サマーズがロボットと技術の問題に決着を付けた?

マイク・コンツァルが、機械化と労働の問題を扱ったハミルトン・プロジェクトのセミナー取り上げた中で、サマーズの以下のような見解を紹介した。

  • 技術の普及は、それが労働者を補完するにせよ、あるいは代替するにせよ、生産性の上昇を伴うはず。然るに、過去数年間に技術が大いに普及した一方で、過去十年以上に亘って生産性は停滞してきた。
  • 技術がラグを以って将来に問題を引き起こす、というなら話は分かる。しかし、今日の大きな格差と雇用喪失を既に引き起こした、と言うのはそれと矛盾している。
    • 例えば先端技術によってレジの人が不要になる、と主張するのは結構だが、その新たなシステムが稼働する前にレジの人がいなくなることは無い。システムの入れ替えの前にはむしろその作業のための雇用ブームが起きるはず。


コメント欄では、このサマーズの見解について以下のような反論がなされている。

  1. 技術による雇用喪失は、景気循環、信用循環、制度変更などのマクロ事象が失業を引き起こさないことを意味しない。
  2. また、財政政策が雇用に全く影響しないこと、再分配が無意味であること、あるいはタイラー・コーエンが常に正しいことも意味しない。
  3. それはまた、米国の労働者にとっての解決策が教育であることも意味しない。教育の改善はせいぜい一時凌ぎに過ぎないという意見に全面的に賛成。
  • 加えて、生産性の上昇は、サマーズが証明したいと思っていることを証明するには、あまりにも需要の成長と結びついている。


コンツァルが、機械によって雇用が喪失したという議論は今回のサマーズや他の論者によって葬られた、とはしゃぎ気味にエントリを書いているのに対し、このコメンターは、いつもは慎重に考えて書く貴兄が今日はどうしたことだ、と窘めている。