というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「A Measure of Risk Appetite for the Macroeconomy」で、著者はCarolin Pflueger(ブリティッシュコロンビア大)、Emil Siriwardane(ハーバード大)、Adi Sunderam(同)。
以下はその要旨。
We document a strong and robust positive relationship between real rates and the contemporaneous valuation of volatile stocks, which we contend measures the economy’s risk appetite. Our novel proxy for risk appetite explains 41% of the variation in the one-year real rate since 1970, while the valuation of the aggregate stock market explains just 1%. In addition, the real rate forecasts returns on volatile stocks, confirming our interpretation that changes in risk appetite drive the real rate. Increases in our measure of risk appetite are followed by a boom in investment and output.
(拙訳)
我々は、実質金利と、変動の大きい株式の同時期の評価価格との間に、強力かつ頑健な正の関係が存在することを立証した。我々はそれを、経済のリスクアペタイトの指標である、と主張する。我々の新たなリスクアペタイトの代理変数は、1970年以降の1年限の実質金利の変動の41%を説明する。一方、総体的な株式市場の評価価格は、実質金利の変動の1%しか説明しない。また、実質金利は変動の大きい株式のリターンを予測する。これは、リスクアペタイトの変化が実質金利を動かす、という我々の解釈を確認するものである。リスクアペタイトの我々の指標が上昇すると、投資と生産の好況が後に続く。
ungated版によると、新たな指標(price of volatile stocksの頭文字を取ってPVStと論文では表記している)は、ボラティリティのランキングで作成した五分位ポートフォリオにおいて、最もボラティリティの低いポートフォリオと最もボラティリティの高いポートフォリオの簿価時価比率の差、として定義されている。