と題したレポートで、ダラス連銀が以下の3つの図を示している(Mostly Economics経由;原題は「Financiers of the World, Disunite」)。
これらはいずれもヘッジファンドのパフォーマンスを示した図であるが、最初の図はリーマンショック時にそのパフォーマンスが業者によってばらけた様子を示している。
2番目の図は、景気の良い時にパフォーマンスが今ひとつだったファンド(青線)が、リーマンショック時にはあまり落ち込まず、全体の安定に寄与したことを示している。
3番目の図は、同じことを別の切り口で示したものであり、2006年にパフォーマンスで下位20%に属していたファンドが、2008年の5分位ではどこに属していたかを示している。そのうちの4割が最上位の分位に躍り出ており、最下位に留まったのは1割に過ぎない。
こうした分散化は金融システムの安定化の一つの要となるものであり、1998年のLTCM破綻時にはそれが進んでいなかったために各ファンドが一斉に似たようなポジションを手仕舞ったことが問題となったが、2000年代の危機ではそれがもはや問題ではなくなっていたことがデータから読み取れる、とレポートでは報告している。