現代貨幣理論の解釈

日本のネット界隈では野口旭氏のニューズウィーク連載を始めとしてMMTに関する議論が続いているが、米国ではどうなっているのかとぐぐってみたところ、サンノゼ州立大のJeffrey Rogers HummelがMMTについて表題の4/1付けeconlib記事(原題は「Interpreting M…

公的債務についてより緩和的な姿勢を取ることへの批判が誤っている理由

ブランシャールとシタデルのÁngel Ubideが、ピーターソン国際経済研究所ブログの表題の7/15付けエントリ(原題は「Why Critics of a More Relaxed Attitude on Public Debt Are Wrong」)で、彼らが主張する財政赤字有用論に対する批判に反論している(H/T E…

犯罪や犯罪関連行動への中絶の影響

というNBER論文が上がっている。原題は「The Impact of Abortion on Crime and Crime-Related Behavior」で、著者はRandi Hjalmarsson(ヨーテボリ大)、Andreea Mitrut(同)、Cristian Pop-Eleches(コロンビア大)。またドノヒュー=レビットの研究関係の…

塵と死:西アフリカのハルマッタンについての実証結果

というNBER論文が上がっている(本文も公開されている)。原題は「Dust and Death: Evidence from the West African Harmattan」で、著者はAchyuta Adhvaryu(ミシガン大)、Prashant Bharadwaj(UCサンディエゴ)、James Fenske(ウォーリック大)、Anant N…

外貨準備の通貨構成、外貨準備の需要、および世界安全資産

というNBER論文が上がっている(4月時点のWP)。原題は「The Currency Composition of International Reserves, Demand for International Reserves, and Global Safe Assets」で、著者はJoshua Aizenman(南カリフォルニア大)、Yin-Wong Cheung(香港市立…

介護の費用と便益:人口の高齢化の総体的な負荷

というNBER論文をキドランドらが1月に上げている(昨年6月時点のWP)。原題は「The Costs and Benefits of Caring: Aggregate Burdens of an Aging Population」で、著者はFinn Kydland(UCサンタバーバラ)、Nick Pretnar(カーネギーメロン大)。 以下はそ…

大国開放経済におけるマクロプルーデンシャル政策としての資本規制

というNBER論文が3月に上がっている(ダラス連銀のWP)。原題は「Capital Controls as Macro-prudential Policy in a Large Open Economy」で、著者はJ. Scott Davis(ダラス連銀)、Michael B. Devereux(ブリティッシュコロンビア大)。 以下はその要旨。 …

最適インフレとフィリップス曲線の識別

2017年7月にBOE金融政策委員会(MPC)の外部委員になったSilvana Tenreyro・LSE教授*1が、5月に表題のNBER論文を上げている(ungated版、昨年7月のvoxeu記事)。原題は「Optimal Inflation and the Identification of the Phillips Curve」で、共著者はBOEの…

税、法人、および生産性

引き続きパススルーねた。ロバート・バローらが表題のNBER論文を1月に上げている(3月時点のWP)。原題は「Taxes, Incorporation, and Productivity」で、著者はRobert J. Barro(ハーバード大)、Brian Wheaton(同)。 以下はその要旨。 U.S. businesses c…

21世紀の資本家

ここで紹介したように、かつてブログでピケティ=サエズ論文について書いたことのあるOwen Zidarが、ピケティ本をもじったような表題の共著NBER論文を1月に上げている(直近のungated版)。原題は「Capitalists in the Twenty-First Century」で、著者はMatt…

中央値インフレの不思議でない振る舞い

インフレねたをもう一丁。ローレンス・ボールらが1月に表題のNBER論文を上げている(昨年10月25-26日のチリ中央銀行の年次コンファレンスでのWPおよびスライド資料)。原題は「The Nonpuzzling Behavior of Median Inflation」で、著者はLaurence M. Ball(…

インフレはすぐそこまで来ているのか? フィリップス曲線と世界のインフレ圧力

以前紹介した潜在GDPに関する論文のトリオが、表題のNBER論文を1月に上げている(著者の1人のサイトからungated版が読める)。原題は「Is Inflation Just Around the Corner? The Phillips Curve and Global Inflationary Pressures」で、著者はOlivier Coib…

商品貨幣から不換紙幣、そして今や仮想通貨へ:歴史の教訓は?

アイケングリーンの1月のNBER論文をもう一丁。以下は表題のNBER論文(原題は「From Commodity to Fiat and Now to Crypto: What Does History Tell Us?」)の要旨。 Over time, there has been a tendency for political jurisdictions and residents to con…

歴史的に見た公的債務

5日に公的債務に関するブランシャールの1月のAEA会長講演を紹介したが、アイケングリーンらが「Public Debt Through the Ages」というNBER論文を1月に書いている。著者はBarry Eichengreen(UCバークレー)、Asmaa El-Ganainy(IMF)、Rui Pedro Esteves(国…

民間貨幣の規制

といううNBER論文が上がっている。原題は「The Regulation of Private Money」で、著者はGary B. Gorton(イェール大)。 以下はその要旨。 Financial crises are bank runs. At root the problem is short-term debt (private money), which while an essen…

