なぜ米国の労働者は働いていないのか?

というレポートをSF連銀が出している(H/T Economist's View)。原題は「Why Aren’t U.S. Workers Working?」で、著者はMary C. Daly(SF連銀)、Joseph H. Pedtke(ミネソタ大院生)、Nicolas Petrosky-Nadeau(SF連銀)、Annemarie Schweinert(ウィスコンシン大学マディソン校院生)。
以下はその要旨。

Labor force participation among U.S. men and women ages 25 to 54 has been declining for nearly 20 years, a stark contrast with rising participation in Canada over this period. Three-fourths of the difference between the two countries can be explained by the growing gap in labor force attachment of women. A key factor is the extensive parental leave policies in Canada. If the United States could reverse the trend in participation of prime-age women to match Canada, it would see 5 million additional prime-age workers join the labor force.
(拙訳)
米国の25-54歳の男女の労働参加率は20年近くの間低下しており、同期間に参加率が上昇しているカナダとかなり対照的となっている。二国間の差の4分の3は、女性の労働力への参加の差が開いていることで説明できる。主要な要因は、カナダでの育児休暇政策の振興にある。仮に米国が働き盛りの情勢の参加率のトレンドを逆転してカナダと同等にすれば、500万人の働き盛りの労働者が労働力に参加することになる。


以下はレポートの図2。男性は大不況後に乖離するようになったが、特に高卒の労働者で乖離が大きかったとの由。一方、女性はそれより早く1990年代後半から乖離が始まっているが、それは育児休暇などの子供を抱えた親への支援制度の違いによると考えられるとのことである。