ぐぐってみると、該当論文については日本語で既に素晴らしい解説が存在するので詳細はそちらを読んで頂くとして、要は、単回帰の統計量から予測値に関する情報を読み取る能力を試す質問票を257人の経済学者に投げたところ、誤った回答が多かった、という話である。
論文の著者がシンポジウムでこの内容を報告した時の反応をフォックスは以下のように報告している。
When Hogarth presented the paper at the International Symposium on Forecasting in Boston Tuesday, there was some debate over whether it was really fair to pick on economists as he and Soyer had. The economist next to me thought scholars in other fields would make the same mistakes. The physicist behind me said that since physicists' natural inclination was to believe that economists are usually wrong, they wouldn't pay much heed to the result.
Hogarth agreed that psychologists, sociologists, physicists, and others would probably make similar errors. But he said it was important to focus on economists because they're "very arrogant people" (he taught for 22 years at the University of Chicago's business school, so he should know) and tend to rely heavily on regression analyses without really thinking through the implications of those analyses.
...
"My concern," Hogarth said, "is that when reading economics journal articles you get the impression that the world is much more predictable than it is."
(拙訳)
ホガースが火曜にボストンで開かれた予測に関する国際シンポジウムで論文をプレゼンした時、彼とソイヤーがやったように経済学者を俎上に載せたことが本当にフェアかどうか、という点が議論の的になった。私の隣に座っていた経済学者は、他の分野の学者も同じような間違いをするだろう、と言った。私の後ろに座っていた物理学者は、経済学者は大抵間違っているというのが物理学者の一般的な考えなので、この結果は余り気にしないだろう、と言った。
ホガースは、心理学者、社会学者、物理学者、等々も同じような間違いをするだろう、という点には同意した。しかし彼は、経済学者は「非常に傲慢な人々」であり(彼はシカゴ大のビジネススクールで22年間教鞭を取っているので、この点については詳しいだろう)、かつ、分析結果の意味するところをきちんと考えずに回帰分析に非常に頼る傾向があるので、彼らに焦点を当てることには大いに意味がある、と述べた。
・・・
「経済学術誌の論文を読むと、世界が実際以上に予測可能だという印象を受ける、というのが私の懸念するところです」とホガースは述べた。