2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
国境税調整を巡る話で、両者の接触があった。 ポール君 仕向け地キャッシュフロー税(DBCFT)の話は分かりにくいが、(比較的)簡単に考える方法がある。付加価値税を起点に考えてみればよいのだ。付加価値税は、国内と海外のいずれの企業についても、内外の…
カリフォルニア大のRichard Bookstaberが、経済学が危機をうまく扱えない理由として、以下の4つの要因が危機時に顕わになるから、とOECD Insightsで述べている(H/T Economist's View)。 計算の簡単化ができない 単純なシステムならば、その振る舞いを数学…
デロングがNAFTAに関する長文の論考をVOXに書いた(H/T Economist's View、本石町日記さんツイート)。それにダニ・ロドリックが自ブログの表題のエントリ(原題は「What did NAFTA really do?」)で反応した(H/T Economist's View)。 ロドリックはまず、…
Dietrich Vollrathが、Nick Bloom、Chad Jones、John van Reenen、Michael Webbの論文「Are Ideas Getting Harder to Find?」の概要を紹介し、以下の式を示している。 ここで左辺はアイディアの成長率、右辺のSは研究に費やされる労力(ここでは研究開発費を…
というNBER論文をエドワード・ラジアーらが書いている(ungated版)。原題は「Hires and Separations in Equilibrium」で、著者はEdward P. Lazear(スタンフォード大学)、Kristin McCue(センサス局)。 以下はその要旨。 Hiring is positively correlated…
「Narrative Economics」と題したロバート・シラーの1/7のAEA会長講演がNBER論文として上がっている(ungated版)。以下はその要旨。 This address considers the epidemiology of narratives relevant to economic fluctuations. The human brain has alway…
アセモグルらが「Secular Stagnation? The Effect of Aging on Economic Growth in the Age of Automation」というNBER論文を上げている(ungated版)。著者はDaron Acemoglu(MIT)、Pascual Restrepo(ボストン大)。 以下はその要旨。 Several recent the…
Francis Dieboldが20年ほど前にベイズ主義の代表的な計量経済学者と意見交換をしていた時、その学者が突然以下のようなことを言ってDieboldを驚かせたという。 There must be something about Bayesian analysis that stifles creativity. It seems that fre…
サマーズとエドワード・グレイザーが、ブルッキングス研究所のシンポジウムでインフラ投資を巡って意見を戦わせた。その内容についてサマーズ本人が自HPで5項目にまとめているが、ブルッキングス研究所も両者の言い分を箇条書きにまとめている(Economist's …
14日エントリで紹介したブランシャールのモデル論にサイモン・レンールイスが反応している。 Ever since I started blogging I have written posts on macroeconomic methodology. One objective was to try and convince fellow macroeconomists that Struc…
と題したエントリをブランコ・ミラノビッチが書いている(H/T Economist's View)。 The juxtaposition of these two names in the title may come as a surprise to many readers. What do a social-democrat who wanted to reform Communism, and the bill…
というNBER論文をルイジ・ジンガレスらが書いている(ungated版)。原題は「Political Determinants of Competition in the Mobile Telecommunication Industry」で、著者はMara Faccio(パデュー大)、Luigi Zingales(シカゴ大)。 以下はその要旨。 We st…
というNBER論文をダグラス・ダイアモンドやラグラム・ラジャンらが書いている(ungated版)。原題は「Pledgeability, Industry Liquidity, and Financing Cycles」で、著者はDouglas W. Diamond、Yunzhi Hu、Raghuram G. Rajan(いずれもシカゴ大)。 以下は…
というNBER論文をスティグリッツが上げている。原題は「Macro-economic Management in an Electronic Credit/Financial System」。 以下はその要旨。 Modern technology provides the basis of an efficient low-cost electronic payments as an alternative…
