新たな財政政策の五原則

についてジェイソン・ファーマンCEA委員長が書いている
以下はその五原則。

  1. 金利世界で従来の金融政策が限界に直面している時、財政政策は特に効果的な補完手段となる。
    • 金利は危機の副産物というわけではなく、むしろそれに先行していた。先進国の10年物国債金利は1985年には約6%だったが2005年には2%を切った。現在の超低金利を脱したとしても、5〜10年前に当然視されていた水準に戻るとは考えにくい。
  2. 現在の状況下では、過去に考えられていたよりも財政政策は効果的かもしれない。
    • 力強い成長、高い期待インフレを通じて、財政拡張策は民間投資を「クラウドイン」できる。
  3. 一般に思われているよりも先進国には財政政策を拡大する余地がある。
    • 現在の状況下では、効果的に設計された投資は債務以上に生産を増やすことができ、債務GDP比率を減らすことができる。
    • 将来の年金と医療費はどの国でも問題になっているが、最新のIMF予測では、先進国のおよそ3/4で、今後数十年間のそれらの支出の増分が5年前予測よりも下がっている。
  4. 金利が長期化していることと経済が潜在成長率以下で推移していることは、財政拡張策をもっと継続すべきことを示している。
    • 特に投資が長期的な成長を支えるインフラや研究や教育に向けられる場合はそう。
  5. 財政政策の効果は多国間で協調した場合に強まる。
    • 貿易や資本の流出入を通じて国境を越えた波及効果が得られ、国内のみならず世界の成長率が高まる。