2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

政策の反実仮想評価:VARプラス手法

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Evaluating Policy Counterfactuals: A VAR-Plus Approach」で、著者はTomás E. Caravello(MIT)、Alisdair McKay(ミネアポリス連銀)、Christian K. Wolf(MIT)…

気候と紛争の経済学の新たな証拠

というNBER論文が上がっている。原題は「New Evidence on the Economics of Climate and Conflict」で、著者はMarshall Burke(スタンフォード大)、Joel Ferguson(同)、Solomon M. Hsiang(同)、Edward Miguel(UCバークレー)。 以下はその要旨。 We su…

超長期データを使った短期実質金利と期間スプレッドの再考

というNBER論文をケネス・ロゴフらが上げている。原題は「Rethinking Short-Term Real Interest Rates and Term Spreads Using Very Long-Run Data」で、著者は Kenneth S. Rogoff(ハーバード大)、Barbara Rossi(ICREA[ポンペウ・ファブラ大学カタルーニ…

取引コストのある最適動的資産配分:ヘッジ需要の役割

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Optimal Dynamic Asset Allocation with Transaction Costs: The Role of Hedging Demands」で、著者はPierre Collin-Dufresne(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)、…

選挙人投票、大統領支持率、消費者信頼感はどのように経済指標に反応するのか?

というNBER論文をロバート・ゴードンが上げている。原題は「How Do Electoral Votes, Presidential Approval, and Consumer Sentiment Respond to Economic Indicators?」で、著者はRobert J. Gordon(ノースウエスタン大)。 以下はその要旨。 This paper s…

物理学の新規性のある論文の生成とインパクト

というNBER論文が上がっている。原題は「Generation and Impact of Novel Articles in Physics」で、著者はJacques Mairesse(CREST-ENSAE*1)、Michele Pezzoni(コート・ダジュール大)、Frederique Sachwald(Observatoire des Sciences et Techniques, H…

裁定の統計的限界

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Statistical Limit of Arbitrage」で、著者はRui Da(インディアナ大)、Stefan Nagel(シカゴ大)、Dacheng Xiu(同)。 以下はその要旨。 We investigate the economic consequences of statistic…

マクロ経済危機の労働市場解剖学

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Labor Market Anatomy of a Macroeconomic Crisis」で、著者はKevin Donovan(イェール大)、Will Jianyu Lu(チリ銀行)、Joseph H. Pedtke(クレムソン大)、Todd …

求職、賃金、およびインフレ

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Job Search, Wages, and Inflation」で、著者はLaura Pilossoph(デューク大)、Jane M. Ryngaert(ノートルダム大)。 以下はその要旨。 How do inflation expectat…

第二次大戦終結時になぜ米国の失業率は上昇しなかったのか?

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人[藤田茂氏]のページ)。原題は「Why Didn't the U.S. Unemployment Rate Rise at the End of WWII?」で、著者はShigeru Fujita[藤田茂氏](フィラデルフィア連銀)、Valerie A. Ramey…

コロナ禍における労働市場の国際分析

というNBER論文が上がっている(この論文はNBERでダウンロード制限が掛かっていない*1)。原題は「Cross-Country Analysis of Labor Markets during the COVID-19 Pandemic」で、著者はRobert Breunig(オーストラリア国立大)、Wei Cheng(華東理工大)、La…

AIと作業することで裨益する人についての基礎:能力、考え、および調整

というNBER論文が上がっている(cf. タイラー・コーエンの紹介、ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「The ABC’s of Who Benefits from Working with AI: Ability, Beliefs, and Calibration」で、著者はAndrew Caplin(NYU)、 David J.…

経済的選好パラメータ推計のための動学的に最適化された逐次実験(DOSE)

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Dynamically Optimized Sequential Experimentation (DOSE) for Estimating Economic Preference Parameters」で、著者はJonathan Chapman(ボローニャ大)、Erik Sn…

人脈のあるベテラン対創造的な若手:ネットワークと新しい科学のアイディアの拡散

というNBER論文が上がっている。原題は「Old and Connected versus Young and Creative: Networks and the Diffusion of New Scientific Ideas」で、著者はWei Cheng(華東理工大)、Bruce A. Weinberg(オハイオ州立大)*1。 以下はその要旨。 The adoption…

クリーンな電力の経済的影響

というNBER論文が上がっている。原題は「The Economic Impacts of Clean Power」で、著者はCostas Arkolakis(イェール大)、Conor Walsh(コロンビア大)。 以下はその要旨。 In this paper we assess the economic impacts of moving to a renewable-domin…

