赤ちゃんとマクロ経済

ノーベル経済学賞を一昨年に受賞したハーバード大のクラウディア・ゴールディン(Claudia Goldin)が表題のNBER論文(原題は「Babies and the Macroeconomy」)を上げている。以下はその要旨。 Fertility levels have greatly decreased in virtually every …

危機から標準へ:業界、職業、地理別の在宅勤務のトレンドと従業員の仕事への取り組み

というNBER論文が上がっている。原題は「From Crisis to Norm: Remote Work Trends and Employee Engagement Across Industries, Occupations, and Geography」で、著者はChristos A. Makridis(スタンフォード大)、Jason Schloetzer(ジョージタウン大)。…

通貨戦争と貿易

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Currency Wars and Trade」で、著者はKris James Mitchener(サンタクララ大)、Kirsten Wandschneider(ウィーン大)。 以下はその要旨。 The Great Depression is the canonical case of a widespread…

在宅勤務技術の恩恵による勝者と敗者

というNBER論文が上がっている(ungated版とスライド資料へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Winners and Losers from the Work-from-Home Technology Boon」で、著者はMorris A. Davis(ラトガーズ大)、Andra C. Ghent(ユタ大)、Jesse M. Gr…

H1Bビザを増やすべき理由

というブログ記事(原題は「The Case for More H1B Visas」)をマンキューが上げている。 Apparently, there is an ongoing debate in Trumpworld about whether more H1B visas are a good thing. From an economic perspective, the answer is a clear yes…

民主主義が死を拒否する時:新たな政治家への訓練プログラムの評価

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「When Democracy Refuses to Die: Evaluating a Training Program for New Politicians」で、著者はErnesto Dal Bó(UCバークレー)、Claudio Ferraz(ブリティッシュ…

ECB SPFの25年を振り返る

というECB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「A look back at 25 years of the ECB SPF」で、著者は同行のAnastasia Allayioti、Rodolfo Arioli、Colm Bates、Vasco Botelho、Bruno Fagandini、Luís Fonseca、Peter Healy、Aidan Meyler、Ryan M…

輸送の生産性が米経済に与えた長期的影響

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン;ungated版)。原題は「The Long-run Effects of Transportation Productivity on the US Economy」で、著者はA. Kerem Coşar(バージニア大)、Sophie Osotimehin(ケベック大学モントリオール校)、…

持続可能な投資

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「Sustainable Investing」で、著者はLubos Pastor(シカゴ大)、Robert F. Stambaugh(ペンシルベニア大)、Lucian A. Taylor(同)。 以下はその要旨。 We review the literature on sustainable …

政治力と市場支配力

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「Political Power and Market Power」で、著者はBo Cowgill(コロンビア大)、Andrea Prat(同)、Tommaso Valletti(インペリアルカレッジロンドン)。 以下はその要旨。 Brandeis (1914) hypothe…

ルール対裁量:FOMCの政策審議の解読

というNBER論文をマイケル・ボルドーらが上げている(ungated版)。原題は「Rules vs. Discretion: Decoding FOMC Policy Deliberations」で、著者はMichael D. Bordo(ラトガーズ大)、Klodiana Istrefi(フランス銀行)、Humberto Martínez(チリ大)。 以…

生の実験室としての経済思想史

というSSRN論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The History of Economic Thought as a Living Laboratory」で、著者はMatthew McCaffrey(マンチェスター大学)、Joseph T. Salerno(ミーゼス研究所、ペース大学)、Carmen-Elena Dorobat(マン…

ビットコイン:新金融秩序かリバタリアンのディストピアか? 過去からの回答:1727-1845年のスコットランドのフリーバンキング

というSSRN論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Bitcoin: New Financial Order or Libertarian Dystopia? An Answer from The Past: Free Banking in Scotland 1727-1845」で、著者はFrancesco Maria Giacomini(LSE)、Marco Rossi(同)。 以下…

経済の先行指標としての開業届?

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがあるセンサス局のページ)。原題は「Business Applications as a Leading Economic Indicator?」で、著者はJose Asturias、Emin Dinlersoz、John C. Haltiwanger、Rebecca J. Hutchinson、Alyson Plumb…

LASHリスクと金利

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「LASH risk and Interest Rates」で、著者はLaura Alfaro(ハーバード大)、Saleem A. Bahaj(ユニバーシティカレッジロンドン)、Robert Czech(BOE)、Jonathon Hazell(LSE)、Ioana Neamtu(BOE)。 …

裁定取引者がいる時の部門別の国債需要

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版、スライド資料へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Granular Treasury Demand with Arbitrageurs」で、著者はKristy A.E. Jansen、Wenhao Li、Lukas Schmid(いずれも南カリフォルニア大)。 以下…

あるエンジェルは他のエンジェルより優れているのか?

