2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

経済学:私的概論/(4)名目賃金の下方硬直性

<主な流れ(4)> ●ケインズ革命(John Maynard Keynes)−(3)名目賃金の下方硬直性 ○供給曲線の導出 供給・・・労働力より決定(Y=f (N)) ND:W/P = f ’(N) 労働需要は実質賃金により決定 (均衡:労働コスト=限界効用) =古典派の第一公準NS’:労働…

経済学:私的概論/(3)IS-LM曲線

<主な流れ(3)> ●ケインズ革命(John Maynard Keynes)−(2)IS-LM曲線 ○貨幣保有動機を3分類 取引動機 予備的動機・・・所得に比例 投機的動機・・・利子率で決定 ○IS-LM曲線 =ヒックス等が提唱したケインズ理論の金利(r,i)と生産Yの関係を分析する概…

経済学:私的概論/(2)乗数効果

<主な流れ(2)> ●ケインズ革命(John Maynard Keynes)−(1)乗数効果 “The General Theory of Employment, Interest and Money”(1936) 供給ではなく需要(“有効需要”)が生産の決定要因。 「事前」において、需要が供給に一致するとは限らない。 「事…

経済学:私的概論/(1)古典派

以前友人との勉強会で自分なりに経済学を概説したことがあったので、今日からはその資料をアップしていく。 <主な流れ(1)> ●古典派 需要と供給が一致するように“神の見えざる手”が働く。 価格がその媒介。 瞬時に均衡、ないし均衡にかかる時間はそれほ…

ドーマー条件、NPG条件、Bohn条件

先週は2011年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという政府目標が達成できそうになくなったというニュースが話題になった。プライマリーバランスと財政の維持可能性の関係についてはBohn条件が有名だが、以前、そのBohn条件について簡単…

日本経済の「流動性の罠」模式図

ここ数日、リフレ政策や構造改革に絡む論争がブログ界隈で軽く再燃の兆しがあるようだ。 http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20080722/1216698844 http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20080725/1216939939 http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080722/p1 http://d.…

地域通貨と一般理論

昨日のエントリでは「金融政策論議の争点―日銀批判とその反論」の書評を載せたが、その原稿は当初以下の一節を含んでいた(字数の関係で最終稿では泣く泣くカットした)。 なお、深尾氏は、実質金利を下げる最終手段として、現預金への課税(=事実上のマイ…

書評・金融政策論議の争点―日銀批判とその反論

7/20エントリでは、7/7エントリで紹介した本の書評の書きかけを載せた。それは某所に載せることを意識したものだったが、最終的にはそちらには以下の本の書評を出稿した。金融政策論議の争点―日銀批判とその反論作者: 小宮隆太郎,日本経済研究センター出版社…

動学的効率性

今日は以前友人に動学的効率性を解説した資料をアップしてみる。========================== yを一人当たりGDP、kを一人当たり資本とし、 y = f(k) で表されるものとする。 f '(k)>0(資本をより投入すれば生産は増える) だが、…

厚生省は計算間違いをしたのか?

野口悠紀雄氏は、年金制度への熱心な批判者である。同制度への批判者は数多いるが、氏の批判におけるユニークな指摘として、厚生省が計算間違いをしたという主張が挙げられる。その主張については、WEBではたとえばここやここで読むことができる。 批判のポ…

加藤紘一氏と住専

2週間前、加藤紘一氏が、拉致被害者をいったん北朝鮮に戻すべきだった、という発言をして物議を醸した。 その中で意外だったのが、池田信夫氏の反応。加藤氏の今回の発言、ならびに八代尚宏への批判に反発したのは当然だが、それまでは逆に加藤氏を評価して…

econ-economeさんブログ休止

econ-economeさんのブログが休止したとのこと(少し前まではアクセスするとプライベートモードに移行した旨のメッセージが返ってきたが、今はURLが無いというメッセージが返ってくる)。 本ブログはそもそもecon-economeさんエントリへの反論という形で開始…

マクロ経済学はどこまで進んだか/まとめ

昨日まで7/7エントリで紹介した本のまとめを一日一人ずつアップしてみた(ゲリラ一号さんにTBを頂いた。多謝)。 このまとめは以前に行なったものだったが、それぞれの経済学者の意見をまとめてみる、というよりは、それぞれの経済学者にぶつけられた共通の…

