政治

戦争、社会主義、およびファシズムの勃興:実証追究

アセモグルのNBER論文をもう一丁。以下はDaron Acemoglu(MIT)、Giuseppe De Feo(レスター大)、Giacomo De Luca(ボゼン・ボルツァーノ自由大)、Gianluca Russo(ポンペウ・ファブラ大)による表題の論文(ungated版、原題は「War, Socialism and the Ri…

社会革命と専制体制の耐性

という論文をタイラー・コーエンが紹介している。論文の原題は「Social Revolution and Authoritarian Durability」で、著者はJean Lachapelle(V-dem研究所*1)Steven Levitsky(ハーバード大)、Lucan A. Way(トロント大)、Adam E. Casey(ミシガン大)…

毛と鄧の下で育って:企業政策のイデオロギー的決定要因について

というフィンランド銀行論文をMostly Economicsが紹介している(著者によるオックスフォード大法学部ブログエントリ)。原題は「Growing up under Mao and Deng: On the ideological determinants of corporate policies」で、著者はHao Liang(シンガポール…

雇用における人種分離のコスト:ウィルソン政権下の連邦政府についての実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Costs of Employment Segregation: Evidence from the Federal Government under Wilson」で、著者はAbhay Aneja、Guo Xu(いずれもUCバークレー)。 以下はその要旨。 We link personnel records o…

ベーカー仮説

というNBER論文が上がっている。原題は「The Baker Hypothesis」で、著者はAnusha Chari(ノースカロライナ大学チャペルヒル校)、Peter Blair Henry(NYU)、Hector Reyes(同)。 以下はその要旨。 In 1985, James A. Baker III's “Program for Sustained …

誰がトランプに投票したのか? ポピュリズムと社会資本

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「 Who Voted for Trump? Populism and Social Capital」で、著者はPaola Giuliano(UCLA)、Romain Wacziarg(同)。 以下はungated版の結論部。 We document a robust negative relationship between so…

政治的不確実性下での長期の財産権の評価

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンク)。原題は「Valuation of Long-Term Property Rights under Political Uncertainty」で、著者はZhiguo He(シカゴ大)、Maggie Rong Hu(香港中文大)、Zhenping Wang(シカゴ大)、Vincent Yao(ジョー…

独裁者の2つのジレンマ

というProject Syndicate論説をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Dictator’s Two Dilemmas」で、著者はコロンビア大のAndrew J. Nathan。 以下はその冒頭。 Authoritarian regimes often enjoy more public support than democratic governments…

国際的な友好国と敵対国

というNBER論文が上がっている(ungated版1、ungated版2)。原題は「International Friends and Enemies」で、著者はBenny Kleinman、Ernest Liu、Stephen J. Redding(いずれもプリンストン大)。 以下はその要旨。 We develop sufficient statistics of co…

分極化を読み解く

「Unbundling Polarization」というNBER論文が上がっている(ungated版)。著者はNathan Canen(ヒューストン大)、Chad Kendall(南カリフォルニア大)、Francesco Trebbi(ブリティッシュコロンビア大)。 以下はその要旨。 This paper investigates the d…

ニコバル諸島の日本占領/奴隷労働、スパイ容疑、および処刑

という論文(原題は「Japanese Occupation of Nicobar Islands / Slavery, Espionage and Executions」)をタタ社会科学研究所のAjay Sainiが書いている(H/T Mostly Economics)。以下はその導入部からの引用。 Despite their severity, the Japanese atroc…

国家主義者としてのトランプ

マンキューがブログで、トランプ政権の移民政策に対する憤りを露わにしている。 22日には、David BrooksのNYT記事から以下の箇所を引用したエントリを上げている。 For centuries, conservatives have repeated a specific critique against state power. St…

勃興しつつある中国を西側はどのように判断すべきか

2週間ほど前のエントリで、デロングが中国の直面する問題について以下のように書いている。 The big problem China will face in a decade is this: an aging near-absolute monarch who does not dare dismount is itself a huge source of instability. Th…

ZOZOTOWN経営陣の要望に応える欧米の左派政党

「Brahmin Left」とピケティが名付けた層が所得格差縮小の障害になっている、という話が話題になっている。ProMarketで「なぜ民主主義が格差縮小できないか:インテリ左翼のせいだ(Why Democracy Fails to Reduce Inequality: Blame the Brahmin Left)」と…

アデア・ターナー元FSA長官が立憲民主党の経済顧問に就任へ

英国の金融サービス機構(FSA)長官を務め、近著「債務、さもなくば悪魔」でヘリコプターマネー政策を提唱したアデア・ターナー氏が、立憲民主党の経済顧問に就任することが明らかになった。実現すれば、アベノミクスによる金融緩和に反対してきた立憲民主党…

