強情な少女と依存的な少年:子供の時の行動に対する労働市場の報酬の性による違い

というNBER論文が上がっている。原題は「Headstrong Girls and Dependent Boys: Gender Differences in the Labor Market Returns to Child Behavior」で、著者はRobert Kaestner(シカゴ大)、Ofer Malamud(ノースウエスタン大)。以下はその要旨。 The au…

巻き添え被害:シェールガスの住宅ローンへの影響

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Collateral Damage: The Impact of Shale Gas on Mortgage Lending*1」で、著者はYanyou Chen(トロント大)、James W. Roberts(デューク大)、Christopher D. Timmins(同)、Ashley Vissing(シカゴ…

量的緩和と企業の技術革新

というECB論文が上がっている(H/T Mostly Economics)。原題は「Quantitative easing and corporate innovation」で、著者はNiklas Grimm(コロンビア大)、Luc Laeven(ECB)、Alexander Popov(同)。以下はその要旨。 To what extent can Quantitative E…

米国のコロナ禍の最初の年における超過死亡数

というNBER論文が上がっている。原題は「Excess Deaths in the United States During the First Year of COVID-19」で、著者はバージニア大のChristopher J. Ruhm。以下はその要旨。 Accurately determining the number of excess deaths caused by the COVI…

インフレ予想のゼロ下限

というNBER論文(原題は「Zero Lower Bound on Inflation Expectations」)をYuriy Gorodnichenko(UCバークレー)とDmitriy Sergeyev(ボッコーニ大)が上げている。以下はその要旨。 We document a new fact: in U.S., European and Japanese surveys, hou…

予測のプロの予測はなぜ偏るのか?

について調べたNBER論文をエミ・ナカムラ、ジョン・スタインソンらがLeland Farmer, Emi Nakamura & Jón Steinssonが上げている(ungated版)。論文のタイトルは「Learning About the Long Run」で、著者はLeland Farmer(バージニア大)、Emi Nakamura(UC…

バングラデシュのマスク研究から何を結論すべきか?・再訪

以前、バングラデシュでのマスク着用に関するRCTについて、Ben Rechtによる批判的な検証を取り上げたことがあった。その後、研究者がデータを公開したとのことで、Rechtが公開自体は賞賛しつつも改めてそのデータを批判的に検証している(H/T タイラー・コー…

実効再生産数に波が生じる理由

Philippe Lemoineというコーネルの博士課程にいる研究者が、自らが所属するThe Center for the Study of Partisanship and Ideology(CSPI)という組織のブログに「Have we been thinking about the pandemic wrong? The effect of population structure on …

貿易と格差の序説

というNBER論文(原題は「A Primer on Trade and Inequality」)をダニ・ロドリックが上げている(H/T Mostly Economics、ungated版)。以下はその要旨。 In the public imagination globalization’s adverse effects have loomed large, contributing signi…

金融危機と政治的過激化:如何に破綻した銀行がヒトラーの権力への道を拓いたか

というBIS論文が上がっている(H/T Mostly Economics)。原題は「Financial crises and political radicalization: How failing banks paved Hitler's path to power」で、著者は Sebastian Doerr(BIS)、Stefan Gissler(FRB)、Jose-Luis Peydro(インペ…

2種類の非凡な経済学者

スキデルスキーのProject Syndicate論説からの引用をもう一丁。ヴェブレン、ケインズ、ハーシュマンの伝記をレビューした論説(H/T タイラー・コーエン)の冒頭でスキデルスキーは、傑出した経済学者を2種類に分類している。 There are two types of extrao…

何が殺したマクロ経済学?

というProject Syndicate論説(原題は「What Killed Macroeconomics?」)の結論部でロバート・スキデルスキーが以下のように書いている(H/T Mostly Economics)。 The relationship between theory and practice is thus not as Bernanke saw it. Monetary …

イベルメクチン問題が教えてくれること

Scott Alexanderという有名ブロガー(cf. Slate Star Codex - Wikipedia)によるイベルメクチンのCovid-19への効果のメタ分析をタイラー・コーエンが推奨している。日本語記事では既にgigazineがその概要を紹介している。 そのブログでアレキサンダーは、イ…

バイデン経済再生計画はインフレを上昇させる

18、19日エントリでは、年初の財政刺激策によってインフレが大きく上昇することは無かった、というクルーグマンの見方を紹介した。一方、今月15日に成立したインフラ投資法案はインフレを上昇させる、とマンキューはブログで述べている(ただし、そのことで…

インフレに関するすべてのマクロ理論が、我々の目にした高インフレを正しく予測した

引き続き経済学者のインフレに関するツイートねた。今回はリカルド・ライスのツイートを紹介してみる(H/T 本石町日記さんツイート経由のRyo Takagiさんツイート)。 ** The “macro” view on 2021 inflation Since March 21, I've given many public lecture…

