とRoweが書いている(原文は「Fish don't feel the water they swim in.」*1)。これはクルーグマンのマネタリスト批判を受けて書かれたもので、クルーグマンはマネタリズムをk%ルールとしてのみ捉えているが、それはあまりにも狭い捉え方である、と反論している。フリードマンは確かにk%ルールの戦闘では敗れたが、他の戦闘はすべて勝ち、戦争に勝利したのだ、とRoweは高く評価している。そして、クルーグマンは、フリードマンが勝った結果として確立されたマクロ経済学が事実上マネタリズムと化していることを感じていない(=自分の泳いでいる水を感じていない)ため、そのような批判をしているのだ、1970年頃に冬眠に入ったケインジアン版浦島太郎が今の経済学を見たら、ケインジアン的というよりはマネタリスト的という印象を持つだろう、と述べている。
その具体的な例としてRoweは、標準的なニューケインジアンマクロモデルの三本柱を挙げる。
つまり、3本柱のうち2.5本までがマネタリズムである、とRoweは結論付けている。ニューケインジアンの5/6は実はマネタリスト、というわけだ。
これに対し常連コメンターのAdam Pは、フリードマンだからと言ってすべてがマネタリズムな訳ではない、恒常所得仮説は別にマネタリズムではない、と反論している。従って、オイラー式に基づくIS曲線はマネタリズムとは呼べず*2、それだけでもマネタリスト率は5/6から50%にまで下がる、と彼はコメントしている。