というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Within-Firm Pay Inequality and Productivity」で、著者はMelanie Wallskog(デューク大)、Nicholas Bloom(スタンフォード大)、Scott W. Ohlmacher(FRB)、Cristina Tello-Trillo(米センサス局)。
以下はその要旨。
Combining confidential Census worker and firm data, we find three key results. First, employees at more productive firms earn higher pay at all earnings levels. Second, this pay-productivity relationship strengthens with seniority, doubling from an elasticity of 0.07 for pay on productivity for the median-paid employee to 0.15 for the top-paid employee. Consequently, more productive firms have higher within-firm inequality. Our data suggests this is driven by their greater adoption of aggressive performance-pay bonus and management schemes. Finally, the magnitude of this pay-performance slope suggests rising productivity can explain 40% of the rise in within-firm inequality since 1980.
(拙訳)
センサスの労働者と企業の秘匿データを組み合わせて我々は、3つの主要な結果を見い出した。第一に、より生産的な企業の従業員は、すべての所得水準において、より高い給与を得る。第二に、この給与と生産性の関連は序列とともに強くなり、生産性に対する給与の弾力性は、平均的な給与の従業員における0.07から、最高水準の給与の従業員では0.15に倍増する。従って、より生産的な企業は、社内格差がより大きい。我々のデータが示すところによれば、そうした企業では、成績に基づくボーナス給与とマネージメントの積極的なスキームをより多く取り入れることがその要因になっている。最後に、この給与とパフォーマンスの傾斜の大きさが示すところによれば、生産性の上昇が1980年以降の社内格差拡大の40%を説明できる。
以下は給与水準による弾力性の変化を示した図。
ungated版へのリンクがある著者の一人のページでは、以前のバージョンの論文として2021年のNBER論文とCenter for Economic Studies(CES)ワーキングペーパーにリンクしているほか、2021年のハーバードロースクールと2019年のハーバードビジネスレビューの著者たちによる研究紹介記事にもリンクしている。