問題はボトルネックだよ、馬鹿者・続き

前回エントリでクルーグマンのインフレに関するツイートを紹介したが、その後にクルーグマンはその件についてさらにツイートしている(H/T タイラー・コーエン) Some further thoughts on inflation and what to do next. Inflation has of course come in …

問題はボトルネックだよ、馬鹿者

という直接的な表現は取っていないが、前回エントリで紹介したサマーズの呟きの3時間半ほど前にクルーグマンもツイッターでサマーズに言及し、以下のように述べている。 Trying to clarify my own thoughts on inflation. I got inflation wrong; I didn't s…

コント:ポール君とラリー君

今日の状況をトルーマン時代に準えたクルーグマンのNYT論説に反応して、サマーズがツイッターでクルーグマンに以下のような「挑戦状」を突き付けている(H/T タイラー・コーエン)。 @paulkrugman continues his efforts to minimize the inflation threat t…

勝者総取り? 技術集積地、人口中心地、および米国の発明の空間的変貌

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「Winner Takes All? Tech Clusters, Population Centers, and the Spatial Transformation of U.S. Invention」で、著者はハーバード大のBrad ChattergoonとWilliam R. Kerr。 以下はungate…

50年物国債の発行コストは?

というSF連銀のレターをMostly Economicsが紹介している。原題は「What Would It Cost to Issue 50-year Treasury Bonds?」で、著者は同連銀のJens H.E. Christensen、Jose A. Lopez、Paul L. Mussche。 以下はその結論部。 In this Letter, we estimate the…

キングコング対ゴジラと中南米

以前ここやここでProject Syndicate論説を紹介したアンドレス・ベラスコ(Andrés Velasco)が、中南米の現状に対し悲憤慷慨したProject Syndicate論説「Latin America's Monster Movie」を書いている(H/T Mostly Economics)。以下はその冒頭。 Latin Ameri…

米国の50年の産業政策の点数付け、1970-2020

というレポート(原題は「Scoring 50 years of US industrial policy, 1970–2020」)をピーターソン国際経済研究所(PIIE)が出している(H/T Mostly Economics)。著者はGary Clyde Hufbauer(PIIE)とEuijin Jung(元PIIE職員、現・世銀)。 以下は同レポ…

投資家層が違えばアノマリーも違ってくる

「Momentum, Reversals, and Investor Clientele」というNBER論文が上がっている(今年1月時点のungated版)。著者はAndy C.W. Chui(香港理工大)、Avanidhar Subrahmanyam(UCLA)、Sheridan Titman(テキサス大オースティン校)。以下はその要旨。 Differ…

AIと中国の体制は相性が良い?

「AI-tocracy」というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics、ungated版)。著者はMartin Beraja(MIT)、Andrew Kao(ハーバード大)、David Y. Yang(同)、Noam Yuchtman(LSE)。以下はその要旨。 Can frontier innovation be sustained under a…

経済学の誤謬を直接論破するのは効果的なコミュニケーション法ではない

というコメント(原文は「Directly refuting economic fallacies is not such an effective means of communication」)を添えてタイラー・コーエンが「Dispelling misconceptions about economics」というJournal of Economic Psychology論文にリンクしてい…

大恐慌を誤診した男

「O.M.W. Sprague (the Man Who “Wrote the Book” on Financial Crises) meets the Great Depression」というラトガーズ大のHugh RockoffによるNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics)。以下はその要旨。 When the Great Depression struck the Uni…

スーパースターハイテク企業からの知識の波及効果:ノキアの場合

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「Knowledge Spillovers From Superstar Tech-Firms: The Case of Nokia」で、著者はJyrki Ali-Yrkkö(ELTA*1)、Reda Cherif(IMF)、Fuad Hasanov(同)、Natalia Kuosmanen(ELTA)、Mika Pajarine…

人は見かけによらぬもの:ロナルド・コースとシカゴ学派

というPromarket記事(原題は「Looks Can Be Deceiving: Ronald Coase and the Chicago School」、著者はデューク大のSteven Medema)を少し前にMostly Economicsが紹介している。以下はその引用部。 Ronald Coase is typically thought of as one of the Ch…

ロドリック「80年代の輸出自主規制は良い政策だった」

11/3エントリで紹介したダニ・ロドリックとラス・ロバーツの対談の中で、80年代の日本の輸出自主規制に対してロドリックが意外な高評価を与えている。以下は該当部分の引用。 Dani Rodrik: As I said, you know, when you talk about trying to create good …

BOJの成功したインフレ目標政策とコミュニケーション政策

先月25日にマンキューが、「あなたの番だ、パウエル議長(Your move, Chairman Powell)」というコメントを添えてBOJのミュージックビデオにリンクした。ただしここで言うBOJは日銀ではなくジャマイカ銀行のことである。ぐぐってみると、中銀とミュージック…