フィッシャー式逆さ眼鏡派の逆襲・その3

引き続き、フィッシャー式逆さ眼鏡派ネタ。

Josh Hendricksonが、先週、同派の代表選手と目されているSteve Williamsonと直接会話し、その真意を確認したという。自ブログ「The Everyday Economist」でその内容を報告しているノアピニオン氏(追記)経由のデビッド・ベックワース(追記)経由)。
以下はその概要。

  • Williamson、コチャラコタが言っているのは、基本的にフリードマンと同じこと。三者に共通しているのは、金利を固定した場合、長期的にインフレ率を決定するのは貨幣の伸び率だ、という前提。その点が理解されなかったため、コチャラコタや彼を擁護したWilliamsonは不当な非難を浴びた。
  • フリードマンは、名目金利が3%の時に中銀がそれを2%に下げたいと思った場合、貨幣の伸び率を増やせば流動性効果を通じて短期的にはその目標を達成できる、と論じた。しかし最終的には、フィッシャー効果により名目金利は押し上げられる。従って、中銀が名目金利固定を継続しようと思ったら、貨幣の伸び率を増やし続けるしかない。それはインフレが上昇し続けることを意味し、持続可能ではない。従って、中銀はこのような名目金利固定政策を追求することができない。
  • 一方、コチャラコタは、中銀が名目金利をゼロに固定したい場合、実質金利がプラスならば、貨幣伸び率を減らさなければならない、と論じた。
  • つまり、フリードマンは、中銀が名目金利固定政策を追求する可能性を論じた。コチャラコタは、中銀が名目金利固定政策を追求することを所与として、その政策を維持するためにどうすれば良いかを論じた。
  • コチャラコタの議論はデフレを推奨したものとして捉えるべきではなく、長期に亘ってゼロ金利政策を継続するという当時FRBが打ち出した時間軸政策はデフレ政策につながってしまうのだよ、という批判として捉えるべきであった。