コント:ポール君とグレッグ君(2011年第13弾)

今度は両者が同じグラフを見て、正反対というよりは明後日の方向を向いた解釈をしている。

ポール君
今朝たまたま見つけるまでこのデータベースのことを僕が知らなかったとは何たることか。何でINETの人たちは教えてくれなかったのだろう? それはともかく、下記のグラフは、戦後間もない頃の緊縮策と現在の緊縮策に対する欧州の大衆の反応の違い*1と関係がありそうだ:

  


グレッグ君
ポール君の示したグラフは、過去数十年間の格差拡大が米国に限った話ではないことを教えてくれる。そのデータベースで他の国について描画してみると、オーストラリア、カナダ、アイルランドニュージーランドについては似たようなU字型の曲線が見られるが、フランス、ドイツ、日本、スウェーデンはそうでもない。上位1%の所得シェアが拡大していることは、英語が世界言語として大いに使われるようになっていることと関係あるのかしらん?

*1:この直前のエントリクルーグマンは、英国について、(1)戦後は完全雇用だったが今は失業率が高い、(2)戦後は資源が不足していたが今はそうではない、という違いを挙げ、現在の緊縮策は資源不足のためではなく金融市場の見えざる神を満足させるために行われようとしており、しかも富裕層ではなく専ら労働者を犠牲にしようとしている、従って、戦後の緊縮策に当時の国民が禁欲的に従ったのとは対照的に、今日の有権者が怒りと疑念を抱くのは当然、と論じている。