インフレをもたらしたとしてサマーズが米財政刺激策を批判したことを前回エントリでは紹介したが、それには直接言及していないものの、クルーグマンが4/1ツイートで欧州のインフレを援用して違う見方を呟いている。
Given all the agita over U.S. inflation, I'm surprised at how low-key the coverage is of the huge spike in Europe 1/
Energy is, of course, a big part of it — Europe much more exposed than the U.S. because of foolish dependence on Russian gas. But core inflation is up a lot too, 1.2% on the month, which is ~15% at an annual rate 2/
https://ec.europa.eu/eurostat/documents/2995521/14442438/2-01042022-AP-EN.pdf/ba153bc6-c1aa-f6e5-785b-21c83f5319e5
Yes, the U.S. made policy errors. But a lot of this inflation is a global phenomenon 3/
(拙訳)
米インフレを懸念する声が溢れているが、欧州での急上昇に関する報道があまりないことに驚いている。
www.nytimes.com
エネルギーはもちろん大きな要因だ――ロシアの天然ガスへの馬鹿げた依存のせいで、欧州は米国に比べてその影響が遥かに大きい。しかしコアインフレも大きく上がっており、月次で1.2%、年率では15%程度になる。
https://ec.europa.eu/eurostat/documents/2995521/14442438/2-01042022-AP-EN.pdf/ba153bc6-c1aa-f6e5-785b-21c83f5319e5
確かに米国は政策の誤りを犯した。しかしこのインフレの大きな要因は世界的現象なのだ。
一方、サマーズが4/2ツイートでリンクしたForbes記事の冒頭では、インフレは一時的と考えたクルーグマンと、インフレは上昇してコントロールが難しくなると予想したサマーズを対比させ、2021年の大半はクルーグマンが正しいように思われたものの、2月にPCEインフレが40年来の水準に達し、米利上げが過去15年以上みられなかったペースで進むことになったことで、“サプライチェーンの問題が無くなればインフレも収まるとした市場関係者や有識者やFRBは間違っており、バイデンの米国復興計画は行き過ぎだった”、と主張したサマーズの勝利が決定的になった、と書いている。