2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
というvoxeu記事をMostly Economicsが紹介している(原題は「The past in the Polish present」で、著者はIrena Grosfeld、Ekaterina Zhuravskaya)。以下はその元論文「Persistent effects of empires: Evidence from the partitions of Poland」の要旨。 W…
ここで紹介した論文を話のとば口として、ノアピニオン氏がDSGEの問題点を3つ挙げている: ほぼすべてのDSGEの結果は線形化の結果である。もし線形化を外すと、複数均衡が現われ、DSGEモデルの前提が成立している架空の世界の経済についてさえ、意味のあるこ…
2週間前、財政緊縮策批判派はマンデル=フレミングモデルを論破する必要がある、と指摘したクリス・ディローのブログエントリを紹介したが、恰もそれに応じるかのように、財政緊縮策批判派のサイモン・レン−ルイスがマンデル=フレミングモデル批判を展開し…
と題したエントリでEconomic Logicが、エセック経済商科大学院大学の博士課程に在籍するJonathan Benchimolの論文「Money in the production function: a new Keynesian DSGE perspective」を取り上げている。以下はその要旨。 This paper proposes a New Ke…
Social Europe Journalという電子ジャーナルで、アンドリュー・ワット(Andrew Watt)*1が3/14のEUサミットにおけるドラギ講演の問題点を指摘している(H/T Economist's View)。 それによると、ドラギはグラフを用いて以下の点を示したという: 経常黒字国…
についてハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)のDavid Hemenwayがreal-world economics reviewなる学術誌の直近号に書いている(H/T Mostly Economics)。 以下がその5項目: 人間は孤立した生き物ではなく社会的動物である 嗜好は…
ジョン・テイラーとJohn CoganがWSJに財政規律のメリットに関する論説を寄稿したところ、クルーグマンが噛み付き(cf. デロングによるサポート)、テイラーがそれに反論する、という一幕があった。 テイラーらの論説には元論文があり(著者はJohn F. Cogan, …
というタイトルのエントリでEconomic Logicが「Income Risk, Income Mobility and Welfare」という論文を紹介している。 Tom Krebs, Pravin Krishna and William Maloney make significant progress in this measurement by putting some structure to it. F…
クリス・ディローがBrendan Markey-TowlerとJohn Fosterの論文を次のように紹介している。 They suggest that the blindness is inherent in the very structure of the discipline. If you think of representative agents maximizing utility in a competi…
昨日の小生のエントリに対し、稲葉振一郎氏からツイッターで以下のコメントを頂いた。 https://twitter.com/shinichiroinaba/status/314740548944687105:twitter それに対し、小生は以下のように返答した。 https://twitter.com/himaginary_/status/31477625…
規制を巡るハイエクとフリードマンの考え方の違いについて、Angus Burginというジョンズ・ホプキンス大学の歴史学者がブルームバーグのコラムに書いている(H/T Mostly Economics)。 As he undertook an American lecture tour in 1944, Hayek expressed fr…
THE ÜMLAUTというブログ*1に表題のエントリが掲載されている(H/T Mostly Economics)。 そのエントリを書いたEli Douradoは、事実に関して意見が食い違うことは非合理的である、ということを示した1976年のロバート・オーマンの論文を引いて、クルーグマン…
Mario Polèseという都市経済学者*1が書いたCity Journal記事で解説されている表題の原則をMostly Economicsが紹介している。その五原則とは以下の通り。 都市の大きさと場所は繁栄の主要な決定要因である。 それによって決定された都市の序列は時を経てもあ…
ジェームズ・ハミルトンが政府債務を巡ってクルーグマンらと論争を繰り広げている。 論争の焦点になっているのは、ハミルトンがミシュキンらとの共著論文*1で示した以下の回帰式である*2。 この式を基にハミルトンは、政府債務の対GDP比率が高くなると金利が…
キプロス政府がユーロ圏から100億ユーロの金融支援を受ける代わりに、銀行預金を封鎖してそれに課税し、GDPの1/3に相当する58億ユーロを捻出する、というベイルアウトならぬベイルイン政策を打ち出したが、ブロゴスフィアの反応は概ね否定的と言える。The Ma…