人口動態による米選挙予測の陥穽

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Pitfalls of Demographic Forecasts of US Elections」で、著者はRichard Calvo(UCバークレー)、Vincent Pons(ハーバード大)、Jesse M. Shapiro(同)。 以下は…

繰り返し横断面に対する不均一な処置効果の柔軟な差の差推定量

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「A Flexible, Heterogeneous Treatment Effects Difference-in-Differences Estimator for Repeated Cross-Sections」で、著者はPartha Deb(ハンター大)、Edward C. Norton(ミシガン大)、Jeffrey M. …

オンラインビジネスモデル、デジタル広告、およびユーザーの厚生

前々回エントリで今回ノーベル経済学賞を受賞したアセモグルの共著NBER論文を紹介したが、同じタイミングでアセモグルはテーマがまったく違う別の表題の共著NBER論文を上げていた(ungated版)。原題は「Online Business Models, Digital Ads, and User Welf…

インフレの不確実性が家計の考えと行動に与える因果効果

というNBER論文をGorodnichenko=Coibionらが上げている(ungated版)。原題は「The Causal Effects of Inflation Uncertainty on Households' Beliefs and Actions」で、著者はDimitris Georgarakos(ECB)、Yuriy Gorodnichenko(UCバークレー)、Olivier …

専制主義下での誤解と民主主義への要求

というNBER論文をアセモグルらが上げている(ungated版)。原題は「Misperceptions and Demand for Democracy under Authoritarianism」で、著者はDaron Acemoglu(MIT)、Cevat Giray Aksoy(キングス・カレッジ・ロンドン)、Ceren Baysan(トロント大)、…

中銀の利益を優先することのインフレ的な帰結

というECB論文をMostly Economicsが紹介している。論文の原題は「The inflationary consequences of prioritising central bank profits」で、著者はStefan Gebauer、Sebastiaan Pool、Julian Schumacher。 以下はその要旨。 This paper examines the impact…

労働者はコロナ禍のリスクを過小評価しているのか? 賃金と死亡診断書のデータによる実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Do Workers Undervalue COVID-19 Risk? Evidence from Wages and Death Certificate Data」で、著者はCong T. Gian, Sumedha Gupta、Kosali I. Simon、Ryan Sullivan、Coady Wing(Sullivanは海軍大学院、他はインデ…

売買高アルファ

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「Trading Volume Alpha」で、著者はRuslan Goyenko(マギル大)、Bryan T. Kelly(イェール大)、Tobias J. Moskowitz(同)、Yinan Su(ジョンズホプキンズ大)、Chao Zhang(香港科技大)。 以下…

金融アドバイスと投資家の信念:アクティブ対パッシブ戦略についての実験的実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Financial Advice and Investor Beliefs: Experimental Evidence on Active vs. Passive Strategies」で、著者はAntoinette Schoar(MIT)、Yang Sun(ブランダイス大)。 以下はその要旨。 Using a randomized contr…

中国:専制政治2.0

というNBER論文が上がっている。原題は「China: Autocracy 2.0」で、著者はDavid Y. Yang(ハーバード大)*1。 以下はその要旨。 Autocracy 2.0, exemplified by modern China, is economically robust, technologically advanced, globally engaged, and co…

株式市場における通貨の中心性、為替相場、世界金融循環

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Currency Centrality in Equity Markets, Exchange Rates and Global Financial Cycles」で、著者はHélène Rey(ロンドン・ビジネス・スクール)、Vania Stavrakeva(同)、Jenny Tang(ボストン連銀)…

動的な電気料金の効率性

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「The Efficiency of Dynamic Electricity Prices」で、著者はAndrew J. Hinchberger(ノースウエスタン大)、Mark R. Jacobsen(UCサンディエゴ)、Christopher R. Kn…

エキゾチックなリスクの無いファイナンス

というNBER論文をシュライファーらが上げている(ungated版)*1。原題は「Finance Without Exotic Risk」で、著者はPedro Bordalo(オックスフォード大)、Nicola Gennaioli(ボッコーニ大)、Rafael La Porta(ブラウン大)、Andrei Shleifer(ハーバード大…

セオドア・ルーズベルト、1912年の選挙、連邦準備制度の創設

というNBER論文が上がっている。原題は「Theodore Roosevelt, the Election of 1912, and the Founding of the Federal Reserve」で、著者はMatthew S. Jaremski(ユタ州立大)、David C. Wheelock(セントルイス連銀)。 以下はその要旨。 The Federal Rese…

投資家の違いが新興国への金融政策の波及に影響するか?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Do Investor Differences Impact Monetary Policy Spillovers to Emerging Markets?」で、著者はEster Faia(フランクフルト大)、Karen K. Lewis(ペンシルベニア大)、Haonan Zhou(香港大)。 以下は…