Francis Dieboldが20年ほど前にベイズ主義の代表的な計量経済学者と意見交換をしていた時、その学者が突然以下のようなことを言ってDieboldを驚かせたという。
There must be something about Bayesian analysis that stifles creativity. It seems that frequentists invent all the great stuff, and Bayesians just trail behind, telling them how to do it right.
(拙訳)
ベイズ分析には創造性を窒息させてしまう何かがあるに違いない。素晴らしいものはすべて頻度主義者が発明しており、ベイズ主義者はそれを後から追っ掛けて、正しく実行する方法を彼らに伝えているだけのように思われる。
このテーマについて、クリス・シムズは以下のように述べたという。
... frequentists are in the habit of inventing easily computed, intuitively appealing estimators and then deriving their properties without insisting that the method whose properties they derive is optimal. ... Bayesians are more likely to go from model to optimal inference, [but] they don't have to, and [they] ought to work more on Bayesian analysis of methods based on conveniently calculated statistics.
(拙訳)
・・・頻度主義者は、簡単に計算できて直観に訴える推定量を発明する習慣がある。それから彼らはその推定量の特性を導出するが、その際に、自分たちがその特性を導出した手法が最適だという主張はしない。・・・ベイズ主義者はモデルから最適推定をする傾向にある。[だが、]彼らは別にそうしなくてはいけないわけではない。[彼らは、]手軽に計算された統計量に基づく手法のベイズ分析をもっとすべきなのだ。