経済政策担当者がホラー映画から学べること

という記事がハロウィンに事寄せて10/28にWSJブログに上がった(原題は「What Horror Movies Can Teach Economic Policy Makers」;Mostly Economics経由)。書いたのはWSJ記者ではなく、駐米英国大使館のチーフエコノミストPeter Matheson(同大使館の公式ツイッターアカウントでもこの記事のことがつぶやかれている)。


Mathesonによると、学ぶべき点は4点あるという。

  1. ホラー映画の最初の30分は何も起きない。恐怖はその後にやってくる。経済危機が起こる前も同様。政策当局は、退屈な時期にこそ目を光らせていなくてはならない。
  2. ホラー映画では、快楽に溺れるパーティー好きの10代が最初に殺されるというのが定番。分別のある人間が生き残る可能性が高い。同様に、分別のある経済政策を追求していた国の方が経済危機に上手く対処できる。
  3. ブギーマンは通常の武器ではまず阻止できない。創意工夫に富んだ防御を何度か繰り返して初めて阻止することができる。同様に、政策当局も政策ツールについては創造的発想をすべき。使える政策をすべて使いこなして初めて最善の結果を得ることができる。
  4. ホラー映画では、冒頭の何も起きない時間帯が安全を意味しないのと同じく、エンディングも話の終わりではまず無い。ホラー映画の続編の数は映画中の死体の数よりも多い。経済史を見れば、経済危機も同様であることが分かる。サイコパスの殺人鬼に対するのと同じく、経済においては油断は禁物。


Mostly EconomicsのAmol Agrawalは、インドのホラー映画は質が低いので、インド人の読者にはこの記事はいまいちピンとこないだろうが、同工異曲の映画が多いので危機が繰り返されるという最後の点は当てはまる、と自国映画界に対して毒を吐いている。それに対しあるコメンターは、ホラー映画製作者が経済学から学べるのかも、とコメントしている。