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「Are Some Angels Better than Others?」で、著者はJohan Karlsen(ノルウェー経済大学)、Katja Kisseleva(フランクフルト金融経営大学)、Aksel Mjøs(ノルウェー経済大学)、David T. Robinson…

保証所得への家計の反応:カリフォルニア州コンプトンにおける実験の実証結果

というNBER論文が上がっている(関連記事=Household Responses to Guaranteed Income: Experimental Evidence from Compton, California - Jain Family Institute、How guaranteed income affects low-income households - Futurity)。原題は「Household R…

スウェーデンの家計債務は高過ぎるのか? 支払い能力、流動性、および債務で賄われた過剰消費

というNBER論文をスヴェンソンが上げている。原題は「Is Swedish Household Debt Too High? Solvency, Liquidity, and Debt-Financed Overconsumption」で、本人のブログエントリ(ungated版へのリンクも張られている)はこちら。 以下はその要旨。 Swedish …

労働者がどのようにインフレについていくかについての理論

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「A Theory of How Workers Keep Up With Inflation」で、著者はHassan Afrouzi(コロンビア大)、Andrés Blanco(アトランタ連銀)、Andrés Drenik(テキサス大オースティン校)、Erik Hurst(シカゴ大)…

フィリップス曲線はどの程度曲がっているのか?

というNBER論文が上がっている。原題は「How Curvy is the Phillips Curve?」で、著者はPhilip Bunn(BOE)、Lena Anayi(同)、Nicholas Bloom(スタンフォード大)、Paul Mizen(キングス・カレッジ・ロンドン)、Gregory Thwaites(ノッティンガム大)、I…

2024年の米大統領選後に制度はどのように為替相場と相互作用したか:高頻度の新たな実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「How Institutions Interact with Exchange Rates After the 2024 US Presidential Election: New High-Frequency Evidence」で、著者はJoshua Aizenman(南カリフォ…

粘着的なインフレ:債務がインフレ予想を引き摺る時の金融政策

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Sticky Inflation: Monetary Policy when Debt Drags Inflation Expectations」で、著者はSaki Bigio(UCLA)、Nicolas Caramp(UCデービス)、Dejanir Silva(パデュー大学)。 以下はその要旨。 We ap…

成長と変動:概観

というNBER論文をスティグリッツが上げている。原題は「Growth and Fluctuations: An Overview」で、著者はJoseph E. Stiglitz(コロンビア大)。 以下はその要旨。 Capitalism since its inception has been marked by large fluctuations. The resulting e…

金融情勢目標

というNBER論文をカバレロやカラベロらが上げている(ungated版)。原題は「Financial Conditions Targeting」で、著者はRicardo J. Caballero(MIT)、Tomás E. Caravello(同)、Alp Simsek(イェール大)。 以下はその要旨。 We present evidence that no…

総生産関数の推計

というNBER論文が上がっている。原題は「Estimating Gross Output Production Functions」で、著者はMarkus Trunschke、Kenneth L. Judd(いずれもスタンフォード大)。 以下はその要旨。 This paper develops a novel method to estimate production functi…

石油の終焉

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics、タイラー・コーエン;ungated版へのリンクがある著者のページ)。原題は「The End of Oil」で、著者はRyan Kellogg(シカゴ大)。 以下は導入部からの引用。 My main question of interest concerns ho…

システミックリスク指標:1927年から2023年までの評価

というNBER論文をブルナーメイヤーらが上げている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Systemic Risk Measures: Taking Stock from 1927 to 2023*1」で、著者はViral V. Acharya(NYU)、Markus K. Brunnermeier(プリンストン大)、D…

大きな戦争の前後のr-g 1507-2023

というNBER論文をケネス・ロゴフらが上げている(ungated版)。原題は「r-g before and after the Great Wars 1507-2023」で、著者は Kenneth S. Rogoff(ハーバード大)、Paul Schmelzing(ボストン大)。 以下はその要旨。 We present new long-run sample…

流動性の罠:大恐慌と大不況の統一理論

エガートソンのNBER論文をもう一丁。以下はGauti B. Eggertsson(ブラウン大)、Sergey K. Egiev(同)による表題の論文(原題は「Liquidity Traps: A Unified Theory of the Great Depression and Great Recession」)の要旨。 This paper presents a unifi…