2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
ラジャンが2008年末の英国女王の質問とそれへの回答*1になぜか最近になって反応し、次のようなことを書いている。 なぜ経済学者は危機に気付かなかったのか、という女王の質問に対しては、幾つかの回答があった: 単に経済学者が危機に導いた行動を説明でき…
という講演をスタンリー・フィッシャー・イスラエル中銀総裁がインド準備銀行で行った(Mostly Economics経由)。 そこで彼は以下の9箇条の教訓を挙げている*1。 ゼロ金利下限への到達は金融拡張政策の終わりではない 危機以前の教科書には、ゼロ金利に到達…
24日と25日は、InterfluidityにおけるIndyという人のコメントを紹介したが、そのコメントをNicholas Gruenという別のコメンターが自ブログにコピペした。そのエントリにIndyが改めてコメントし、米軍が、政府組織であるにも関わらず、自由市場経済における優…
昨日紹介したInterfluidityへのIndyというコメンターのコメントの中に、「causal density」という言葉があった。ぐぐってみると、Jim ManziがCity Journalに書いた記事を紹介するブログがトップに表示された。そこで、今日はそのManzi記事を簡単に紹介してみ…
一昨日のエントリの最後に (スティーブ・ワルドマンのエントリの)コメント欄では、“評価の難しい産業では、最善を尽くして手に入れた情報だから価値がある、と内部者が思い込んでしまう傾向があるが、実際にはそうした情報のほとんどは、それに基づいて行…
昨日のエントリの最後で紹介した従軍経験を持つコメンターのコメントから、軍における開発プロジェクトについて触れた部分を紹介してみる。 You often hear about all the horrible waste and “dead-end projects” in the military, but the truth is, there…
2/16に紹介したスティーブ・ワルドマンのブログエントリで、 コーエンの例示した政府、医療、教育に加えて、金融サービスも評価の難しい分野と言えるだろう。それらの分野では資金の流れが迂回的であり、かつ、不透明であることが多い。そのために短期的な予…
経済政策を巡る論議は、自然科学と違い、実験で決着するわけにはいかないので、ある経済政策を推進する主張と、それに対する懐疑論との応酬が延々と続く、という光景をしばしば目にする。もちろん最近は実験経済学といった手法も出てきてはいるが、それで決…
というテーマでブライアン・カプランがEconlogにブログ記事を書いていた。 I've heard the question many times: "Why do so many GMU economists blog?" The number and ratio are indeed extraordinary: I count 9 bloggers out of the 28 tenure-line fac…
池田信夫氏が大学教育の意義に批判的なブログ記事を書き、それを世界銀行Junior Profesional Associateの畠山勝太氏がツイッターで批判したことが一部で話題を呼んだ。 ただ、昨日紹介したタイラー・コーエンのブログ記事では、Economixでの自分のインタビュ…
2/16エントリで紹介したスティーブ・ワルドマンのタイラー・コーエン「The Great Stagnation」評の中に 発展途上国の中には、政治的文化的な要因によって、我々からすると目の前にぶら下がっているように見える果実を採らない国もある。しかし、実は我々自身…
一般向けの経済学の本で有名なスティーブン・ランズバーグの自ブログでの発言が、Modeled BehaviorブログでAdam OzimekとKarl Smithの二人から槍玉に挙げられていた。 問題のランズバーグの発言は、アイオワ州での同性婚を非合法化しようとする動きに反対す…
タイラー・コーエンの電子書籍「The Great Stagnation」が米ブログ界で話題を呼んでいるが、Interfluidityのスティーブ・ワルドマンもそれについて論考を書き、コーエン本人に称賛されている。いつもにも増して晦渋な文章で読むのも一苦労なのだが、以下に簡…
アンドリュー・ゲルマンが、過去10年間の連邦政府の常勤雇用の増分のうち9割は国土安保省だった、と書いたマイケル・マンデル*1を批判し、コメント欄でマンデル本人から返り討ちに遭っている。 ゲルマンは、雇用変化にはプラスもマイナスもあるのだから、そ…
