大統領候補へ:FRBに手を出すな

と題したWaPo論説をアラン・ブラインダーが書いている(原題は「Message to the candidates: Hands off the Federal Reserve」、H/T Economist's View)。
そこでブラインダーは、FRBの改善の可能性(メッセージの発信者を絞って内容をより平易にする、議長の任期を最大8年に制限する)を認めつつも、以下の4点について議会の今の動きに警告を発している。

  1. FRB監査法案
    • FRBの会計は既に長年に亘って監査を受けている。今のFRB監査法案は、金融政策の決定に後からあれこれ文句を付けることを制度化するもの。その目的はFRBを威圧して政治化することにある。
  2. FRBが金融政策の機械的な方程式を公表し、そこから乖離した場合に議会に説明するようにすること
    • 金融政策においてFRBに裁量を認めるか、それともルールで縛るか、という論争は学界で長らく続いたが、2008年にそれは決着が付いたはず。危機の最中にFRBがルールに従うことを余儀なくされていたらどうなっていたかは考えるだに恐ろしい。
  3. FRBの二つの任務から雇用目標を外す
    • 議会には好きな時にFRBの任務を変更する権利があるが、これは特によろしくない考え。ブラインダーは二つの任務は概ね正しいと考えている。クリントンもその変更に反対しており、おそらく国民の大半も同意見。
  4. FRBの予算の大半を年次の割り当てプロセスに乗せる
    • 議会の予算割り当てから自由であることは、おそらくはFRBの独立性の要。議会が他の部局についてよくやっているように、不快感を覚えた議会が予算を絞れるようになれば、中銀は独立性を保てない。

議会がFRBよりも金融政策を上手にできない以上、次期大統領は以上の4つの反FRB的な考えに反対し、議会を通過した場合には拒否権を発動すべき、とブラインダーは述べている。