災厄への処方箋:SSDI比率、苦痛、および処方慣行

というNBER論文が上がっている2月時点のWP)。原題は「Prescription for Disaster: The SSDI Rate, Pain, and Prescribing Practices」で、著者はWilliam N. Evans(ノートルダム大)、Ethan M.J. Lieber(同)。
以下はその要旨。

A county’s fraction of adults in 1990 on Social Security Disability Insurance (SSDI) is a strong predictor of growth in local drug death rates after 2000. The part of the SSDI rate related to drug deaths is not proxying for well-known contributors to the drug crisis, e.g. OxyContin. Instead, it appears to capture the fraction of people in chronic pain. We show that in the late 1990s, physicians began prescribing opioids more aggressively to treat pain. Taken together, our estimates suggest that drug deaths rates would be 43% lower in 2015 had prescribing practices stayed at 1995 levels.
(拙訳)
1990年時点の米国の成人に対し社会保障身体障害保険(SSDI)受給者が占める割合は、2000年以降の地域の薬物中毒死の伸びの強力な予測変数になっている。SSDIの割合が薬物中毒死に関連している部分は、薬物危機に寄与していることが良く知られているオキシコンチンなどの代理変数にはなっていない。その代わり、慢性的な苦痛を抱えている人々の割合を捉えているように見える。1990年代後半、医師が苦痛に対処するために積極的にオピオイドを処方するようになったことを我々は示す。総合すると、我々の推計は、処方の慣行が1995年の水準に留まっていたならば2015年の薬物中毒死は43%低かったであろうことを示している。

当然ながら、米国のオピオイド危機をもたらした過剰な処方においては、巷間良く指摘される明らかに不必要な処方で患者の濫用を招いたもののほかに、障害に伴う慢性的な苦痛に対処するということで必要なものもあったが、そうした処方においても行き過ぎがあった(おそらくは回数を減らすかもしくは非オピオイド鎮痛薬を使うべきだった)、ということのようである。