflation」で、著者はIñaki Aldasoro、Sebastian Doerr、Leonardo Gambacorta、Daniel Rees(いずれもBIS)。 以下はその要旨。 This paper …

世界の量的引き締め:我々は何を学んだのか?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Quantitative Tightening Around the Globe: What Have We Learned?」で、著者はWenxin Du(コロンビア大)、Kristin Forbes(MIT)、Matthew N. Luzzetti(ドイツ銀行)。 以下はその要旨。 This paper…

インフレを動かす上での予想と広範な供給ショックの主要な役割

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「The Dominant Role of Expectations and Broad-Based Supply Shocks in Driving Inflation」で、著者はPaul Beaudry(ブリティッシュコロンビア大)、Chenyu Hou(香…

FRB利上げとドル増価の世界への波及効果:リスク経路

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Global Spillovers from FED Hikes and a Strong Dollar: The Risk Channel」で、著者はJosé Cristi(メリーランド大)、Ṣebnem Kalemli-Özcan(同)、 Mariana Sans…

FRB利上げの世界的な伝播:政策の信頼性とバランスシートの役割

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ、ブルッキングス研究所の23年秋のコンファレンスのこの論文のページ)。原題は「Global Transmission of FED Hikes: The Role of Policy Credibility and Balance Sheets」で、…

銀行破綻と経済活動:進歩主義時代についての実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Bank Failures and Economic Activity: Evidence from the Progressive Era」で、著者はGary Richardson(UCアーバイン)、Marco Del Angel(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校)、Michael Gou(Tickr, Inc.)。 …

金融政策、市場の分断、および期間構造

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Monetary Policy, Segmentation, and the Term Structure」で、著者はRohan Kekre(シカゴ大)、Moritz Lenel(プリンストン大)、Federico Mainardi(シカゴ大)。 以下はその要旨。 We develop a segm…

銀行取り付け騒ぎ、脆弱性、および規制

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Bank Runs, Fragility, and Regulation」で、著者はManuel Amador(ミネソタ大)、Javier Bianchi(ミネアポリス連銀)。 以下はその要旨。 We examine banking regulation in a macroeconomic model of…

ノイズの多い専門家? 規制における裁量

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Noisy Experts? Discretion in Regulation」で、著者はSumit Agarwal(シンガポール国立大)、Bernardo C. Morais(FRB)、Amit Seru(スタンフォード大)、Kelly Sh…

なぜ我々はインフレを嫌うのか?

というNBER論文が上がっている(ungated(ブルッキングス研究所)版*1)。原題は「Why Do We Dislike Inflation?」で、著者はStefanie Stantcheva(ハーバード大)。 以下はその要旨。 This paper provides new evidence on a long-standing question asked …

数百の経済ニュースイベントが株式市場における考えの過剰反応について伝えること

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のサイト)。原題は「What Hundreds of Economic News Events Say About Belief Overreaction in the Stock Market」で、著者はFrancesco Bianchi(ジョンズホプキンズ大)、Sydney C. Lu…

宥和すべき時、罰すべき時:ヒトラー、プーチン、ハマス

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics;ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「When to Appease and When to Punish: Hitler, Putin, and Hamas」で、著者はDavid K. Levine(ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ)、Lee E. …

変化しつつある世界的連関:新冷戦?

というギータ・ゴピナートらのIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Changing Global Linkages: A New Cold War?」で、著者はGita Gopinath、Pierre-Olivier Gourinchas、Andrea F Presbitero、Petia Topalova(いずれもIMF)。 以下はその要旨…

結局は住宅サービスが問題

CPIに住宅サービスが与える影響のラグの問題については、クルーグマンが頻りに強調し*1、「論敵」のサマーズもいち早く指摘してきた(かつ、クルーグマンはむしろ遅かったと揶揄してきた)ところであるが*2、マンキューも4/11付けの表題のブログエントリ(原…

変化しつつある中銀への圧力とインフレ

というNBER論文をケネス・ロゴフらが上げている(ungated(ブルッキングス研究所)版*1)。原題は「Changing Central Bank Pressures and Inflation」で、著者はHassan Afrouzi(コロンビア大)、Marina Halac(イェール大)、Kenneth S. Rogoff(ハーバード…

預金保険、保険の無い預金者、および恐慌における流動性リスク

というNBER論文が上がっている。原題は「Deposit Insurance, Uninsured Depositors, and Liquidity Risk During Panics」で、著者はMatthew S. Jaremski(ユタ州立大)、Steven Sprick Schuster(ミドルテネシー州立大)。 以下はその要旨。 The lack of uni…

21世紀の銀行業の展開:実証結果と規制にとっての意味合い

というブルッキングス研究所論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Evolution of Banking in the 21st Century: Evidence and Regulatory Implications」で、著者はSamuel G. Hanson、Victoria Ivashina、Laura Nicolae、Jeremy C. Stein、Adi …

総需要の外部性と自己実現的債務不履行循環

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Aggregate Demand Externality and Self-Fulfilling Default Cycles」で、著者はJess Benhabib(NYU)、Feng Dong(清華大)、Pengfei Wang(北京大)、Zhenyang Xu…

ユーロ圏の資本配分の地理学

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「The Geography of Capital Allocation in the Euro Area」で、著者はRoland Beck(ECB)、Antonio Coppola(スタンフォード大)、Angus J. Lewis(同)、Matteo Magg…

余儀ない移民と難民:経済的・社会的統合を成功させるための政策

クルド人問題やウクライナからの避難民を受けて日本でもタイムリーになっているテーマを扱った表題のNBER論文が上がっている(ungated版へのリンク)。原題は「Forced Migration and Refugees: Policies for Successful Economic and Social Integration」で…

規制された市場におけるエネルギー移行

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Energy Transitions in Regulated Markets」で、著者はGautam Gowrisankaran(コロンビア大)、Ashley Langer(アリゾナ大)、Mar Reguant(ノースウエスタン大)。 …

銀行の空間経済学

というNBER論文が上がっている*1(ungated版)。原題は「Banks in Space」で、著者はEzra Oberfield(プリンストン大)、Esteban Rossi-Hansberg(シカゴ大)、Nicholas Trachter(リッチモンド連銀)、Derek T. Wenning(プリンストン大)。 以下はその要旨…

バランスシート融資の長期的低下

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「The Secular Decline of Bank Balance Sheet Lending」で、著者はGreg Buchak(スタンフォード大)、Gregor Matvos(ノースウエスタン大)、Tomasz Piskorski(コロンビア大)、Amit Seru(スタン…

技術的シナジー、不均一な企業、および固有の変動性

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Technological Synergies, Heterogeneous Firms, and Idiosyncratic Volatility」で、著者はJesús Fernández-Villaverde(ペンシルベニア大)、Yang Yu(上海交通大…

所得ショックへの家計の反応の方法と理由

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「The How and Why of Household Reactions to Income Shocks」で、著者はRoberto Colarieti、Pierfrancesco Mei、Stefanie Stantcheva(いずれもハーバード大)。 以…