と日本語にするとおさる改めモンキッキー改めおさるのネタのようだが、マンキューが先月の21日に「Why Y?」というエントリを書いている。
そこで彼は、なぜGDPを表すのにYという文字を使うのか、とある教授にメールで訊かれたが答えられなかった、というエピソードを披露し、知っている人がいたらメールで教えて、と答えを募集した。そして、得られた回答を3回に亘る追記で紹介している。
以下は、その追記で紹介された回答の内容と、各回答に対するマンキューの反応。
- 追記1
- 使用し始めたのは初期ケインジアン
- Yはy=f(x)のような従属変数の総称ではないか
- Iが投資を表すのに使われたためではないか
- マンキュー:確かにそうだが、Yを所得と生産に使う理由にはならない
- Yはyieldを表しているのではないか
- マンキュー:略語としては良いが、GDPをyieldと称するのをきちんとした文書で見たことがない
- 追記2*1
- Yが実質GDPの記号となっているのは、National IncomeのIncomeの略、というのは周知の話だと考えていた。Iが使用済みのため、音声的にも綴り的にもIに近いYが選ばれたのではないか(フランス語やスペイン語では「Greek i」として知られている)
- マンキュー:正しい答えかもしれないが、周知の話ではないことは確かだ。少なくとも受信した他の多くのメールを見る限り、マンキューブログの読者にとってはそうではない。
- 追記3
- あるハーバードの学生の調査結果:
見つかった最古の用例はカレツキ(1937)。IS-LMモデルを定式化した最初の一連の論文(ヒックス(1937)、ハロッド(1937)、ミード(1937))は皆、国民所得をIとあらわしていた(incomeの略)。一方、コブ=ダグラス(1928)はPと表していた(productionの略)。カレツキ(1937)より前の用例があったら知りたい。カレツキではY=f(I)という形(投資の関数としての所得)で登場していたので、y=f(x)に一票かも(ただ自分もそれが満足すべき説明だとは思わないが)。