Economist's Viewで引用されたRajiv Sethiの最新エントリより。 The conference organizers described the rational expectations hypothesis as one "under which all agents are assumed to have common expectations, corresponding to the probabilities…
低所得者層への安易な政策対応が経済危機の原因となった、というのはこのところラジャンが熱心に主張しているところであるが、その主張は当然のごとくクルーグマンやMark Thomaなどのリベラル派からは反発を買っている。ただ最近では、リベラル派以外からの…
ちょうど1週間前のエントリでは生産性と失業に関する米ブログ界での議論の取りあえずのまとめを紹介したが、その議論の最中にNick Roweが面白いモデルを提示していた(ただし本人はごく標準的なモデルだと断っている;また短期ではなく長期モデルだというこ…
kmoriさんの以下のつぶやきを見て window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.tw…
マンキューがボストン・グローブの「Made in the USA - US manufacturing still tops China’s by nearly 46 percent」と題された記事を「良い記事(A nice piece)」としてリンクしている。その記事では、副題にある通り、米国の製造業は未だ中国を46%上回っ…
先月8日に発生したアリゾナの銃乱射事件に絡んで、Modeled BehaviorのKarl Smithが挑発的なことを書いていた。要約すると以下の通り。 Urban Instituteによると、医療保険が無いために死亡する人々は年22,000人に上る。 過激な言辞が国民皆保険を成立させる…
とケビン・ドラムが問い掛けている。 この問い掛けはサムナーとクルーグマンのブログエントリを受けたものだが、それらのエントリで二人は、2008年以降に株価と予想インフレ率の相関が高まったことを報告したDavid Glasnerの論文を取り上げ、これぞ需要不足…
昨日のエントリではクルーグマンの論考を紹介したが、彼がそのようにケインズ理論を称揚した時にマンキューやニューマネタリスト周辺からしばしば寄せられるのが、お前はマクロ経済学が専門ではないので最新のマクロ経済学を余り知らんだろう、という批判で…
と題されたクルーグマンの1/24エントリ(原題は「The War on Demand」)は、大多数の経済論争の本質を言い当てたという点で、彼のブログエントリの中でも最重要ランクに位置するもの、と個人的には受け止めた。以下はその拙訳。 大不況とその余波を受けて、…
少し前に生産性と失業に関する論議が米ブログ界を賑わせていたが、Stephen Williamsonの1/18エントリが取りあえずのまとめになっているかと思うので、簡単に紹介しておく。 彼はまず、GDPを雇用者数で割った簡易的な労働生産性のグラフを描き、以下の定型的…
Mostly Economicsの1/28エントリで、世界銀行のEconomic AdvisorであるCélestin Mongaのブログ記事が紹介されている。そこでMongaは、自分の最近の共著論文を基に、彼の考える産業政策の正しい遂行方法について以下のように書いている。 Rethinking industri…
2000年代前半のFRBの低金利政策と住宅バブルの関係についてはかねてよりジョン・テイラーやデビッド・ベックワースが批判の急先鋒となっており、本ブログでもその問題に関する議論をこれまでに幾つか紹介してきたが*1、2/2付けのvoxeuにFRBを正面切って擁護…
人口の高齢化と経済の低迷の関係は最近しばしば話題になるところであり、本ブログでも折りに触れ取り上げてきた。 この問題に関し、先月初めと終わりに、日本の著名なエコノミスト達による興味深い指摘が2つなされた。 一つは「This Time May Truly Be Diffe…
先月12日にクルーグマンがNYTにユーロに関する長文の論考を書いた。その終わりの方では、欧州が今後辿り得る道筋として4つの選択肢を挙げている。以下ではそれを簡単にまとめてみる*1。 耐え抜く バルチック諸国がロールモデル。 緊縮政策で「内的な通貨切り…