政治

何が指導者に国造りへの投資をさせるのか?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「What Motivates Leaders to Invest in Nation-Building?」で、著者はPaola Giuliano(UCLA)、Bryony Reich(ノースウエスタン大)、Alessandro Riboni(エコール・ポリテクニーク)。 以下はその要旨。…

クルーグマン「日本はまだオワコンではない」

既に日本のツイッターで話題になっているが、クルーグマンが安倍元首相の死に寄せて連ツイを投稿している。 OK, one more shock: the assassination of Japan's former Prime Minister Abe. I have zero to say about what might lie behind it and what it …

国の許容度の計測:理論と抗議への適用

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Measuring the Tolerance of the State: Theory and Application to Protest」で、著者はVeli Andirin(ブラウン大)、Yusuf Neggers(ミシガン大)、Mehdi Shadmehr(ノースカロライナ大チャペルヒル校…

メイド・イン・ロシア? ロシアにおける輸入代替の可能性の評価

というフィンランド銀行の論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Made in Russia? Assessing Russia’s potential for import substitution」で、著者は同行のHeli Simola。 以下はその要旨。 Russia’s brutal military aggression on Ukraine has l…

公共財の提供の失敗:アフガン軍が戦わなかった理由

というセントルイス連銀の季刊誌Review掲載予定論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Failing to Provide Public Goods: Why the Afghan Army Did Not Fight」で、著者はRohan Dutta(マギル大)、David K. Levine(欧州大学院)、Salvatore Modic…

経済の運営者としての大統領

というNational Affairs記事(原題は「Presidents as Economic Managers」、著者はマンハッタン政策研究所のBrian Riedl)をMostly Economicsが紹介している。以下はその引用部。 Purely partisan narratives are often wrong; the familiar cliché that the…

降伏と継戦の得失:簡単な定式化

こちらの細谷雄一氏の論考など、侵略を受けた国が降伏するべきかどうかを巡る最近の議論を読んで、降伏と継戦の得失を何か数式の形で表現できないかな、と考えてみた。以下はその簡単な試み*1。変数を以下のように定義する。 Ns:降伏後に生じる損失*2 p:敵…

ゴロドニチェンコとウクライナ

マンキューがウクライナへの想いを述べたエントリを前回紹介したが、後続エントリで彼は、ゼレンスキー大統領の演説と、Yuriy Gorodnichenkoの2/25付けのエントリに、それぞれ「A powerful speech by Ukraine's president.」「A heartfelt plea from economi…

マンキューとウクライナ

マンキューが「My Heart is Breaking」と題したエントリで、ウクライナと自分の縁と、最近の思いについて書いている。 I was born in New Jersey, grew up in New Jersey, and have spent most of adult life in Massachusetts, but I have always felt a ki…

COVID-19、政府のパフォーマンス、および民主主義:12カ国の調査による実証的結果

というNBER論文が上がっている。原題は「COVID-19, Government Performance, and Democracy: Survey Experimental Evidence from 12 Countries」で、著者はMichael Becher(IE大*1)、Nicolas Longuet Marx(コロンビア大)、Vincent Pons(ハーバード大)、…

NAFTAが民主党離れを引き起こした

という主旨のNBER論文が上がっている(ungated版)。論文のタイトルは「Local Economic and Political Effects of Trade Deals: Evidence from NAFTA」で、著者はJiwon Choi(プリンストン大)、Ilyana Kuziemko(同)、Ebonya L. Washington(イェール大)…

ハイパーインフレがナチスを台頭させたわけではない

以前こちらで紹介した緊縮財政策とナチスの関係に関する論文を共著したGregori Galofré-Vilà(ナバーラ州立大)が、表題の主旨の論文を書いている(Mostly Economics経由の本人のLSEブログポスト経由)。 以下はその要旨。 I study the link between monetar…

植民地の罠

というイアン・ブルマのProject Syndicate論説(原題は「The Colonial Trap」)をMostly Economicsが紹介している。以下は引用部の孫引き。 On February 20, 1947, Clement Attlee, the socialist British prime minister, informed parliament that India w…

社会民主主義の形成:ノルウェーの1936年の国民学校改革の経済面・選挙面での帰結

アセモグルのNBER論文をもう一丁。以下はDaron Acemoglu(MIT)、Tuomas Pekkarinen(アールト大)、Kjell G. Salvanes(ノルウェー経済高等学院)、Matti Sarvimäki(アールト大)による表題の論文(原題は「The Making of Social Democracy: The Economic …

(成功した)民主主義は自らの支持を育む

というNBER論文をアセモグルらが上げている。原題は「(Successful) Democracies Breed Their Own Support」で、著者はDaron Acemoglu(MIT)、Nicolás Ajzenman(サンパウロ・スクール・オブ・エコノミクス)、Cevat Giray Aksoy(欧州復興開発銀行)、Marti…

