2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧
オーストリア学派経済学者が書いたケイトー研究所論文、というといかにもクルーグマンやデロングなどの左派が拒否反応を起こしそうな来歴の論文だが、そこでハーバート・フーバーこそニューディールの生みの親だ、という主張がなされている(Mostly Economic…
3年ほど前にブルームバーグがFRBを訴えたという話を紹介したが、今年の3月にブルームバーグの勝訴に終わっていたようだ。その結果入手した資料を元に書かれた昨日付の表題の分析記事(原題は「Secret Fed Loans Gave Banks $13 Billion」)が話題を集めてお…
というテーマでドイツで行った実証研究の報告がvoxeuに掲載されている。 その結果は以下の表にまとめられている。これを見ると、 学業成績 感情の問題 仲間との関係 がスポーツによって有意に改善している。このうち学業成績は認知能力(cognitive skills)…
昨日に続き、ネットで見つけたもう一つのAiyagariの追悼エッセイ「The Contributions of S. Rao Aiyagari to Dynamic Macroeconomics」を訳してみる。書いたのは、今年の6月までイスラエル銀行(中央銀行)で副総裁を務めていたZvi Ecksteinと、同じくイスラ…
金融論関係の研究論文で良く言及される名前の一つに、Aiyagariがある。しかし、当人は14年も前に45歳の若さで早世している。彼が十年間在籍したミネアポリス連銀では、季刊誌Quarterly Reviewの1997年夏号を彼の追悼に当てている。 以下はその号でのニール・…
昨日のエントリでは欧州の銀行のデレバレッジが世界に与える影響を懸念した論文を紹介したが、こちらのvoxeu記事では、そうしたデレバレッジが10/26のEU首脳会議のせいで進行している、と書かれている(Mostly Economics経由)。 At the recent October Summ…
と題したMRエントリ(原題は「If true we are doomed」)でタイラー・コーエンが、「Global Banking Glut and Loan Risk Premium」というHyun Song Shin論文を紹介している。元のポインタはクルーグマンで、コーエン以外にはデロングが同論文にリンクしたほ…
少し前に以下のツイートが話題になったが、 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://pl…
一応拾っておきます。 ポール君 グレッグ君の授業のボイコットの件について言うべきことは僕は何も無いけれど、うちのカミさんがね、何かあるみたい。それはあくまでも彼女の意見だからね、為念。
以前、アルゼンチン独特のインフレ対策(=公式発表と異なるインフレを推計したことに対し罰金を科す)を紹介したが、同国でまた別の独特の対策が取られたようである(ソースは[前回と同じく]Mostly Economics経由のタイラー・コーエン)。 きっかけはEcon…
SF連銀レポートが利回り構造に各種の経済ニュースが与える効果について簡単なイベントスタディを行っている(Mostly Economics経由)。以下にそのファインディングを箇条書きに並べてみる*1。 2011年7月8日の労働統計のイベントスタディ 6月の非農業部門雇用…
ダニ・ロドリックをはじめとして製造業ならびに産業政策の重要性を重視する人は少なからずおり、本ブログでも何回かそれについて取り上げてきたが(例)、歴史的観点からその重要性に焦点を当てた研究が出た。Translating Empire: Emulation and the Origins…
今度は両者が同じグラフを見て、正反対というよりは明後日の方向を向いた解釈をしている。 ポール君 今朝たまたま見つけるまでこのデータベースのことを僕が知らなかったとは何たることか。何でINETの人たちは教えてくれなかったのだろう? それはともかく、…
第9弾と同じく特にお互いへの言及は無いが、同じ研究を見てほぼ正反対の評価をしている。 グレッグ君 総需要を喚起する方策としてのサプライサイド政策について論じたフィラデルフィア連銀論文は重要な点を突いているね。以下はその要旨: 本論文では、名目…
について分析した論文が出ている(Mostly Economics経由;11/2付けでvoxeu記事も書かれている)。 以下は論文の結論部より。 Like the United States, Germany suffered its worst post-war recession in 2008-2009. Far rom suffering its worst labor mark…
「米国は日本型の高失業と低成長の時代を迎えるか」というテーマでのクルーグマンとサマーズとの討論(クルーグマンがここで予告している)の内容をフェリックス・サーモンがまとめている*1。以下はそのサーモン記事からWSJブログがピックアップした部分。 T…
