コント:ポール君とグレッグ君(2016年第3弾)・続き

18日エントリで取り上げたクルーグマンの批判に対しマンキューが反論した。

グレッグ君
最近のNYT論説で僕は、低い成長率を説明する仮説を幾つか取り上げた。一つはアルベルト・アレシナとシルビア・アルダグナの研究に基づくもので、彼らの研究は、税と支出の乗数に関する標準的なケインジアンの見方は国際的な実証結果と矛盾する、ということを示していた。
ポール君はアレシナ=アルダグナの研究は「論破された」と言う。これほど真実から懸け離れたことは無い。財政再建に関するアレシナ、ファベロ、ジャヴァッツィ*1直近のこの論文を見てほしい。この論文では以前の研究と整合的な実証結果が報告されており、査読付きの学術誌であるジャーナル・オブ・インターナショナル・エコノミクスに掲載予定だ。(ちなみにこの研究は大きな税の乗数を見い出したローマー夫妻の研究とも整合的だ。夫妻が見い出した乗数は、支出乗数に関する従来の研究の結果よりもかなり大きいものだった。)
確かに、この件に関する議論は継続している。覚えておいてほしいのは、僕の論説は経済で何が起きているかについての仮説を紹介するものであって、どれが正しいかを主張するものでは無かった、ということだ。僕の観点からすると、アレシナの研究は依然として説得力のある仮説を提示している。

*1:マンキューはGiavazziを誤ってGiovazziと書いている。