3年ほど前にブルームバーグがFRBを訴えたという話を紹介したが、今年の3月にブルームバーグの勝訴に終わっていたようだ。その結果入手した資料を元に書かれた昨日付の表題の分析記事(原題は「Secret Fed Loans Gave Banks $13 Billion」)が話題を集めており、クルーグマンやケビン・ドラムもマット・イグレシアス*1経由で取り上げている。
イグレシアスは、当時の状況を考えれば銀行に多額の資金を融資したことは最後の貸し手たる中央銀行として当然だった、としながらも、バジョット・ルールに従ってペナルティ的な高金利を課すべきだったのにそうしなかったのは疑問、としている。ただ、流動性の問題と債務不履行の問題が容易に峻別できず、国有化という手段も速やかに取れそうにない状況であったことに鑑みると、次善の策として低金利で融資したのはやむを得ない、という擁護論は成り立つかも、とも書いている。その上で、本当に問題だったのは、銀行をこのように救済しておきながら、その他の一般国民に対しては同様の積極策を採ろうとしなかったことにある、とFRBを非難している。このイグレシアスの論旨にはクルーグマンもドラムも賛意を表している。
ちなみに、記事のタイトルにある「130億ドルの利益」であるが、こちらのコメントやこのTIME記事で指摘されているように、あくまでもブルームバーグが試算した数字である。即ち、7.77兆ドルという融資額*2に、純利子差益を乗じて計算したとの由。