OPECと原油市場

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「OPEC and the Oil Market」で、著者は同基金のYousef F. NazerとAndrea Pescatori 。 以下はその要旨。 This paper studies the historical importance of OPEC for oil price fluctuations. An eve…

金融政策の認識

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Perceptions about Monetary Policy」で、著者はMichael D. Bauer(ハンブルク大)、Carolin Pflueger(シカゴ大)、Adi Sunderam(ハーバード大)。 以下はその要旨…

社会的保護は奢侈財か?

というNBER論文が上がっている(ungated(世銀)版)。原題は「Is Social Protection a Luxury Good?」で、著者はMichael Lokshin(世界銀行)、Martin Ravallion(ジョージタウン大学)、Iván Torre(世界銀行)。 以下はその要旨。 The claim that social pr…

ドル準備と米国債利回り:海外当局の資金フローが価格に与える影響の識別

という、日本が今回実施した為替介入からするとタイムリーなテーマとも言える*1NBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「Dollar Reserves and U.S. Yields: Identifying the Price Impact of Official Flows」で、著者はRashad Ahmed(南カリフ…

景気循環におけるリアルタイムのフォワードルッキングな歪み

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Real-Time Forward-Looking Skewness over the Business Cycle」で、著者はIan Dew-Becker(ノースウエスタン大)。 以下はその要旨。 This paper measures option-implied skewness for individual fir…

インフレ懸念と中銀における性別比率

というEuropean Journal of Political Economy論文(2021年時点のWP(SSRN版))にタイラー・コーエンがリンクしている。原題は「Fear of inflation and gender representation in central banking」で、著者はミシガン州立大のCristina BodeaとAndrew Kerner…

中央銀行における経済研究:中銀は経済思想史に興味があるのか?

というベルギー国立銀行論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Economic research at central banks: Are central banks interested in the history of economic thought?」で、著者は同行のIvo Maes。 以下はそのノンテクニカルサマリー。 A resea…

豪州準備銀行の債務超過が心配に及ばないわけ

既に日本でも共同やロイターが報じているが、豪州準備銀行のブロック副総裁が同行が債務超過に陥ったことを明らかにした。その講演をMostly Economicsが「Australia central bank has negative equity due to losses from bond holdings, but nothing to wor…

世代間の移動性と格差の関係について:本当に別個のものなのか?

「ギャツビー曲線は見た目通りではない( The Gatsby Curve is not what it seems)」というコメントを添えてタイラー・コーエンが表題の論文にリンクしている。論文の原題は「On the Link Between Intergenerational Mobility and Inequality: Are They Tru…

構造分析における頑健性チェック

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「Robustness Checks in Structural Analysis」で、著者はSylvain Catherine(ペンシルベニア大)、Mehran Ebrahimian(ストックホルム商科大)、David Alexandre Sraer(UCバークレー)、David The…

やむを得ない事態の有効活用:マイナス金利が銀行の費用効率に与えた効果

というECB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Making a virtue out of necessity: the effect of negative interest rates on bank cost efficiency」で、著者はGiuseppe Avignone(ECB)、Claudia Girardone(エセックス大)、Cosimo Pancaro(…

場所による科学の生産性とコスト

というNBER論文をサイモン・ジョンソンらが上げている(ungated版)。原題は「Place-Based Productivity and Costs in Science」で、著者はJonathan Gruber(MIT)、Simon Johnson(同)、Enrico Moretti(UCバークレー)。 要旨では、科学者の集積が1割増加…

ターラーからタックルへ;現在の危機から如何に抜け出すかについて

というプラハで開かれたユーロフィ主催の金融フォーラムでのクラース・クノット・オランダ銀行総裁の講演(原題は「From thaler to tackle. On how to lift us out of the current crises」)を、Mostly Economicsが紹介している。以下はその冒頭。 Hello ev…

コロナ疾患が労働者に与える影響

というNBER論文が上がっている。原題は「The Impacts of Covid-19 Illnesses on Workers」で、著者はGopi Shah Goda(スタンフォード大)、Evan J. Soltas(MIT)。この論文は既にWSJ日本版や日経で紹介されているほか、タイラー・コーエン経由で要旨も邦訳…

分離主義で重要なのは所得かアイデンティティか? 世界の3,003の地域の分析

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Is Secessionism Mostly About Income or Identity? A Global Analysis of 3,003 Subnational Regions」で、著者はKlaus Desmet(南メソジスト大)、Ignacio Ortuño-Ortín(マドリード・カルロス3世大)…

女性教師が女子学生の生涯の厚生に与える影響

というNBER論文をデビッド・カードらが上げている。原題は「The Impact of Female Teachers on Female Students' Lifetime Well-Being」で、著者はDavid Card(UCバークレー)、Ciprian Domnisoru(アールト大)、Seth G. Sanders(コーネル大)、Lowell Tay…

