28日エントリで紹介したウルファーズの6つの論点の1番目と2番目を掘り下げるようなEquitablogエントリをデロングが書き(自ブログへの転載)、FRBの金融引き締め志向に疑問を呈している(H/T Economist's View)。
そこでデロングはまず、25-54歳人口の就業率について以下の図を示し、4点の考察を行っている。
- もし米国経済が潜在生産力水準で稼働するならば、25-54歳の就業率は2000年初めと同水準になっているべきである。当時の経済にはインフレ上昇の兆候はほとんど見られなかった。
- 現在、25-54歳人口の就業率は2000年初めに比べて5%ポイント低く、就業者数は当時の方が現在より6.5%(1/15)多かった。
- 2000年初めはインフレが加速していなかったとしても長期的に維持可能な潜在生産力を超えていた、と考えた場合でも、米国経済がフル稼働した場合に2006年水準の雇用水準に戻るとは考えても良いのではないか。その時の就業率は現在より3%ポイント高く、就業者数は4%(1/25)多かった。
- 米国経済の潜在生産力への収束は非常に遅く、25-54歳の就業率は過去2年に1%ポイント上がったに過ぎない。
然るにFRBは、米国経済が潜在生産力の水準に近付いたため、何か想定外のことが起きない限り資産購入を続けるのは不適切であり、インフレは2%目標を下回っているものの1年以内に金利を上げ始めるのが適切であると考えている、とデロングは言う。
上記の25-54歳の就業率の話とこのFRBの方針を整合させるとすると、25-54歳人口のうち2〜4%ポイントが大不況によって恒久的に労働力人口の外に追いやられ、二度と戻って来られない、ないし、少なくともFRBが容認できないほどの経済へのインフレ圧力無しには二度と戻って来られない、ということになる、とデロングは指摘する。
もしそうならば、そのことは以下の2つの疑問を惹起する、とデロングは言う。