原油価格

商品超循環は重要か?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Does the Commodity Super Cycle Matter?」で、著者はAndrés Fernández(チリ中銀)、Stephanie Schmitt-Grohé(コロンビア大)、Martín Uribe(同)。 以下はその要旨。 This paper investigates empir…

原油価格の低下は景気後退をもたらし得るのか?

24日エントリで原油価格が実体経済の悪化につながるかどうかについてのクルーグマンとブランシャールの対照的な見方を紹介したが、ジェームズ・ハミルトンが表題のブログエントリで、その二分法で言えばクルーグマン側の見解を示している(原題は「Can lower…

非線形効果か、ハーディング現象か?

クルーグマンとブランシャールが原油価格低下の影響について対照的な見方を示している。 1/16ブログエントリでクルーグマンは、原油価格低下は経済にとって良いことだ、という一般的な見方に12/4の段階で懐疑論を示していたことに触れつつ、現状に鑑みるとそ…

野鴨を追い掛ける

wild-goose chaseというのは英語で無駄な追求という意味だが、その名もNicholas Wildgooseという石油トレーダーが、同僚のJames Dyerと共に、米先物取引委員会(CFTC)から相場操縦の疑いで提訴された(cf. WSJ日本語記事)。 Econbrowserでジェームズ・ハミ…

今度の騰貴は投機?

平家さんが原油価格が今年1月から6月にかけて5割も値上がりしていることを「少しきな臭い原油市場」というエントリで指摘している。 それでも前年同期に比べれば半分の水準ではあるが、昨年の原油価格高騰については投機が原因ではない、という論陣を張った…

実は石油危機…なのか?

ジェームズ・ハミルトンが、2007-2008年の原油価格高騰なかりせば、米国の景気後退入りも少なくとも1年遅かっただろう、というブログ記事を書いている。曰く、いくつかの手法を使ってみたところ、共通の結論が得られた、その結論とは、2007年第3四半期から20…

原油価格論争(投機が原因or否):再訪

米CBSの60ミニッツを見ていたら――いえ、話題のこのインタビューではなく、今週の水曜深夜にTBS「CBSドキュメント」で放映していた1/8付けのこの報道――、昨年の原油価格高騰は投機によるものか否か、について検証していた。 このテーマは、実は拙ブログのそも…

純輸出増大の要因は何だったのか?

文藝春秋の2009年3月号で野口悠紀雄氏が以下のように書いている。 そもそも、90年代まで日本の実質GDPに純輸出が占める割合はおおよそ1%程度だった。それが2007年には5%にまで膨らんでいる。日本経済がこれほど外需依存になったのは、2002年以降のことである…

マンキューon一般紙on原油価格

マンキューついでに、マンキューブログのこのエントリを紹介しておく。ニューヨーカー、エコノミスト、ニューズウィーク、ワシントンポスト4紙(誌)の原油価格高騰の責任を投機に被せるのは間違っているという論説へのリンク。いずれも基本的な内容は本ブ…

原油価格論争(投機が原因or否):その後の流れ

昨日紹介したクルーグマンBlog6/25記事でたぶん議論の第一段階とでも言うべきものは終わって、その後は論点が分岐しながら議論が続きました(今は取りあえず終息した感じですが[…ただし収束はしていない感じ])。大雑把に言って、以下のような流れになった…

Confusions about speculation(by Krugman)

今日はこれまでの続きで、標題のクルーグマンBlog6/25記事を訳してみようか…と思ったら既に訳している方がいたので、その紹介に留めさせていただく。http://d.hatena.ne.jp/optical_frog/20080627/p4(文中のCERA-type optimismとはなんぞやとぐぐって見つけ…

Speculative nonsense, once again (by Krugman)拙訳

7/1のエントリで触れたクルーグマンの6/23ブログ記事を訳しておく。これは昨日エントリで一部を訳した6/21ブログ記事の続きであり、例の小論文(へのリンク)を載せた6/24ブログ記事への繋ぎになっている。つまり、6/21記事で、サミュエルソンの先物価格と将…

御礼

Hicksianさんのところに7/1のエントリについてのコメントを書き込んだら、回答コメントをいただきました。多謝。

サミュエルソンon先物価格

今日は、また昨日ならびに一昨日のエントリの続きで、一昨日のエントリの含意2、ないし昨日のエントリで紹介したwikipediaの3番目の式、つまり、 先物価格は将来の現物価格の期待値に等しい という点について。これを最初に発見したのはサミュエルソンなの…

昨日の補足

econ-economeさんに意図を通じさせるというブログを開設した目的はものの見事に失敗に終わったが、とりあえず開設してしまったものはしてしまったので、少しずつ何か書いていこうと思いますです。今日は昨日のエントリの補足をば。遅ればせながらwikipediaで…

Speculation and Signatures(by Krugman)解釈

ものぐさなのでブログを始める気は無かったのですが、クルーグマンの旬の議論が官民2人のエコノミストブログで紹介されているのが誤解交じりと思われ、その点をコメントで指摘しても理解していただけなかったので・・・。 http://d.hatena.ne.jp/econ-econo…