理念対権益:統一的な政治経済の枠組み

昨日に続き、27日エントリで紹介したロドリックのブログ記事でリンクされていた論文の要旨を紹介する。以下は表題の共著論文(原題は「Ideas versus Interests: A Unified Political Economy Framework」、共著者はウォーリック大のSharun W. Mukand)の要旨…

理念が権益に勝るとき:選好、世界観、および政治的イノベーション

引き続きロドリックねた。以下は、27日エントリで紹介したロドリックのブログ記事でリンクされていた表題の論文(原題は「When Ideas Trump Interests: Preferences, World Views, and Policy Innovations」)の要旨。 Ideas are strangely absent from mode…

中心は持つのか?

以前、イェイツの「再臨」(Second Comming)という詩の一節をServaas Stormがユーロ圏の先行きに絡めて引用したのを紹介したことがあったが、サマーズが表題のProject Syndicate論説(原題は「Will the Center Hold」)で米国と世界の先行きに絡めて引用し…

英国と米国:どうしてこうなった

英総選挙の投票結果の衝撃が広がる折りではあるが、選挙直前にサイモン・レンールイスが書いたエントリが少し面白かったので紹介しておく。 This post is a response to a provocative piece by Anatole Kaletsky. He writes “While the US has taken only 1…

国家建設、ナショナリズム、および戦争

アレシナが表題の少し毛色の変わったNBER論文の共著者に名を連ねている。原題は「Nation-Building, Nationalism and Wars」で、著者はAlberto Alesina(ハーバード大)、Bryony Reich(ノースウエスタン大)、Alessandro Riboni(エコール・ポリテクニーク)…

金毛地帯

「All the President's Friends: Political Access and Firm Value」というNBER論文が上がっている。著者はイリノイ大学のJeffrey R. BrownとJiekun Huang。 以下はその要旨。 Using novel data on White House visitors from 2009 through 2015, we find th…

男性よりも女性の君主の方が戦争を引き起こす

という主旨のNBER論文が上がっている。論文の原題は「Queens」で、著者はOeindrila Dube(シカゴ大)、S.P. Harish(マギル大)。 以下はその要旨。 Are states led by women less prone to conflict than states led by men? We answer this question by ex…

トランプとゴルバチョフ

と題したエントリをブランコ・ミラノビッチが書いている(H/T Economist's View)。 The juxtaposition of these two names in the title may come as a surprise to many readers. What do a social-democrat who wanted to reform Communism, and the bill…

テクノクラートが見守る中で民主主義が死につつある

ウィリアム・イースタリーがフォーリン・ポリシー誌に表題の論説を寄稿している(原題は「Democracy Is Dying as Technocrats Watch」)。以下はそこからの引用。 Technocrats have always shown little interest in fights over fundamental values. Their …

フィデルのキューバの思い出

と題したブログ記事(原題は「Memories of Fidel's Cuba」)でマンキューが、「From my friend and colleague George Borjas(私の友人であり同僚であるGeorge Borjasから)」という一文を付けて、移民の経済学の研究で有名なGeorge Borjas*1のブログ記事に…

哀しみと憐れみ

と題したブログエントリで、クルーグマンがトランプを痛罵している。原題は「The Sorrow and the Pity」だが、ぐぐってみると元ネタはヴィシー政権下のフランスをインタビューで浮き彫りにしたマルセル・オフュルスのドキュメンタリー映画のタイトルらしい(…

トランプに抗する正しいやり方

2月にトランプとベルルスコーニを比較したジンガレスのNYT論説を紹介したが、トランプが大統領に選出された今、改めてジンガレスが表題のNYT論説を書いている(原題は「The Right Way to Resist Trump」;H/T Economist's View)。 Five years ago, I warned…

低学歴者の勝利

というある意味において如何にも彼らしい直截的なタイトルのブログエントリ(原題は「The Triumph of the Less Educated」)で、マンキューが以下のグラフを紹介している。 曰く、 In a Times column back in July, I noted that the Brexit vote was strong…

長期戦

9日エントリで紹介したマンキューや11日エントリで紹介したディローの楽観論を戒めるかのように、「The Long Haul」という悲観的なブログエントリをクルーグマンが書いている。 As I said in today’s column, nobody who thought Trump would be a disaster …

大統領の人格が問題にならない時

クリス・ディローが、トランプの人格が大統領職においてそれほど問題にならない可能性の理由として以下の3つを挙げている。 人々はそもそも無知で偏見を持っているが、大統領は人々の代表であることが望ましい。 チェック・アンド・バランスというものが存在…