原油価格論争(投機が原因or否):その後の流れ

昨日紹介したクルーグマンBlog6/25記事でたぶん議論の第一段階とでも言うべきものは終わって、その後は論点が分岐しながら議論が続きました(今は取りあえず終息した感じですが[…ただし収束はしていない感じ])。大雑把に言って、以下のような流れになったかと思います。

【convenience yield】
先物と現物の逆鞘の状態はconvenience yield(現物を先物の満期前に高値で売り抜け出来る可能性から生じるオプションプレミアムみたいなもの)で説明できるかも?(Waldman *1 )

でもやはり在庫が増えていないことには変わりはない。(Thoma *2 )
ガソリンと原油のグラフを見てみると、convenience yieldを持ち出したとしても、原油価格が先物に引っ張られていると説明するのは無理があるんじゃね?(Krugman *3 )

在庫は統計に見えない形で増えたのかも?
まだ地中にあるとか(Kling *4 )、実は中国が既に燃やしちゃったのがその増加分だったとか?(Hamilton *5 )

穀物価格】
原油だけではなく鉄鉱石や穀物の価格も上がっているよね?(Krugman, Thoma *6 )

小麦なんかはクラッカーの形で在庫になるよね。
それに穀物原油などの商品市場すべてに影響を与える「Big News」とは何かね? マネタリショックとか、投機者心理の変化とかか?(Kling *7 )

でもおいらは古いクラッカーなんか食べたくないな。そもそも通常の在庫が減っているのにそういう形で貯蔵しなければいけないわけってあるの?
まあ、「Big News」については考える余地があるかも。(Thoma *8 )

【で、バブルなの?】
予想価格が高すぎる=バブルが発生しているのでは?

去年が低すぎた=逆バブルを正常化しているのかも? その点では実は議論に参加した経済学者の意見はわりと一致しているんではないかい。(Kling *9 )

【ストック需給とフロー需給】
ストック需給とフロー需給を関連付けるモデルを作ってみたぜよ。
convenience yieldに基づく需要も織り込み済みでっせ。
(Thoma=離散時間モデル、Krugman=連続時間モデル

このモデルだと予想価格の上昇は最終的には在庫の増加に反映されて、価格は元に戻るね。

でもおっさんたちのモデルで予想価格の上昇がフロー需給に影響が無いというのは変でねーか?(Cowen *10 )