というNBER論文が上がっている。原題は「Bank Failures and Economic Activity: Evidence from the Progressive Era」で、著者はGary Richardson(UCアーバイン)、Marco Del Angel(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校)、Michael Gou(Tickr, Inc.)。
以下はその要旨。
During the Progressive Era (1900-29), economic growth was rapid but volatile. Boom and busts witnessed the formation and failure of tens of thousands of firms and thousands of banks. This essay uses new data and methods to identify causal links between failures of banks and bankruptcies of firms. Our analysis indicates that bank failures triggered bankruptcies of firms that depended upon banks for ongoing access to commercial credit. Firms that did not depend upon banks for credit did not fail in appreciably larger numbers after banks failed or during financial panics.
(拙訳)
進歩主義時代*1(1900-29)、経済成長率は高かったが変動も大きかった。好不況において何万という会社と何千という銀行が創業し、破綻した。本エッセイでは、新たなデータと、銀行の破綻と企業の破産との間の因果関係を識別する手法を用いた。我々の分析が示すところによれば、銀行破綻は、商業信用へのアクセスの継続を銀行に依存していた企業の破産のきっかけとなった。信用を銀行に依存していなかった企業は、銀行破綻後、もしくは金融危機において、破産しなかった数が目立って多かった。
著者の一人のHPによると、共著者のうちの2人が書いた別の論文がJournal of Financial Economicsに掲載されている。そちらはこの論文と同じく進歩主義時代の銀行の破綻ないし再編を扱っているが、規制当局の政治からの独立性に焦点を当てている。
*1:cf. 革新主義時代 - Wikipedia。