米国の高校生から見た日銀の不作為

来年*1プリンストンに進学予定というフィリップス・エクセター・アカデミーの高校生経済ブロガーのEvan Soltasが、スタンレー・フィッシャー率いるイスラエル中銀は暗黙裡に名目GDP目標を追求している、と書きWSJブログに取り上げられた(Mostly Economics経由)。


一方、その一つ前のエントリで彼は、日銀の不作為を槍玉に挙げている

Here I contend that the Bank of Japan hasn't even tried. While the Diet, Japan's parliament, has spent trillions of yen seeking to induce growth, the Bank of Japan has silenced nominal growth. Consumer prices have not changed since the mid-90s. Monetary growth has been in the single percentage points since the early 90s. And the yen has gained value against other currencies since 1990, roughly doubling against the U.S. dollar.
(拙訳)
ここで私は、日銀は[期待に働きかける金融政策を]試そうともしなかった、と主張する。日本の議会である国会は成長を促そうと何兆円も支出したが、日銀は名目GDPを押さえ込んだ。消費者物価は90年代半ば以降変化していない。貨幣の成長は90年代初め以降一桁のパーセントに留まっている。そして円の価値は1990年以降他の通貨に対して上昇し、米ドルに対しては倍増した。


…と、このように紹介すれば大体察しがつくと思うが、彼は熱心な名目GDP目標論者である。2ヶ月ほど前に小生はこのエントリの注釈で冗談半分に「Soon I will have a new apprentice, one far younger and more powerful」というパルパティーンの台詞を引用したことがあったが、その頃本当に名目GDP目標論者はそういったapprenticeを獲得していたわけだ。

*1:[6/23追記]プロフィール欄にnext yearと書いてあったので「来年」と記述したが、実際には今年進学のようで、6/7にはプロムだったとの。今ではプロフィール欄も「Evan Soltas is a student at Princeton University, where he intends to major in economics.」に書き換わっている。