というロジャー・ファーマーらの論文をNEP-DGEブログが紹介している(原題は「The Inefficient Markets Hypothesis: Why Financial Markets Do Not Work Well in the Real World」で、著者はRoger Farmer, Carine Nourry and Alain Venditti)。 以下はその…
クリス・ディローが財政緊縮政策に絡んでマンデル=フレミングモデルを持ち出している。 マンデル=フレミングモデルでは、一定の条件下で、財政政策の無効性と金融政策の有効性を示している。従ってこれは、英国連立政権でオズボーン財務相が推進する財政緊…
少し前にマンキューがWSJブログの以下の報告を紹介していた。 After controlling for various demographic factors, the researchers found that female graduates earned more than $6,500 more per year than women with just a high school diploma, and …
ダラス連銀のフィッシャー総裁が、昨年10月10日のケイトー研究所での講演で、ロスの友人から聞いたという以下の小咄を披露している(H/T Mostly Economics)。 “The governor of California is jogging with his dog along a nature trail. A coyote jumps o…
昨日紹介したデューク大学のCraufurd Goodwinの講話では、冒頭でケインズについて以下のように述べている。 My main message this evening is that John Maynard Keynes (Maynard to his friends), contrary to popular belief and recent caricatures in th…
4人の経済学者がケインズとブルームズベリーの関係を短く論じた講話集の中で、表題の趣旨のことをデューク大学のCraufurd Goodwinが述べている(H/T Mostly Economics)。 The second approach to the economy taken by Keynes from his Bloomsbury friends,…
量的緩和の円安効果を見積もったシティの推計を紹介した6日エントリに対し、なぜシティは日本の量的緩和を用いた推計を行わなかったのだろうか、という趣旨のコメントを頂いた。そもそもそういう推計に援用できるような日銀に関する実証研究があるのか、とぐ…
昨日紹介したAndolfattoのブログエントリでは、3兆ドルにまで積み上がったFRBの債務を以下のように説明している。 Now, three trillion dollars sounds like a heck of a lot of liabilities. There is no danger of bankruptcy, however. That's because Fe…
David Andolfattoが、インフレの決定に関する(ニュー)ケインジアン的な見方と(ニュー)マネタリスト的な見方を対比させている。 まずは、ニューケインジアン的な見方。 In the extreme version of this view (Woodford's cashless economy), Fed liabilit…
という小咄をイェンス・ヴァイトマン・ドイツ連銀総裁がパリのHEC経営大学院での講演の冒頭で披露している(H/T Mostly Economics)。 Just four weeks ago, France and Germany celebrated the 50th anniversary of the “ElyséeTreaty”, the treaty of frie…
FT Alphavilleが、円の減価のためにどれだけ日銀がバランスシートを膨らませる必要があるかをざっと見積もったシティのNathan SheetsとRobert Sockinの報告を引用している: Extrapolating these results to Japan, which admittedly may or may not be appr…
昨日に引き続きIMF季刊誌のローマー記事から、今度は彼女の学位論文に関するエピソードを紹介する。 The then-prevailing view among macroeconomists was that the U.S. economy was much more stable following World War II than it had been in the deca…
クリスティーナ・ローマーへの取材記事がIMFの季刊誌Finance & Developmentに掲載されている(H/T Mostly Economics)。そこでは、ローマーがCEA委員長として政権入りするために、大統領に選ばれたばかりのオバマの面接を受けた時のエピソードが以下のように…
HSBCのDavid Bloomチームの来年末までの円相場予想をFT Alphavilleが紹介している。 円相場の推移を考えるに際しHSBCチームは、アベノミクスを約束、行動、結果の3つの局面(フェーズ)に分け、さらにその中で4つの分岐点を考えている。 約束局面 既に終了 …
昨日紹介した論文では、商品によって割引率が異なることを論証していた。これは今までの経済理論の前提を覆す話、とのことだったが、既にケインズの一般理論の第17章では、彼が自己利率と呼んだものは商品ごとに違うことをほぼ自明としている。山形さん訳か…