少し前に以下のツイートが話題になったが、
1998/11のバローのビジネスウィーク記事や大竹文雄氏の小論*1に示されている通り、この話の元ネタはテキサス大学のDaniel Hamermeshらの研究である。そのHamermeshが、「The Daily Show with Jon Stewart」でコケにされている(H/T Stephen Williamsonのブログエントリのコメント*2)。
以下は、その番組の各シーンのやり取りを小生が勝手に要約してみたもの。
- 記者
- 醜いことが収入等の面で不利になることが分かったのは、ご自身が醜いからですね。
- Hamermesh
- いいえ、このことを深く研究した経済学者だからです。
- 記者
- あなたはご自身を客観的な数字という尺度ではどのように評価されていますか。
- Hamermesh
- 3ですね。
- 記者
- なるほど、10段階の3ですね。
- Hamermesh
- いいえ、5段階の3です。
- 記者
- え、5段階の3ですか!?
- 記者
- グーグルのオフィスに行かれたことはありますか?
- Hamermesh
- いいえ。
- 記者
- あそこはスターウォーズのモス・アイズリーの酒場みたいですよ。
- Hamermesh
- 彼らも容貌がもっと良ければもっと収入が高いでしょう。
- 記者
- 彼らはグーグルで働いているのですよ!?
実際に記者がマイノリティ(アフリカ系米国人、ネイティブ米国人、女性、ゲイ/レズビアン、障害者)の各団体の代表を前に、マイノリティと同様に醜い人々に対し優遇措置を施すべし、というHamermeshの提案を説明する:
- Hamermesh
- 研究のためには容貌を定量化しなくてはなりません。私はキャンパスを行き交う人の容貌を格付けするようになりました。
- 記者
- なるほど、気味悪いとはまったくいえない行為ですね。
この後、記者はHamermeshと共に実際にキャンパスで道行く女子大生を格付けをする。Hamermeshの方が記者よりも常に厳しい評価。
- 記者
- 私は駄目人間と言われています。そのせいでABCにも行けません。やはり優遇措置を受けるべきではないでしょうか?
- Hamermesh
- それは直す余地があるでしょう。
- 記者
- うちのプロデューサーはそう考えていません。
この番組を見たWilliamsonは以下のように評している。
Actually, in this case I think he deserves the ridicule. It's certainly useful to point out that appearance matters, and to quantify the effects, but he jumps from the research to the policy conclusion that ugly people need protection under the disabilities act. Try to implement that.
(拙訳)
実際のところ、この件については彼はコケにされて当然だと思う。外見が重要だということを指摘し、それを定量化することは有用だが、彼はその研究から、障害者法に基づいて醜い人々を保護すべし、という政策上の結論に飛躍している。それを実際に導入しようとしたらどうなることか。