統計

成功する卒論の回帰分析

昨日紹介したAngrist=Pischke論文にCarola Binderも反応し、その要旨を引用している。 In the 1960s and 1970s, an empirical economist’s typical mission was to “explain” economic variables like wages or GDP growth. Applied econometrics has since…

計量経済学は因果関係の推定のみに非ず

Francis Dieboldが、Joshua D. AngristとJörn-Steffen PischkeのNBER論文に噛み付いている(H/T Economist's View)。 以下は同論文のungated版の一節。 How should changes in our use of econometrics change the way we teach econometrics? Our take on …

固定効果とランダム効果の使い分け今昔

13日エントリでミネソタ大応用経済学部准教授のMarc Bellemareの計量経済学ネタを紹介したが、BellemareはMetrics Mondayと銘打って月曜にこうした計量経済学ネタを上げている(ただし毎週ではない)。直近では固定効果とランダム効果について取り上げ、その…

期間データあれこれ

ミネソタ大応用経済学部准教授のMarc Bellemareがブログで、自分の共著論文を題材に、被説明変数が期間である場合の回帰分析について以下のように書いている(H/T Economist's View)。 The problem with duration data is that they do not look like the c…

ベイズは創造性を殺している?

Francis Dieboldが20年ほど前にベイズ主義の代表的な計量経済学者と意見交換をしていた時、その学者が突然以下のようなことを言ってDieboldを驚かせたという。 There must be something about Bayesian analysis that stifles creativity. It seems that fre…

ベイズの定理はキリスト教の擁護から始まった

というブログエントリにEconomist's Viewがリンクしている。そのエントリは、脳科学とベイズの定理を扱ったノーチラス誌*1のブログ記事の冒頭部を引用したものである。 以下はその冒頭部。 Presbyterian reverend Thomas Bayes had no reason to suspect he’…

機械学習と計量経済学が協力すべき最重要分野

昨日紹介したFrancis Dieboldの3連エントリの2番目にHal Varianがコメントし、Dieboldが指摘した問題――機械学習は因果関係の無い予測に重点を置くが、計量経済学は因果関係のある予測に重点を置く――について自分が以前書いた論文を2篇紹介している。一つは機…

機械学習と計量経済学との違い

についてFrancis Dieboldが3つのエントリに亘って論じている(ここ、ここ、ここ;H/T Economist's View)。 彼が挙げた両者の相違は以下の2点。 機械学習は因果関係の無い予測に重点を置くが、計量経済学は因果関係のある予測に重点を置く。 換言すれば、機…

「すべてのモデルは間違い」の語源

David Glasnerが、ローマーのマクロ経済学批判をとば口に、以下の論陣を張っている。 こうした批判に対する現代マクロ経済学側からのお決まりの反論は、すべてのモデルは間違っている、というものである。その中でも自分たちのモデルはミクロ的基礎付けがな…

確率的誤差距離による点予測の精度の評価

というNBER論文をFrancis X. Dieboldが上げている(原題は「Assessing Point Forecast Accuracy by Stochastic Error Distance」、ungated版)。共著者はMinchul Shin(イリノイ大)。 以下はその要旨。 We propose point forecast accuracy measures based …

ホドリック=プレスコットフィルタを決して使ってはいけない理由

という刺激的なタイトルの論文をジェームズ・ハミルトンが書き、同名のEconbrowserエントリで紹介している(原題は「Why you should never use the Hodrick-Prescott filter」;H/T Economist's View)。 以下は論文の要旨。 Here’s why. (1) The HP filter …

p値の価値

今月初めに米統計学会がp値の使用に関する6つの原則を公表した。その責任者である同学会Executive DirectorのRonald L. Wassersteinは、Retraction Watchという論文撤回監視ブログ*1のインタビューに応じ、最近の再現性危機問題が今回の声明の背景にあること…

NYTには数学の分かる編集者が必要

とDigitoplyのJoshua Gansが書いている(H/T Economist's View)。 Gansは「Originals: How Non-conformists Change the World」という新著を出すアダム・グラント・ペンシルベニア大ウォートン校教授*1の「How to Raise a Creative Child」というNYT記事を…

最小の平均二乗誤差を持つ線形推定量は?