マクロ経済学はどこまで進んだか/Mark Blaug

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。今日で最終回。 Mark Blaug(1927-) 方法論、経済史

マクロ経済学はどこまで進んだか/Paul M. Romer

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 Paul M. Romer(1955-) 内生的経済成長モデルを開発

マクロ経済学はどこまで進んだか/Robert M. Solow

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 Robert M. Solow(1924-) 1987年ノーベル賞 経済成長理論で有名

マクロ経済学はどこまで進んだか/Edward C. Prescott

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 Edward C. Prescott(1940-) リアル・ビジネス・サイクル理論を確立

マクロ経済学はどこまで進んだか/Franco Modigliani

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 Franco Modigliani(1918-2003) 1985年ノーベル賞 モジリアニ=ミラーの定理が有名

マクロ経済学はどこまで進んだか/Olivier Blanchard

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 Olivier Blanchard(1948-) 数多くの理論を樹立

マクロ経済学はどこまで進んだか/John B. Taylor

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 John B. Taylor(1946-) 金融政策のテイラー・ルールで有名

マクロ経済学はどこまで進んだか/Robert W. Clower

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 今日はRobert W. Clower。 Robert W. Clower(1926-) ケインズ学派のマクロ経済学の不均衡分析で業績

マクロ経済学はどこまで進んだか/Robert E. Lucas Jr

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 今日はRobert E. Lucas Jr。 Robert E. Lucas Jr(1937-) 1995年ノーベル賞 合理的期待形成学派の開祖

Lucas & Lucas

ルーカスについて以前から考えていたネタ。 ルーカスはこの分野にそれまで誰も考えたことのないような高度な技術理論を持ち込み、従来のこの分野の常識を一新した革命児である。…いや、マクロ経済学の話をしているんではない。僕の言うルーカスはロバートで…

マクロ経済学はどこまで進んだか/Milton Friedman

引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 今日はMilton Friedman。 Milton Friedman(1912-2006) 1976年ノーベル賞 マネタリストの総帥

マクロ経済学はどこまで進んだか/N. Gregory Mankiw

昨日のエントリにoptical_frogさんからはてなスターをいただいた。多謝。昨日に引き続き、7/7エントリで紹介した本の内容まとめ。 今日はN. Gregory Mankiw。 N. Gregory Mankiw(1958-) ニューケインジアンの代表的な学者

マンキューon一般紙on原油価格

マンキューついでに、マンキューブログのこのエントリを紹介しておく。ニューヨーカー、エコノミスト、ニューズウィーク、ワシントンポスト4紙(誌)の原油価格高騰の責任を投機に被せるのは間違っているという論説へのリンク。いずれも基本的な内容は本ブ…

マクロ経済学はどこまで進んだか/James Tobin

昨日エントリで紹介した本の内容を、以前、「経済学者」×「質問への回答」のマトリックスにまとめたことがあったので、今日からはそれをアップしていく。 まずはJames Tobinから。 James Tobin(1918-2002) 1981年ノーベル賞 米国で最も高名なケインズ学派の…

マクロ経済学はどこまで進んだか・誤訳指摘

池田信夫氏が7/10エントリで一般理論の間宮訳のひどさを嘆いているが、経済学的に貴重な文書資料が誤訳で台無しにされている例としては本書も引けを取らないと思うので、TBさせていただく。 (以上、7/10追記) 「マクロ経済学はどこまで進んだか」という…

原油価格論争(投機が原因or否):その後の流れ

昨日紹介したクルーグマンBlog6/25記事でたぶん議論の第一段階とでも言うべきものは終わって、その後は論点が分岐しながら議論が続きました(今は取りあえず終息した感じですが[…ただし収束はしていない感じ])。大雑把に言って、以下のような流れになった…

Confusions about speculation(by Krugman)

今日はこれまでの続きで、標題のクルーグマンBlog6/25記事を訳してみようか…と思ったら既に訳している方がいたので、その紹介に留めさせていただく。http://d.hatena.ne.jp/optical_frog/20080627/p4(文中のCERA-type optimismとはなんぞやとぐぐって見つけ…