ソビエトの1932-33年の大飢饉の政治経済的な原因

一昨年に映画も製作された*1ホロドモールを取り上げた表題のNBER論文が上がっている(cf. 昨年9月時点のWP、タイラー・コーエンの紹介、Mostly Economicsの紹介)。論文の原題は「The Political-Economic Causes of the Soviet Great Famine, 1932–33」で、…

非近代化:権力・文化の軌道と政治制度の動学

というNBER論文でアセモグル=ロビンソンが、経済発展が民主主義につながるという近代化論(modernization theory)が何を見誤っていたか、について論じている(ungated版)。原題は「Non-Modernization: Power-Culture Trajectories and the Dynamics of Po…

政治的分極化と予想された経済の帰結

Olivier Coibion(テキサス大オースティン校)、Yuriy Gorodnichenko(UCバークレー)、Michael Weber(シカゴ大)のNBER論文をもう一丁。以下は昨年の大統領選投票日前に出された表題のNBER論文(原題は「Political Polarization and Expected Economic Out…

メルケルはトランプのtwitterアカウント停止について何と言ったのか?

という点が最近ツイッター界隈で議論になったが、ドイツ政府のホームページに当該の報道官の会見のトランスクリプトが上がっていることに気づいたので、以下に該当箇所の原文、そのグーグル英訳、さらにその拙訳を掲げてみる。 (原文) Frage: Herr Seibert…

法廷が米大統領を選ぶ可能性はいかほどか? 選挙人制度および国民投票で僅差の逆転可能性のある選挙結果が生じる確率

というタイムリーなテーマのNBER論文が上がっている(ungated版のある著者の一人のサイト)。原題は「How Likely Is It that Courts Will Select the US President? The Probability of Narrow, Reversible Election Results in the Electoral College versu…

判事の定年制による米国の州最高裁のパフォーマンスの改善

というNBER論文が上がっている(7月時点のWP、H/T Mostly Economics)。原題は「Mandatory Retirement for Judges Improved Performance on U.S. State Supreme Courts」で、著者はElliott Ash(チューリッヒ工科大学)、W. Bentley MacLeod(コロンビア大)…

戦争、社会主義、およびファシズムの勃興:実証追究

アセモグルのNBER論文をもう一丁。以下はDaron Acemoglu(MIT)、Giuseppe De Feo(レスター大)、Giacomo De Luca(ボゼン・ボルツァーノ自由大)、Gianluca Russo(ポンペウ・ファブラ大)による表題の論文(ungated版、原題は「War, Socialism and the Ri…

社会革命と専制体制の耐性

という論文をタイラー・コーエンが紹介している。論文の原題は「Social Revolution and Authoritarian Durability」で、著者はJean Lachapelle(V-dem研究所*1)Steven Levitsky(ハーバード大)、Lucan A. Way(トロント大)、Adam E. Casey(ミシガン大)…

毛と鄧の下で育って:企業政策のイデオロギー的決定要因について

というフィンランド銀行論文をMostly Economicsが紹介している(著者によるオックスフォード大法学部ブログエントリ)。原題は「Growing up under Mao and Deng: On the ideological determinants of corporate policies」で、著者はHao Liang(シンガポール…

雇用における人種分離のコスト:ウィルソン政権下の連邦政府についての実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Costs of Employment Segregation: Evidence from the Federal Government under Wilson」で、著者はAbhay Aneja、Guo Xu(いずれもUCバークレー)。 以下はその要旨。 We link personnel records o…

ベーカー仮説

というNBER論文が上がっている。原題は「The Baker Hypothesis」で、著者はAnusha Chari(ノースカロライナ大学チャペルヒル校)、Peter Blair Henry(NYU)、Hector Reyes(同)。 以下はその要旨。 In 1985, James A. Baker III's “Program for Sustained …

誰がトランプに投票したのか? ポピュリズムと社会資本

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「 Who Voted for Trump? Populism and Social Capital」で、著者はPaola Giuliano(UCLA)、Romain Wacziarg(同)。 以下はungated版の結論部。 We document a robust negative relationship between so…

政治的不確実性下での長期の財産権の評価

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンク)。原題は「Valuation of Long-Term Property Rights under Political Uncertainty」で、著者はZhiguo He(シカゴ大)、Maggie Rong Hu(香港中文大)、Zhenping Wang(シカゴ大)、Vincent Yao(ジョー…

独裁者の2つのジレンマ

というProject Syndicate論説をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Dictator’s Two Dilemmas」で、著者はコロンビア大のAndrew J. Nathan。 以下はその冒頭。 Authoritarian regimes often enjoy more public support than democratic governments…

国際的な友好国と敵対国

というNBER論文が上がっている(ungated版1、ungated版2)。原題は「International Friends and Enemies」で、著者はBenny Kleinman、Ernest Liu、Stephen J. Redding(いずれもプリンストン大)。 以下はその要旨。 We develop sufficient statistics of co…