2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

米関税の短期的な価格への影響の追跡

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Tracking the Short-Run Price Impact of U.S. Tariffs」で、著者はAlberto Cavallo(ハーバード大)、Paola Llamas(ノースウエスタン大)、Franco M. Vazquez(サン・アンドレス大)。 以下はその要旨…

ケンジかケネスか? 真珠湾と日系米国人の同化

11/25エントリ「日本人街の閉鎖:第二次大戦中の強制収容が日系米国人の居住地にもたらした影響 - himaginary’s diary」で紹介した論文の著者の一人(Martin Saavedra)のページに、表題(原題は「Kenji or Kenneth? Pearl Harbor and Japanese-American ass…

為替派生市場における取引関係の価値:クレディスイス破綻についての実証結果

というBOE論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The value of trading relationships in FX derivatives: evidence from Credit Suisse's collapse」で、著者はGerardo Ferrara(BOE)、Helene Hall(ハーバード大)。 以下はその要旨。 Using gra…

有言実行? 緑の党の政治家と公害のパターン

というECB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Walking the talk? Green politicians and pollution patterns」で、著者はMichael Koetter(ハレ経済研究所)、Alexander Popov(ECB)。 以下はその要旨。 Exploiting three decades of detailed …

日本人街の閉鎖:第二次大戦中の強制収容が日系米国人の居住地にもたらした影響

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Shutting Down Japantown: The Effects of WWII Internment on Japanese American Enclaves」で、著者はMartin H. Saavedra(ラトガース大)、Tate Twinam(ウィリア…

組み合わせデータでの線形回帰

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Linear Regressions with Combined Data」で、著者はXavier D'Haultfoeuille(CREST-INSEE)、Christophe Gaillac(ジュネーヴ大)、Arnaud Maurel(デューク大)。 以下はその結論部。 We study regres…

パリティの破れ:均衡為替相場と通貨プレミアム

というNBER論文をピエール=オリヴィエ・グランシャIMF経済顧問兼調査局長とItskhokiらが上げている(ungated版)。原題は「Breaking Parity: Equilibrium Exchange Rates and Currency Premia」で、著者はMai C. Dao(IMF)、Pierre-Olivier Gourinchas(同…

資産供給と資産需要との競争

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「The Race Between Asset Supply and Asset Demand」で、著者はAdrien Auclert(スタンフォード大)、Hannes Malmberg(ミネソタ大)、Matthew Rognlie(ノースウエスタン大)、Ludwig Straub(ハーバー…

台湾情勢の今後

としてどんなシナリオがあるか素人なりに考えてみた。 台湾で国民党政権が成立し、中国との平和的な統一を望み、それが実現する 中国が武力による台湾統一に乗り出し、成功する 中国が台湾統一に乗り出せず、台湾も現状維持を望み、現在の状況が続く 中国が…

我々の過小評価されている国際的な外貨準備システム

というNBER論文をアイケングリーンらが上げている。原題は「Our Underappreciated International Reserve System」で、著者はSerkan Arslanalp(IMF)、Barry J. Eichengreen(UCバークレー)、Chima Simpson-Bell(IMF)。 以下はその要旨。 We document so…

ブレグジットから4年後のEU・英国間の貿易と投資の調査

というECB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Exploring EU-UK trade and investment four years after Brexit」で、著者はFilippo Vergara Caffarelli(イタリア銀行)、Ana M. de Almeida(ポルトガル銀行)、Horatiu Lovin(ルーマニア国立銀…

高市発言の費用便益分析

高市発言に伴う中国からのインバウンドの損失が1.79兆円になるという試算が公表された(【訂正】中国政府の日本への渡航自粛要請で日本の経済損失は1.79兆円、GDPを0.29%押し下げ | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI))。試…

財政ルールと財政委員会:最近の傾向とコロナ禍以降の見直し

というIMF論文が上がっている(H/T 嶋津洋樹氏ツイート)。原題は「Fiscal Rules and Fiscal Councils: Recent Trends and Revisions since the Pandemic」で、著者はVirginia Alonso-Albarran、Clara Arroyo、Ozlem Aydin、Hamid R Davoodi、Waikei Raphael…

高市発言とIIA

今日は高市発言を巡る騒動に関する考察。あくまでも素人考えなのでその点は割り引いて読まれたい。台湾有事に関する高市発言を巡るネットの動向を見ていると、恰も高市首相が日本単独で台湾有事に介入することを主張したかのように中国側が印象付けようとし…

当時と今:連邦予算の振り返りと見通し

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Then and Now: A Look Back and Ahead at the Federal Budget」で、著者はAlan J. Auerbach(UCバークレー)、William Gale(ブルッキングス研究所)。 以下はその要旨。 It is well-understood that th…