Dave Gilesが9/21エントリで以下のようなお題をブログ読者に投げ掛けた。 We know from the Gauss-Markhov Theorem that within the class of linear and unbiased estimators, the OLS estimator is most efficient. Because it is unbiased, it therefore …

対称性と歪度

Dave Gilesが、歪度がゼロであることは確率分布が対称的であることの必要条件であるが、十分条件ではない、として、以下の例を示している。これは、N(-2,1)とN(1,2)の2つの正規分布を1:2のウエイトで加重した混合分布である。この時、上図の通り分布は非対称…

頻度主義の信頼区間が破綻する時

昨日のエントリで「これまで長年使われてきた検定がそれほど間違っているはずはない」というノアピニオン氏の意見を紹介したが、それに対してコメンターの一人が、以下のエピソードを紹介している。 I first presented this result to a recent convention o…

p値叩きの反動

についてノアピニオン氏が書いている。p値叩きは一部の心理学の学術誌が有意性検定を禁止するところまで行ったが、こうした動きは行き過ぎであり、これまで長年使われてきた検定がそれほど間違っているはずはない、とノアピニオン氏は言う。以下は氏がそう考…

HPフィルタと単位根

Dave Gilesが表題のエントリ(原題は「The H-P Filter and Unit Roots」)で、以下のように記している。 There's a widespread belief that application of the H-P filter will not only isolate the deterministic trend in a series, but it will also re…

ロジスティック回帰なんか嫌いだ

とChris Blattmanが毒づいている(H/T Economist's View)。 該当ブログエントリのタイトルは「Statistician Neal Beck just justified my longstanding hatred and loathing of logit(統計学者ニール・ベックはロジット分析に対する私の積年の嫌悪と忌避を…

カモノハシとカンガルーと尖度

日本語にしてしまうと意味不明だが、Dave Gilesが、スチューデントとして知られるW.S.ゴセットの1927年の論文から以下の箇所を引用している(H/T Economist's View)。 (拙訳) 「尖度」という言葉に馴染みが無い人のために言っておくと、mesokurticは「β2…

分散がマイナスになる時

数式上は全く同じ結果になるはずが、計算機誤差のために全く違う結果になる例として、分散の計算をDave Gilesが示している。その内容は概ね以下の通り。 データの平均を X* = [Σ(Xi)] / n とした場合、分散の式として最初に習うのは、以下の(1)式であろう。 …

ゼロと異なるp値の情報はすべて不完全

以前、サンプルサイズが大きくなると統計的有意性が高まるという話を紹介したが、カーネギーメロン大学の統計学者であるCosma Rohilla Shaliziが、自ブログ「Three-Toed Sloth」の表題のエントリ(原題は「Any P-Value Distinguishable from Zero is Insuffi…

ディッキー・フラー検定であまり知られていないこと

についてDave Gilesが書いている。 ディッキー・フラーの回帰式は以下のように表される。 ΔYt = [α + β t] + γYt-1 + [Σ δj ΔYt-j] + εtここで[・]の項はオプションであり、 うち、[Σ δj ΔYt-j]は式の残差に自己相関が無いことを保証する役割を担う「拡張項…

季節調整が単位根検定に与える影響

についてDave Gilesがまとめている。 One of the consequences of these standard seasonal adjustment procedures is that they introduce a moving average (MA) component into the data. Indeed, that's part of the point of using them - to smooth ou…

帰無仮説の検定は反証主義的な手法ではない

ということをアンドリュー・ゲルマンが強調している。 ...it’s my impression that null hypothesis significance testing is generally understood as being part of a Popperian, falsificiationist approach to science.So I think it’s worth emphasizin…

二段階最小二乗法による推計値の有限サンプルにおける特性

と題したエントリの冒頭でDave Gilesが、1980年にヒューストンで開かれた米統計学会の大会で経験したことについて書いている(エントリの原題は「Finite-Sample Properties of the 2SLS Estimator」)。 I was sitting in a session listening to an author …

p値と信頼区間に関して繰り返し起こる論争を再訪する

という論文の要約と結論が、バージニア工科大学の統計学者Deborah G. MayoのブログError Statistics blogで紹介されている(H/T Dave Giles)。原題は「Recurring Controversies About P Values and Confidence Intervals Revisited」で、著者はMayoの同僚の…

統計学の百年戦争

Dave Gilesが、M. J. Bayarri(バレンシア大)とJ. O. Berger(デューク大)の「The Interplay of Bayesian and Frequentist Analysis」という2004年の論文を紹介している。 以下はその要旨。 Statistics has struggled for nearly a century over the issue…

自由度調整済み決定係数の意味

についてDave Gilesが幾つかエントリを書いている。 最初のエントリは1年前の5/2付けで、決定係数も自由度調整済み決定係数もあくまでも統計量であり、従って標本分布が存在する、ということを強調している。そして、Barten (1962)に倣ってこの問題を研究し…

ルンバとしてのブートストラップ法

「ブートストラップ平均が使える時と使えない時」と題したエントリ(原題は「Bootstrap averaging: Examples where it works and where it doesn’t work」)でアンドリュー・ゲルマンが、最近Aki Vehtarizと共著した小論を紹介している。 まず、ブートストラ…