魔笛を吹いているのは誰?

昨日に続き今日も小ネタ。


8/27の日経の大機小機コラムがツイッター界の一部で話題になった*1

本日の大機小機ですか。 @isologue 「誰かの負債は誰かの資産」なのは確かだが、「だから無問題」なんてのはナンセンス。(国はさておき)その論理だと企業も倒産しないはずなんであります。
6:08 PM Aug 27th webから

http://twitter.com/hongokucho/status/22252202748

最近はどうなんだろう RT @hongokucho 記者(というか編集委員)も一部交じっている、と推測。 @yoshimiyata 「大機小機」を「記者が書いているコラム」だと思い込んでいる方が結構いらっしゃるような。まぁ「違うんですか」と私に聞かれても困るんですけど。
約20時間前 webから

http://twitter.com/yotastory/status/22293886784

記者が書いたのは何となく分かりますね。まとめ方が新聞解説っぽいので。 @yotastory
約9時間前 webから

http://twitter.com/hongokucho/status/22334140206

確かにひどい。日本語として意味をなしていない。 RT @M_Igashi: 日経の「大機小機」というコラムを書いている「魔笛」という学のない匿名の記者は、そろそろ問題になってもいい頃だと思う。今日のやつは特にひどい。
9:31 PM Aug 27th Echofonから

http://twitter.com/ikedanob/status/22262750534

大機小機「外国人の日本国債保有高が増える分、日本人の外国資産保有高も増えている。外国に国債の利払いをすると同時に、外国から収益を受け取る」。日経の記者って頭がおかしいんじゃないの。 http://ow.ly/2vL4Z
11:56 PM Aug 27th HootSuiteから

http://twitter.com/ikedanob/status/22273461529


筆者の「魔笛」氏については、上記のツイートでは日経の記者と推定されているが、小生は、これを最初に読んだ時、内容と文体からして多分あの人だろうな、と思った。


試しに「大機小機 魔笛」でぐぐってみると、川北英隆氏のブログエントリが引っ掛かった。そこでは以下のような記述が見られる。

増税をして日本財政の再建をすべきかどうか議論が活発化しているようだ。財政の大幅な赤字とギリシャ危機が論議を活発化させたのだろう。しかし、増税賛成派の論議に関して疑問というか不思議がある。その好例が5/27の日経・大機小機(魔笛氏)である*2
このコラムは、増税が消費を盛り上げるので、増税すべきだとの主張を展開している。不思議だったのは、何のための増税なのか、明示的に書かれていないことである。
一般には、政府財政が大赤字だから歳出をカットすることも必要だが、その効果には限度がある、だから歳入を増やさないことにはどうしようもないとされる。つまり、増税は不可避ということだ。それなのに、コラムでは「政府が増税した分を消費するし、さらには雇用を創出するから、結果として消費が盛り上がる」と主張しているようだ。

増税で消費活発化ということを自分の主張として書く、というのはやはりあの人しかいないと思うのだが…。


また、上記の池田信夫氏のツイートで批判されている外国人の日本国債保有に関する記述であるが、手持ちの下記の著書でほぼ同様の主張があるのを見つけた(pp.86-87)。

景気と経済政策 (岩波新書)

景気と経済政策 (岩波新書)

ということで、小生の最初に読んだ時の勘が当たっているような気がするのだが、いかがだろうか。


あるいはひょっとすると、上記のツイートを書いた人たちも魔笛氏があの人だと推定した上で、本人の反論を炙り出すためにわざと日経の記者の書いたものとして批判しているのかもしれない…というのは少々穿ちすぎか。

*1:原文はこちらで読める。

*2:こちらの原文はここで読める(ただしここでは5/28付けと記載されている。一方、このブログでは川北氏と同じく5/27付けと記述されている)。