ブレグジットの経済的影響

というNBER論文が上がっている。原題は「The Economic Impact of Brexit」で、著者はNicholas Bloom(スタンフォード大)、Philip Bunn(BOE)、Paul Mizen(キングス・カレッジ・ロンドン)、Pawel Smietanka(ドイツ連邦銀行)、Gregory Thwaites(ノッテ…

なぜ民主主義が広がると市場はパニックを起こすのか?:マックス・ミラーとのインタビュー

というハーバード・ビジネススクールの記事(原題は「Why Markets Panic When Democracy Spreads: Interview with Max Miller」)をMostly Economicsが紹介している。以下は冒頭部の孫引き。 Democracy comes with many well-known economic benefits. Free …

ドルと国債の特権のデカップリング

という論文が上がっている(タイラー・コーエン経由のこちらのツイート経由*1)。原題は「Decoupling Dollar and Treasury Privilege」で、著者はWenxin Du(ハーバード大)、Ritt Keerati(FRB)、Jesse Schreger(コロンビア大)。 以下はその要旨。 We do…

楽観主義は例外的な長寿と相関する

という主旨の6年前のPNAS論文にタイラー・コーエンがリンクしている。論文のタイトルは「Optimism is associated with exceptional longevity in 2 epidemiologic cohorts of men and women」で、著者はLewina O. Lee(National Center for PTSD*1)、Peter …

東京の鉄道システムの集中化効果

というJob Market論文にタイラー・コーエンがリンクしている。原題は「The Centralizing Effects of Tokyo’s Train System」で、著者はMark Bamba(プリンストン大)。 以下はその要旨。 We study how the spatial placement of rail infrastructure shapes …

新技術の労働市場への影響

前々回エントリでリンクしたタイラー・コーエンは、表題のTianyu FanのJob Market論文(原題は「The Labor Market Incidence of New Technologies」)を「it actually has a new and significant idea」と称賛している。 以下はその要旨。 This paper develo…

インド流の成長――サービス主導成長の不平等な影響

前回エントリでリンクしたタイラー・コーエンは、Tianyu Fanの2023年にEconometricaに掲載された表題の共著論文にもリンクしている。原題は「Growing Like India—the Unequal Effects of Service-Led Growth」で、著者はTianyu Fan、Michael Peters*1、Fabri…

1960-2019年の経済成長の地政学的な決定要因

という論文をタイラー・コーエンが紹介している。原題は「The Geopolitical Determinants of Economic Growth,1960–2019」で、著者は Tianyu Fan(イェール大PhD候補)。 以下はその結論部。 This paper establishes geopolitical relations as a first-orde…

大金融危機以降の産業政策

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Industrial Policy Since the Great Financial Crisis」で、著者はSimon Evenett、Adam Jakubik、Jaden Kim、Fernando Martín、Samuel Pienknagura、Michele Ruta、Sandra Baquie、Yueling Huang、R…

逆ラムゼー税規則

というNBER論文が上がっている(4月時点のWP)。原題は「An Inverse-Ramsey Tax Rule」で、著者はLuca Micheletto(ミラノ大)、Dylan T. Moore(ハワイ大)、Daniel Reck(メリーランド大)、Joel Slemrod(ミシガン大)。 以下はその要旨。 Traditional op…

これまでおよび今後20年間の国際金融システム再訪

というNBER論文をアイケングリーンらが上げている(H/T Mostly Economics)。原題は「The International Monetary System in the Last and Next 20 Years Redux」で、著者はBarry Eichengreen(UCバークレー)、Raul Razo-Garcia(カールトン大)。 以下はそ…

緊縮の閾値

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「The Austerity Threshold」で、著者はVadim Elenev(ジョンズホプキンス大)、Tim Landvoigt(ペンシルベニア大)、Stijn Van Nieuwerburgh(コロンビア大)。 以下はその要旨。 We introduce a n…

指数化された計算貨幣:理論および歴史的経験の評価

というのが前回エントリで紹介したコラムでリンクされていたロバート・シラー(Robert J. Shiller、イェール大)の1998年のNBER論文*1のタイトル(原題は「Indexed Units of Account: Theory and Assessment of Historical Experience」)である。 以下はそ…

貨幣はどうなるのか?:7つの重要な質問

ECB銀行のLivio Stracca*1が、以下の近著で提示した現在の金融経済における考察から7つをピックアップして表題のVoxEUコラム(原題は「What money will become: Seven key questions」)で提示している(H/T Mostly Economics)。Redefining the Monetary St…