リスク循環の景気循環への影響:歴史的展望

というFRB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The impact of risk cycles on business cycles: a historical view」で、著者はJon Danielsson(LSE)、Marcela Valenzuela(チリ・カトリック大)、Ilknur Zer(FRB)。 以下はその要旨。 We inve…

確率的な経済における無期限の債務借り換え

いわゆるドーマー条件*1にあるように、金利rが成長率gを下回っているならば借り換え(ロールオーバー)は無限にできるが、rとgが確率的な場合はどうか、という点を追究した表題のNBER論文をコチャラコタが上げている(ungated版へのリンクがある著者のページ…

それを作れば、彼らはワクチン接種を受けるのか? コロナワクチンの接種会場がワクチン接種率と公衆衛生に与えた影響

というNBER論文が上がっている。原題は「If You Build it, Will They Vaccinate? The Impact of COVID-19 Vaccine Sites on Vaccination Rates and Outcomes」で*1、著者はJohn Brownstein(ハーバード大)、Jonathan H. Cantor(ランド研究所)、Benjamin R…

指導者のテロとの戦いにおいては良きコミュニケーションが最善の武器

安倍元首相の銃撃事件についてニュージーランドのアーダーン首相の言葉が引用されるのを目にしたので、英語圏ではその言葉はどのように受け止められているのか知りたいと思ってぐぐったところ、Carmen Jacquesという人の1年前の表題の論説(原題は「Good com…

ジェイソン・ファーマンによるボール=リー=ミシュラ論文の解説

前回エントリの最後でファーマンのクルーグマンへの応答ツイートを紹介したが、そこでリンクされているファーマンによるボールらの論文の解説ツイートは以下の通り。 Fleshing out my thoughts on the scariest macroeconomics paper of 2022: "Understandin…

コント:ポール君とラリー君――ボールらの論文をどうみるかの巻

前回に続き、サマーズとクルーグマンのツイッターでの議論を紹介する。今回は直接的な論戦ではなく、こちらのLaurence Ball(ジョンズ・ホプキンス大)、Daniel Leigh(IMF)、Prachi Mishra(同)*1による論文「Understanding U.S. Inflation During the CO…

コント:ポール君とラリー君――背後にあるインフレ理論は何かの巻

気が付くとクルーグマンとサマーズがまたインフレについてやりあっていた(H/T タイラー・コーエン)。 以下はクルーグマンの9/3の連ツイ。 OK, gonna do an econ thread most of my followers will find incomprehensible. But I think it needs to be done…

デジタル資産の金融安定性への影響

というFRB論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Financial Stability Implications of Digital Assets」で、著者はPablo D. Azar、Garth Baughman、Francesca Carapella、Jacob Gerszten、Arazi Lubis、JP Perez-Sangimino、David E. Rappopor…

深刻な景気後退下での効果的な財政金融の相互作用

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Effective Fiscal-Monetary Interactions in Severe Recessions」で、著者は同基金のJiaqian Chen、Raphael A Espinoza、Carlos Goncalves、Tryggvi Gudmundsson、Martina Hengge、Zoltan Jakab、Je…

AEAのコロナ対策は過剰か? 補足

前回エントリで取り上げたタイラー・コーエンとJoshua Gansの論争について、Gansが連ツイで解説していた。 Why do @tylercowen (https://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2022/09/a-further-saturday-link.html) and I (https://joshuagans.subst…

AEAのコロナ対策は過剰か?

という点を巡ってタイラー・コーエンとJoshua Gansが論争を繰り広げている。きっかけは、来年初に開催されるAEA(米国経済学会)大会について、参加者のワクチンおよびブースター接種と、屋内コンファレンスでのKN-95以上の高品質のマスク着用の通達が出され…

ニューフロンティア:1940-2018年における新たな仕事の起源と内容

というNBER論文をAutorらが上げている(ungated版)。原題は「New Frontiers: The Origins and Content of New Work, 1940–2018」で、著者はDavid Autor(MIT)、Caroline Chin(同)、Anna Salomons(ユトレヒト大)、Bryan Seegmiller(ノースウエスタン大…

独裁者のGDP成長推計はどの程度信用できるか?

というJournal of Political Economy論文をMostlyEconomicsが紹介している(ungated(SSRN)版)。原題は「How Much Should We Trust the Dictator’s GDP Growth Estimates?」で、著者はLuis R. Martinez(シカゴ大)。 以下はその要旨。 I study the overstat…

無形資本のモデル

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「A Model of Intangible Capital」で、著者はNicolas Crouzet(ノースウエスタン大)、Janice C. Eberly(同)、Andrea L. Eisfeldt(UCLA)、Dimitris Papanikolaou…