ジョシュ・ヘンドリクソン(Josh Hendrickson)のThe Everyday Economistブログエントリと、ノアピニオン氏のブルームバーグ論説が、ほぼ同時に恒常所得仮説を取り上げ、ほぼ正反対の評価を下している。 ヘンドリクソンは、2005年にシカゴ大のエリック・ハー…
BOEのチーフエコノミストのアンドリュー・ホールデン(Andrew Haldane)が、OECD Insightsに「From economic crisis to crisis in economics」と題したブログエントリを上げ、複雑系理論、就中、複雑な「システムのシステム」という観点から公的政策の全体構…
BOEのチーフエコノミストのアンドリュー・ホールデン(Andrew Haldane)が、経済学の危機の予測の失敗を、英国の1987年の気象予報の失敗に例えた。 In a speech at the Institute for Government in London yesterday, Haldane compared economists’ failure…
ブランシャールが、これで打ち止めにしたい、としてDSGEに関する3回目の論考をピーターソン研究所のブログに上げている(1回目はここ、2回目はここ参照)。 以下は同論考からの引用。 It would be nice if a model did both, namely have a tight, elegant, …
というNBER論文をアルベルト・アレシナらが上げている(ungated版)。原題は「Intergenerational Mobility and Preferences for Redistribution」で、著者はAlberto Alesina、Stefanie Stantcheva、Edoardo Teso(いずれもハーバード大)。 以下はその要旨。…
昨日紹介したブログエントリや1/9付NYT論説に示されたクルーグマンの景気観にジャレッド・バーンスタインが反応している。 Progressives’ Keynesian economist in chief, Paul Krugman, has been second to none in calling out policymakers’ focus on redu…
クルーグマンが今年最初の2回のエントリで、景気の潮目が変わったことを強調している。 まずは1/6エントリ「Macrohypocrisy(マクロ偽善)」。 ...I and other Keynesians are getting mail accusing us of being the hypocrites: “You were for deficits wh…
というNBER論文をリカルド・ライス(Ricardo Reis、LSE)が上げている(ungated版、原題は「Can the Central Bank Alleviate Fiscal Burdens?」)。 以下はその要旨。 Central banks affect the resources available to fiscal authorities through the impa…
文藝春秋1月号の浜田宏一氏の寄稿を受けて改めてFTPLが一頻り話題になっているが、昨年11月に紹介したインタビュー記事でブランシャールは、FTPLに対して否定的な見方を示した。その否定発言は、同じインタビューシリーズのジョン・コクランの話が持ち出され…
昨日紹介したブルームバーグ論説でノアピニオン氏は、昨年4/24付けの自身の表題のジャパンタイムズ論説(原題は「Economic profession builds a Tower of Babel」で、元は4/6付けのブルームバーグ論説[そちらのタイトルは「Economics Builds a Tower of Bab…
をノアピニオン氏がブルームバーグ論説で挙げている。 内生性 相関関係と因果関係は違う、ということは誰もが知っているが、なぜか忘れがちである。この言葉はそれを覚えておくのに役立つ。 あることが原因か結果か(もしくはその両方か)分からない時には内…
「Beliefs about Gender」というNBER論文をシュライファーらが書いている(ungated版)。著者はPedro Bordalo(オックスフォード大サイード・ビジネス・スクール)、Katherine B. Coffman(HBS)、Nicola Gennaioli(ボッコーニ大)、Andrei Shleifer(ハー…
と日本語にするとおさる改めモンキッキー改めおさるのネタのようだが、マンキューが先月の21日に「Why Y?」というエントリを書いている。そこで彼は、なぜGDPを表すのにYという文字を使うのか、とある教授にメールで訊かれたが答えられなかった、というエピ…
Project Syndicate論説でカーメン・ラインハートが、プラザ合意当時と現在を比較している。 Apart from the significant cumulative appreciation of the US dollar, there are scant similarities between the current environment and 1985. Back then, Ja…
というエントリをクルーグマンが先月27日に上げている(原題は「Tariffs and the Trade Balance (Wonkish) (Updated)」)。 そこでクルーグマンはまず、付加価値税は国内企業にも海外企業にも平等に掛かるので、貿易にも為替にも影響しない、と説明している…
INETやCIGIの援助を受けてここ数年スラッファの文献研究を続け、昨年以下の本を出版したAjit Sinhaが、表題のINETブログ記事(原題は「Sraffa’s Revolution in Economic Theory」)でその成果を報告している。A Revolution in Economic Theory: The Economic…