プラチナが米国を救う?

1996年に、米政府が任意の金額のプラチナ硬貨を造幣できる法案が制定されたという。これを利用して、政府債務の上限を回避できるのでは、というアイディアが米ブロゴスフィアを駆け巡っている(Econospeak(バークレー・ロッサー)サムナーフェリックス・サーモンマット・イグレシアス)。


ロッサーはこのアイディアを簡潔に以下のように説明している。

This is to coin one, or maybe several, platinum coins of very high value, depositing it or them in the NY Fed, and keep on paying bills.
(拙訳)
非常に価値の高いプラチナの硬貨を一枚もしくは複数枚鋳造し、それをNY連銀に預け、支払いを継続する、ということである。


イグレシアスが「債務のマネタイズ化」と呼んでいるように、この案は基本的にここで紹介したロン・ポールの案と同工異曲かと思われる。ただしこちらについてはMMTの人たちが主な提唱者になっているとの由。サムナーがMMT呉越同舟になることに若干の居心地の悪さを感じながら(「Yes, I am slightly embarrassed to be in with the MMT people」)賛意を表しているのが面白い*1

*1:両者の(おそらく)最初の衝突についてはここ参照。Nick Roweがかつて両者を「彼らはなにも共通のものを持たないのに、この点についてだけは共通している。しかしこの点こそが、彼らの間のどんな違いよりも重要である。そして、かれらは非主流派だ。(okemosさん訳)」と評したのは蓋し名言と言うべきか。