についてCUTS International*1のPradeep S. Mehtaがミント紙に書いている(H/T Mostly Economics)。
The use of industrial policy by advanced economies like Japan and South Korea in their initial growth phase, before globalization reached its zenith, is well documented. However, its impact on growth is not entirely clear. ...
Despite different approaches to industrial policy, productivity, research, technology and infrastructure investment have been the critical keys to growth. As globalization was in its infancy, both countries had restrictions on their financial sectors and broad limitations on imports and foreign direct investment. This channelled high rates of national savings into industrial development and made sure domestic companies had a sound base of domestic demand for their products without facing foreign competition.
India cannot afford to replicate these success stories for two primary reasons: the declining rate of domestic savings, and an extremely interconnected world wherein unreasonable restrictions on movement of goods and capital conflict with commitments under international trade agreements. Given the prevailing limitations, how can India design an industrial policy which promotes economic growth with the trade dimensions upfront?
(拙訳)
グローバリゼーションがピークに達する前、日韓のような先進国で成長の初期段階に産業政策が用いられたことは数多く記録されている。しかし、それが成長に与えた効果については完全には明らかではない。・・・
産業政策へのアプローチの違いに関わらず、生産性、研究、技術およびインフラ投資は成長にとって重要なカギであった。グローバリゼ−ションがまだ緒に就いたばかりの時期だったため、両国は自国の金融部門に制限を掛け、輸入と海外直接投資に広範な制約を設けた。これによって高率の国内貯蓄が産業の発展に振り向けられ、国内企業が海外との競争に晒されることなしに自社製品についてしっかりとした国内需要の基盤を持つことを確かなものとした。
インドは主に2つの理由によって、こうした成功を再現することができない。国内貯蓄率の低下と、財と資本の移動に不合理な制限を掛けると国際貿易協定におけるコミットメントに抵触してしまうようなお互いが極めて緊密に結び付いた世界である。インドは、現状を支配している制約の下で、貿易という側面を前面に立てつつ経済成長を促進するような産業政策をどのように設計できるだろうか?
ここでのMehtaの問題意識は、過去四半世紀にインドは輸出振興策でグローバリゼーションの恩恵を得ることに成功したが、それによって格差も拡大したため、産業政策と輸出政策が衝突することもあることに注意しつつ、産業政策で問題を解決しよう、というものである。この後Mehtaは、経済成長の障害の除去に重きを置くとともに障害を取り除く過程で関係者が認識を共有することを重視するロドリックの産業政策論と、市場に任せていては進まない知識や技術の普及を重視するスティグリッツの産業政策論に解決策を求め、グローバルバリューチェーンに参加するためにそうした産業政策を実施すること――その時の産業政策は貿易政策の補完的な役割を演じることになる――を唱えている。