昨日の補足

econ-economeさんに意図を通じさせるというブログを開設した目的はものの見事に失敗に終わったが、とりあえず開設してしまったものはしてしまったので、少しずつ何か書いていこうと思いますです。

今日は昨日のエントリの補足をば。遅ればせながらwikipediaで見つけた記述の紹介(昨日の時点でこれを見つけてエントリ中に貼っておけば反応が違…わなかったかな)。

http://en.wikipedia.org/wiki/Futures_contract#Pricing

リンク先のPricingのセクションに書かれている3つの式を改めて以下に記しておく。

  • 先物価格Fと現物価格Sの関係式
    • F(t)=S(t)×(1+r)^(T-t)
    • F(t)=S(t)×exp(r(T-t))    …(上式を連続利子率に変換したもの)
      • Tは満期、tは現時点、rはリスクフリーレート
  • 先物価格と現物価格の期待値の関係式
    • F(t)=Et{S(T)}
      • Et{・}はt時点での期待値

これらの式は先物価格の理論式としてエコノミストにとっては常識だと思っていたが、マクロ経済の専門家諸氏にとってはそうでもなかったか。
まず、最初の2つの式のリスクフリーレートに平気でリスクプレミアムを導入してしまうのは変だということを理解されていない。
これはあくまでも無裁定条件を示す式なのに、勝手に外生化した価格変化率に合わせるためにこの式にリスクプレミアムを捻じ込むとは、どこのプロクルステスの寝台かよ、という感じですな。

また、3番目の式の説明にある
In a deep and liquid market, this supply and demand would be expected to balance out at a price which represents an unbiased expectation of the future price of the actual asset and so be given by the simple relationship
というメカニズムを「…と書くと余りにも身も蓋もないので」の段落で書きこんだつもりだったが、これも理解されなかったようだ。それでもって、この式の成立を前提にしているクルーグマンを混乱していると評している。

orzとはまさにこのことを指すのだろう。