自動化と新たな仕事:技術は如何に労働を置換かつ再導入するか

昨日に続き、アセモグルとPascual Restrepoのコンビが3月に上げた自動化に関するNBER論文を紹介する。以下は、表題のNBER論文(原題は「Automation and New Tasks: How Technology Displaces and Reinstates Labor」、ungated版)の要旨。 We present a fram…

正しくない種類のAI? 人工知能と労働需要の将来

AIや自動化に関するNBER論文を何本も上げてきたアセモグルとPascual Restrepoのコンビ(cf. ここ、ここ、ここ、ここ)が、3月にまたそのテーマのNBER論文を2本上げている。以下はそのうちの一本である表題の論文(原題は「The Wrong Kind of AI? Artificial …

公的債務と低金利

今さらではあるが、オリビエ・ブランシャールの年初の表題のAEA会長講演(原題は「Public Debt and Low Interest Rates」)が2月にNBER論文として上がっているので、その要旨を紹介する(cf. ピーターソン国際経済研究所のAEAのビデオやpdfへのリンク)。 Th…

イノベーションと失業の間の空間的なミスマッチ

というNBER論文をエドワード・グレイザーらが上げている(同じNBERサイトのungated版[H/T GrowthPolicy.orgというハーバード大の研究のウオッチサイト])。原題は「The Spatial Mismatch Between Innovation and Joblessness」で、著者はEdward L. Glaeser…

ギリシャ恐慌のマクロ経済学

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Macroeconomics of the Greek Depression」で、著者はGabriel Chodorow-Reich(ハーバード大)、Loukas Karabarbounis(ミネソタ大)、Rohan Kekre(シカゴ大)。 以下はその要旨。 The Greek econo…

生産性の集計に関する短いメモ

引き続き総生産性に関する3月のNBER論文の紹介。表題のNBER論文(原題は「A Short Note on Aggregating Productivity」)をDavid Rezza Baqaee(UCLA)とEmmanuel Farhi(ハーバード大)のコンビ(cf. ここ)が書いている(ungated版)。 以下はその要旨。 T…

環大西洋の生産性成長率鈍化の産業構造

というNBER論文を3月にロバート・ゴードンらが書いている。原題は「The Industry Anatomy of the Transatlantic Productivity Growth Slowdown」で、著者はRobert J. Gordon(ノースウエスタン大)、Hassan Sayed(同)。 以下はその要旨。 By merging KLEMS…

民間貨幣と公的貨幣の等価性について

というNBER論文をブルナーメイヤーらが書いている(ungated版)。原題は「On the Equivalence of Private and Public Money」で、著者はMarkus K. Brunnermeier(プリンストン大)、Dirk Niepeltz(Study Center Gerzensee)。 以下はその要旨。 We develop …

仮想通貨の共通リスクファクター

昨夏に「仮想通貨のリスクとリターン」というNBER論文を紹介したが、同じ著者(+1名)が、表題のNBER論文で仮想通貨版の3ファクターモデルを提示している。(4月時点のWP)。論文の原題は「Common Risk Factors in Cryptocurrency」で、著者はYukun Liu(イ…

起業不足の人口動態的要因

というNBER論文が上がっている(ungated版、cf. 昨夏のunrepresentative agentさんの紹介)。原題は「Demographic Origins of the Startup Deficit」で、著者はFatih Karahan(NY連銀)、Benjamin Pugsley(ノートルダム大)、Ayşegül Şahin(テキサス大オー…

子供の高等教育に両親の離婚が及ぼす影響の仕組みの理解

というNBER論文が上がっている。原題は「Understanding the Mechanisms of Parental Divorce Effects on Child's Higher Education」で、著者はYen-Chien Chen(国立曁南国際大学)、Elliott Fan(国立台湾大学)、 Jin-Tan Liu(同)。 以下はその要旨。 In…

原因は電話だよ、馬鹿者:携帯と殺人

恰も22日に紹介したドノヒュー=レビットに反駁するかのような表題のNBER論文が上がっている。原題は「It's the Phone, Stupid: Mobiles and Murder」で、著者はLena Edlund(コロンビア大)、Cecilia Machado(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団)。 以下はその…

頻繁な取引は貴兄にとって良いことかも

「Rationalizing Trading Frequency and Returns: Maybe Trading is Good for You」というNBER論文が上がっている。著者はYosef Bonaparte(コロラド大学デンバー校)、Russell Cooper(欧州大学院)、Mengli Sha(ペンシルベニア大)。タイトルは Brad Barb…

エチオピアで若者に工場勤めや起業を促す政策が上手く機能しなかった件

「Impacts of industrial and entrepreneurial jobs on youth: 5-year experimental evidence on factory job offers and cash grants in Ethiopia」というNBER論文が上がっている(ungated版)。著者はChristopher Blattman(シカゴ大)、Stefan Dercon(オ…

信念が希薄な場合のマクロ経済の不確実性の価格

以前、ハンセンとサージェントの投資家とモデルの不確実性に関するNBER論文を紹介したことがあったが、2人がまた表題のNBER論文(原題は「Macroeconomic Uncertainty Prices when Beliefs are Tenuous」)を書いている(ungated版)。以下はその要旨。 A rep…