アンドリュー・ゲルマンやタイラー・コーエンが紹介しているが、ペンシルベニア大学ペレルマン医学部のJeffrey S. Morris生物統計学教授が立ち上げたコロナ関連の特設サイトで、イスラエルの重症者の数字をどう読むべきか解説している。
以下はその概要。
- イスラエルにおける重症化で入院した患者515人の内訳は、ワクチン未接種214人、ワクチン接種済み301人。
- この数字だけを見ると、515人中301人(58.4%)がワクチン接種済みなので、ワクチンが効いていない、と受け止める人もいる。
- しかし、ワクチン未接種人口は130万2912人、ワクチン接種済み人口は563万4634人なので*1、10万人当たりに直すと、それぞれ16.4人、5.3人となる。
- 重症化に対するワクチンの効果は、1 - 5.3/16.4 = 67.5%。即ち、ワクチンを打っていなければ生じていたであろう重症化の2/3以上をワクチンは防いだ。
- また、ワクチン接種率は年齢層によって違う。
- 50歳以下ではワクチン未接種人口は111万6834人、ワクチン接種済み人口は350万1118人。一方、50歳以上ではワクチン未接種人口は18万6078人、ワクチン接種済み人口は213万3516人*2。
- 重症化の割合も年齢層によって違う。
- 50歳以下の重症化人数はワクチン未接種43人、ワクチン接種済み11人。50歳以上の重症化人数はワクチン未接種171人、ワクチン接種済み290人。
- 従って、50歳以下の10万人当たり重症化人数は、ワクチン未接種3.9人、ワクチン接種済み0.3人。50歳以上の10万人当たり重症化人数は、ワクチン未接種91.9人、ワクチン接種済み13.6人。
- 注意点としては、ワクチン未接種の人の中には既に罹患して免疫ができている人もいる可能性が高い。その場合、推計される効果は弱められる。(50歳以上と以下の)推計値が85-92%に留まったのはそれが理由かもしれない。