年金

高齢期における財務面の後悔と寿命の意識

というNBER論文が上がっている*1(ungated版)。原題は「Financial Regret at Older Ages and Longevity Awareness」で、著者はAbigail Hurwitz(ヘブライ大)、Olivia S. Mitchell(ペンシルベニア大)。 以下はその要旨。 Older people often express regr…

米国人は生涯の社会保障利得をどれだけ逸しているのか?

というNBER論文をDavid Altigやコトリコフらが上げている(同じNBERサイトのungated版)。原題は「How Much Lifetime Social Security Benefits Are Americans Leaving On the Table?」で、著者はDavid Altig(アトランタ連銀)、Laurence J. Kotlikoff(ボ…

財政赤字の愚行

と題したNBER論文で、コトリコフらが、ここやここで紹介したブランシャールやサマーズの低金利の下での赤字財政容認論に異を唱えている(ungated版)。原題は「Deficit Follies」で、著者はJohannes Brumm(カールスルーエ工科大)、Xiangyu Feng(厦門大)…

チリの社会保障制度、および、いかにルインスキーが米国における同様の改革を阻んだかについての物語

チリでの年金民営化を労働・社会保障大臣として成功させ、その後、ケイトー研究所のシニアフェローとして世界に年金民営化を広める伝道師となっているホセ・ピネラ(José Piñera)が、クリントン政権時代に米国での年金改革の実現に尽力した経緯を同研究所の…

少子高齢化の下での賦課方式

一昨日、年金の完全積立方式より修正賦課方式が好ましい、という論文を紹介したが、その論文は人口一定を仮定していた*1。同論文が掲示されていたNEP DGEの論文リストを見ると、「少子化の枢軸」の日本の“同盟国”であるイタリアはピサ大学のLuciano Fantiと…

年金は完全積立方式より修正賦課方式の方が良い

という結果をベルギーのゲント大学SHERPPA(Study Hive for Economic Research and Public Policy Analysis)の学者(Tim Buyse, Freddy Heylen and Renaat Van de Kerckhove)が「Pension reform in an OLG model with heterogeneous abilities」と題された…

年金と消費税

大和総研の原田泰氏が、高齢者は消費税を支払っていない、と1/4の同社HPのコラムに書いている(H/T 404 Blog Not Found*1)。原田氏は昨年7月1日のコラムでも同様の主旨のことを書いているが、そちらでは単純な計算例を用いて高齢者に税金負担をしてもらうこ…

社会保障はポンツィ・スキームか?

昨日に続き、Econlogのデビッド・ヘンダーソンのエントリをもう一つ紹介する。 マドフのポンツィ詐欺による損失をIRS(内国歳入庁)がキャピタル・ロスではなく事故ないし盗みによる損失として認める方針を示したのに対し、ヘンダーソンの友人が、「では最大…

厚生省は計算間違いをしたのか?

野口悠紀雄氏は、年金制度への熱心な批判者である。同制度への批判者は数多いるが、氏の批判におけるユニークな指摘として、厚生省が計算間違いをしたという主張が挙げられる。その主張については、WEBではたとえばここやここで読むことができる。 批判のポ…