カナダ銀行が2%のインフレ目標を更新したことはベストの選択だった、とCD HoweのChristopher Raganが述べている。以下は他の選択肢に対するRaganの評のMostly Economicsによる要約。 » Targeting Nominal GDP – This was not going to be useful as NGDP = R…
昨日、ボール論文の概要を紹介したが、今日は、そこで「名目GDP目標を取り入れると実質GDPとインフレの不必要な振動を招いてしまう」と記述した部分の数学を補足しておく。 昨日のエントリの(2)式と(13)式からは、 X = CX(-1) + E ・・・(A5) という1…
10/22エントリでは、Williamsonの名目GDP目標政策に対する疑義を紹介した。彼の疑念の一つは、名目GDP目標論者は、実質GDPの成長トレンドの安定性を過大視しているのではないか、ということだった。 今月に入って、Canucks AnonymousのAdam Pが同様の批判を…
という結果をインドのヒンズー教徒とムスリム教徒間の争いについて報告した論文が出ている(Mostly Economics経由)。以下はその要旨。 Most studies of Hindu–Muslim riots in India have tended to emphasize the effects of social, cultural, or politic…
サマーズMIT講演記事紹介シリーズの最終回。順番が実際の記事とはほぼ逆になったが、今日は記事の冒頭部を紹介してみる。 The United States needs additional government spending to create significant economic growth, and in so doing would face litt…
昨日に続きサマーズMIT講演記事から。 Asked by Poterba to discuss the economic crisis in Europe, Summers noted dryly that it was “hard to be enormously optimistic about the situation.” The crisis, he said, is a fiscal-policy version of the U…
5日にサマーズのクリントン・オバマ評を紹介したが、それは彼がMITで講演した時のものである。これを紹介したMITの記事では、サマーズの以下の言葉も紹介している。 Summers also weighed in on economists’ performance in light of the largely unanticipa…
Econospeakでサンドイッチマンが、カレツキの「完全雇用の政治的側面」の以下の一節を引用した。 One of the important functions of fascism, as typified by the Nazi system, was to remove capitalist objections to full employment.The dislike of gov…
格差と教育の関係についてマンキューがクルーグマンに噛み付いた。 グレッグ君 所得の格差拡大を教育と絡めて考えるのは間違いだというここやここでのポール君の主張には首を捻ったね。彼に言わせれば、所得格差はオリガルヒの影響力増大が原因であり、所得…
についてサマーズが面白い寸評を述べている。 “They’re very different people,” Summers said. “If you have a 2:00 meeting scheduled with Barack Obama, the meeting might begin at 10 of two … and it surely will have begun by 10 after two.” Summe…
として、ジョン・テイラーが以下の3つの相違点を挙げている。 1990年代、そしてとりわけ2000年代初めの日本はデフレだった。1999年から2003年に掛けてGDPデフレータは下落した。米国ではそのような長期のGDPデフレータの下落は近年見られていない。 当時の日…
以前(2009/12/3エントリ)、マックス・ウェーバーの仮説を否定する実証研究を紹介したことがあったが、今度はそれを支持する実証研究が現われた(Mostly Economics経由)。書いたのは欧州大学院のChristoph Basten*1と欧州中銀のFrank Betz。 以下はその冒…
という記事がハロウィンに事寄せて10/28にWSJブログに上がった(原題は「What Horror Movies Can Teach Economic Policy Makers」;Mostly Economics経由)。書いたのはWSJ記者ではなく、駐米英国大使館のチーフエコノミストPeter Matheson(同大使館の公式…
以前、ドイツ人経済ブロガーがいない10の理由、というフェリックス・サーモンの記事を紹介したことがあったが、表題のvoxeu記事ではイタリアで経済ブログが活発でない理由を挙げている(原題は「The economics of economics blogs」;Mostly Economics経由)…