というタイトルの下に、この論文の内容がハーバードビジネススクールのサイトで紹介されている(Mostly Economics経由;原題は「Are Creative People More Dishonest?」で、論文のタイトルは「The Dark Side of Creativity: Original Thinkers Can be More Dishonest」;同論文はMarginal Revolutionでもリンクされている)。
この論文は「Journal of Personality and Social Psychology」に掲載予定とのことだが、同誌にはお人好しほど収入は少なくなるという主旨の論文が掲載されたとのことなので(H/T Twitter. It's what's happening.fromdusktildawnさんツイート)、それと好対照の内容と言えるかもしれない。
論文では5つの実証分析を行い、表題の結論を導いたというが、HBSサイトではそのうちの3つを紹介している。
- 広告代理店の人を対象に調査したところ、創造性の高い人ほど、会社の備品をくすねたり経費を膨らませるといった行動を取ることを自認する割合が多く、また、仮想的な状況下で人が不正直な行動を取ると考える割合が多かった。
- 大学生の被験者を対象に、中に20個のドットが描かれている対角線で区切られた四角形(下図参照)の映像を見せて、右側と左側のどちらの区画に多くドットが入っているかを回答させた。右側のドットが多い場合に10倍の報奨を出すという仕組みにしたところ、創造的な大学生ほど、両者の数が拮抗している場合に右側と回答する割合が多かった。
- ランダムに2つのグループに分けた大学生の被験者に対し、与えられた単語から文章を組み立てるテストを行い、片方のグループには創造性を連想させる単語を多く出題した。その後に創造性を試されるテスト(ドゥンカーのろうそく問題)を行ったところ、そのグループの正答率が高かった。また、前述の四角形のテストを行ったところ、そのグループの方が不正直な回答の割合が多かった。
3番目のケースでは、元々の創造性に差があったわけではなく、出題キーワードの違いだけでその後の差が出てきた、というのが面白い。