マンキューが、Uwe ReinhardtのVOXインタビュー記事にリンクしている。Reinhardtによると、オバマケアの医療保険の取引所(マーケットプレイス)は既に死のスパイラル*1に嵌っており、完全な崩壊に向かっているという。インタビュアー(Sarah Kliff)は、マーケットプレイスを研究している人の中でこの意見は少数派、としつつも、主流派からまったく外れているわけでもない、と解説している。
以下は同記事のReinhardtの発言からの引用。
I always joke about it like this: If you got a bunch of Princeton undergrads to design a health care system, maybe they would come up with an arrangement like the marketplaces.
The natural business model of a private commercial insurer is to price on health status and have the flexibility to raise prices year after year. What we’ve tried to do, instead, is do community rating [where insurers can’t price on how sick or healthy an enrollee is] and couple it with a mandate.
When you do this as the Swiss or Germans do, you brutally enforce the mandate. You make young people sign up and pay. But we are too chicken to do that, so we allow people to stay out by doing two things: We give them a mandate penalty that is lower than the premium. And we tell them, If you’re really sick, we’ll take care of you anyhow. [A federal law called EMTALA requires hospitals to treat all patients with life-threatening conditions regardless of their ability to pay.]
(拙訳)
このことについて私はいつも次のような冗談を言います。もしプリンストンの学部生の一団を連れてきて医療システムを設計させたら、マーケットプレイスのような仕組みが出来上がるでしょうね、と。民間の商業的な保険会社の自然なビジネスモデルは、健康状態に応じて価格付けし、毎年値上げできる自由度を持つ、というものです。それに代わるものとして我々が導入を試みたのは、[加入者の病気や健康の度合いに応じて保険会社が価格付けをすることができない]コミュニティレーティングで、それを義務的な加入と結び付ける、というものです。
スイスやドイツのようなやり方でこれを導入するならば、かなり強制的な形で義務的な加入を執行することになります。若い人に署名させ保険料を支払わせるのです。しかし我々はそこまで大胆になれなかったため、2つの施策を導入し、人々が加入しないことを許容しました。保険料より安い未加入ペナルティを課したのです。そして、本当に病気になったなら、何とか面倒を見る、と人々に伝えたのです。[EMTALAと呼ばれる連邦法では、生命に係わる状態の時には支払い能力に関わらず病人を治療することを病院に要求している。]