昨日に引き続きクリス・ディローのサッチャー評の紹介。昨日の紹介から分かるように、ディローは決してサッチャーのファンではないが、死去の直後のエントリだということもあり*1、ここではサッチャーの良い点を挙げている:
- 実用主義
- 政治家が抜本的な変化をもたらすことができるという認識をもたらした
- 警察・刑事証拠法
- 「市場には勝てない」
- サッチャーは政府にはできないことがあると分かっていた。法律による価格・賃金統制がその例。
- 1987-88にローソンが独マルクにポンドをペッグさせようとした時や、1990年にERMに加入した時に、彼女が正しかったことが明らかになった。
- 幸運
- 最初の任期で少なくとも2つの幸運があった:
- フォークランド戦争
- M3目標政策による予期せぬ不況で労働者の交渉力を奪い、結果的に利益率が高まり投資が促進されたこと(昨日のエントリ参照)
- 最初の任期で少なくとも2つの幸運があった:
- スノビズムを減退させた
- 彼女の成功は、女性や階級に関する富裕層のスノビズムを減退させた。彼女と似たアクセントで話すディロー自身も、仕事面でその恩恵を受けたかもしれない。ただ、そうした機会の平等の拡大は一時的なものに過ぎないかもしれないが。
*1:今回紹介するエントリは順番的には昨日紹介したエントリの前。