2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

政治的暴力、リスク回避、および非局地的な感染拡大:米議事堂暴動の実証研究

何かイベントがあるとそのCOVID-19感染への影響をNBER論文に上げている研究者のグループ*1が、今度は1/6の議事堂占拠事件を取り上げた。以下はDhaval M. Dave(ベントレー大)、Drew McNichols(UCサンディエゴ)、Joseph J. Sabia(サンディエゴ州立大)に…

歪められた最低賃金の議論

タイラー・コーエンが要旨を紹介し、ノアピニオン氏が批判的に取り上げている(邦訳)David Neumark(UCアーバイン)とPeter Shirley(ウエストバージニア州議会)の論文「Myth or Measurement: What Does the New Minimum Wage Research Say about Minimum …

議会予算局による最低賃金の影響の推計

2/8に出されたCBOのレポートの概要について、NPR記事を引用する形でマンキューがブログにまとめている*1。 Raising the federal minimum wage to $15 an hour by 2025 would increase wages for at least 17 million people, but also put 1.4 million Ameri…

クルーグマンのバイデンプラン擁護論

前回、前々回エントリで紹介したサマーズのバイデンの財政支出への懸念について、クルーグマンがtwitterで反応している。 So is the Biden plan too big? We need to be clear about what it's for. IT'S NOT STIMULUS. This isn't at all like the ARRA, wh…

短期と中期、定性と定量、給付と公共投資

前回エントリで紹介したサマーズのバイデン財政支出への異議のポイントを端的にまとめると表題のようになるだろう。その点を最もよく表していると思われる箇所を引き続き2/7WaPo論説から引用してみる。 2. You have for years been alarmed about secular st…

サマーズ「私がバイデンプランによるインフレを懸念する理由」

サマーズがバイデン政権の1.9兆ドルの景気対策に懸念を表明したことが話題を呼んでいる。サマーズは2/5付けのWaPo論説で自分の考えを説明した後、2/7付けのWaPo論説でその論説に寄せられた5つの疑問への回答を提示した。そのうち最も論議の的となるであろう…

Whataboutismが有用な時

近年、Whataboutismという用語が人口に膾炙したが、誤用ないし濫用による弊害も目立ってきたように思われる。そこで、ここでは敢えて、WikipediaのWhataboutismの説明と、redditの哲学論のエントリから、Whataboutism擁護論を引用してみる。 Whataboutism - …